MotoGP オーストラリアGP

MotoGPライダー、野生動物とのニアミス事件に対策強化を求めるも……ミラー「ここはオーストラリアなんだから」

多くのMotoGPライダーが、オーストラリアGPが開催されているフィリップアイランドに出没する野生動物とライダーの保護を安全委員会で訴えた。

Andrew van Leeuwen

Andrew van Leeuwen

編集: 2022/10/16 17:04

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Jack Miller, Ducati Team

 MotoGPのオーストラリアGPが開催されているフィリップアイランド・サーキットで、野生動物とのニアミス事件が何度かあったことを受けて、安全委員会で話し合いが行なわれた。

 今回のオーストラリアGPのフリー走行1回目では、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)がコースを横断したワラビーと危うく接触するところだった。また、Moto2クラスの予選ではコース上にガチョウのような野鳥がいたことから、セッションが少し早めに赤旗終了となっている。

 このサーキットは、その名の通りフィリップ島に作られているコース。背景に海が広がる世界屈指の素晴らしいロケーションに恵まれた風光明媚なサーキットだ。この島はペンギン・パレードが有名な、野生動物が多い観光名所でもある。

 それだけに過去にもカモメとの接触事故が何件か起きており、最も有名なのは2015年決勝レースでのアンドレア・イアンノーネとの接触だろう。コース上を歩いていたカモメが逃げ遅れ、トップを走っていたイアンノーネのヘルメットと接触してしまったのだ。

 2013年には、ホルヘ・ロレンソが予選アタック中にカモメと衝突。カモメがバイクに引っかかったまま、ポールポジションを獲得したこともある。

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 スズキのアレックス・リンスは、ライダーの安全性を向上させるために、サーキットの外周フェンスの高さを再検討する必要があると、安全委員会で訴えたという。

「昨日、安全委員会でフェンスを改良する必要があると話し合ったんだ」と、リンスは予選後に語った。

「もしワラビーにぶつかったら、動物にとっても、僕たちにとっても、とても危険なことだからね。ストレートにあるフェンスを見ると、それほど高くはないんだ」

 エスパルガロは、ワラビーとのニアミスについて「受け入れられない」としながらも、空を飛ぶ鳥をサーキットに入れないようにすることは不可能であることを認めている。

「ミーティングが始まったとき、みんな笑っていたよ。でも、安全性の観点から非常に重要なことだと理解してくれた」とエスパルガロは語った。

「僕にとっては容認できないことだ。彼らが改善できるかどうか見てみよう。僕たちは彼らに、もう少しうまくコースを塞ぐように頼んだんだ」

「鳥については何もできない。鳥(との接触)は起こるかもしれない。でも、ワラビーはそうはいかない。もし昨日、僕がワラビーと当たっていたら、時速220kmで走っていたから、大きな大きなクラッシュが起きていただろう」

 これが3年ぶりの母国戦となるジャック・ミラー(ドゥカティ)は、ライダーたちの安全に対する懸念は理解できるとしながらも、FP1で目撃されたワラビーは、グランプリの週末が始まってからサーキットに侵入したとは考えにくいと主張した。

 むしろすでにサーキット内に生息しており、バイクに怯えて出てきてしまった可能性が高いと彼は考えている。

「誤解しないでほしいが、時速350kmで走るレースコースの真ん中でカンガルーなどが飛び跳ねるのは非常に危険だ」

 そうミラーは取材に応えた。

「この場所の周りに6フィートのフェンスがないことは理解しているが、昨日安全委員会で言ったように、あのカンガルーはただ歩いて入ってきたわけではないんだ」

「300馬力の機械が走り始めた音で目を覚まして、起きて出てきてしまったんだろう」

「レーストラックに動物がいるのは良いことじゃないけど、結局のところどうしたら良いんだ?」

「フェンスには人がたくさんいるから、フェンスを越えて入ってくることはないだろう。あまり問題にはならないと思う」

 安全委員会は何か解決策を考えているのか、という質問にミラーは、この問題は解決不可能であることを繰り返し強調した。

「結局のところ、このような象徴的な場所にサーキットがある以上、野生動物の問題は常に付きまとうことになるんだ」

「カモメだろうが、あのドードーみたいな鳥だろうが、常に問題は起きうる。どうするんだ? 島ごと動物を絶滅させるのか?」

「オーストラリアに来れば、野生動物がいることは誰でも知っている。高速道路を走れば、野生動物の轢死体もみる。この島にはたくさんの動物がいて、人はあまりいない。世界のどこの国とも違うんだ」

 

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