ドゥカティの“策”が裏目に? ミラー、ホールショットデバイスの解除に失敗
ジャック・ミラーは第12戦イギリスGPのスタートで、ホールショットデバイスが外れなかったことで“チョッパー”カスタムのバイクに乗っているようだったと語った。
Jack Miller, Pramac Racing
Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第12戦イギリスGPで8位フィニッシュとなったプラマックのジャック・ミラー。彼は昨年の日本GPからホールショットデバイスを使用しているが、その固定が外れなかったことで、アドバンテージを得ることに失敗したとミラーは語った。
ホールショットデバイスとは、モトクロスで良く使用されているデバイスだ。フロントフォークを縮めた状態で固定して、発進時のウイリーを抑制し、スタートの改善を手助けする装置だ。
一方でドゥカティの使用しているデバイスは、リヤサスペンションを固定するものだと考えられる。ホールショットデバイスを作動させることでリヤのサスペンションは固定され、バイクの車高は低く沈み込む。リヤサスペションを縮めるためにエネルギーが消費されることなく、発進することができるだろう。ウイリーは発生しやすくなってしまうが、電子制御でそれを抑えていると見られる。
通常はターン1でブレーキングする際に固定が解除され、バイクの姿勢が戻るようになっている。しかし、シルバーストン・サーキットはターン1(コプス)までの距離が短く、ミラーは3番グリッドと前方からのスタートだったため、ほとんどブレーキを使用しなかった。そのため、ホールショットデバイスが解除されなかったようだ。
そもそも、ミラーはイギリスGPでホールショットデバイスを使用することについて懐疑的だったようだ。ミラー曰く、バイクはまるでチョッパースタイル(※フロントフォークが長く突き出た市販バイクのカスタムの一種。ハーレーなどで良く見られる)のようで、マゴッツとベケッツに(ターン2〜4)向かって行く際には“かなり怖かった”と話している。
これまでにそうしたホールショットデバイスの問題は無かったのかとミラーに訊くと、彼はこう答えた。
「無いね。それはこういったターン1までが短いサーキットでは、僕は(ホールショットデバイスを)使っていなかったからだ」
「チーム側は、ホールショットデバイスの解除に十分なブレーキをかけられると思っていた。でも僕はそれについては疑問に思っていたんだ。実際、解除できるだけのブレーキは使っていなかった」
「チョッパースタイルのバイクに乗っているようで、マゴッツに向かう時はかなり怖かった。(ホールショットデバイスを外すため)ずっとブレーキを深く握ろうとしていた」
「つまり言ってしまえば、ジャックナイフする(リヤタイヤを浮かせる)必要があった。そして妙な場所で(デバイスを解除しようと)試みていたんだ。結果的にそれはなんとかできたけどね」
「ここやフィリップアイランドのような場所では、ホールショットデバイスは使えない。ただシルバーストンでももう少し後ろのグリッドからのスタートだったら、何のドラマもなく使えたとは思う。7番グリッドの(アンドレア)ドヴィツィオーゾは問題なかったようだしね。でもグリッドがコーナーに近すぎると、ブレーキにはほとんど触れないんだ」
「僕はブレーキを引こうとした。でも先頭集団に居たから、後ろの20台のバイクを見送ってチェックするなんてことは望んではいなかったんだ」
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