インタビュー
スーパーGT
山本尚貴の感謝(2):”恩師”高橋国光「あの時の言葉で成長できた」
2018年のGT500王者に輝いた山本尚貴は、恩師である高橋国光総監督の言葉が自分を成長させていくきっかけになったと語った。
Tomohiro Yoshita
編集: 2018/11/23 8:07
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

2018年のスーパーGT(GT500クラス)でシリーズチャンピオンを獲得した山本尚貴。レース後のグランドフィナーレでは「感謝の気持ちを伝えたい人がいっぱいいる」と目に涙を浮かべながら語っていたのが印象的だった。
その感謝を伝えたい人……そのひとりが“恩師”である、チームクニミツの高橋国光総監督だ。山本は高橋総監督の下で戦ってきた中で、多くの「成長するヒント」を教えてもらったという。
前身の全日本GT選手権から数えて、参戦25年目を迎えたチームクニミツ。GT500クラスでは名門チームとも言える存在だ。その中で最も在籍歴が長いのが伊沢拓也と山本(ともに7シーズン)だ。
ふたりがチームクニミツに加入したのは2010年。すでにGT500で3勝を挙げており、ホンダ陣営の次期エースという期待も高まり始めていた伊沢に対し、山本は前年に全日本F3選手権Nクラスでシリーズチャンピオンを獲得したもののスーパーGTの経験はなく、当時はまだ無名に近かった。
「2010年にスーパーGTにデビューさせてもらって、F3からいきなりのGT500に乗るチャンスをもらえたことは、ものすごく嬉しかったです。ただ、今になって思えば……F3から上がってきた無名のドライバーをよく起用してくれたなと思います」
今でこそミスのない安定した走りで定評がある山本だが、GT500参戦当初は失敗をして勝てるチャンスを逃してしまうことも少なくなかった。その中で山本は2012年の開幕戦岡山でのエピソードを挙げた。
この時は立川祐路が駆る#38 ZENT CERUMO SC430を、山本が乗る#100 RAYBRIG HSV-010が追いかけるというトップ争いだった。残り2周のダブルヘアピンで山本がトップに浮上。このまま行けば悲願の初優勝かと思われた。しかし立川も意地をみせ、ファイナルラップのバックストレート終わりにあるヘアピンで再び山本を抜き返し、0.5秒差でトップチェッカーを受けた。マシンを降りた山本は悔し涙を流し続けた。
この時に高橋総監督からかけてもらった言葉が、トップドライバーにまで成長するきっかけになったと山本は振り返る。
「(高橋総監督とのやり取りで)一番覚えているのが2012年の岡山です。最終ラップに入る前に逆転してトップに出て、あと1周逃げ切れば初優勝という場面でしたが……詰めの甘さが出て、立川選手に抜かれて2位で終わりました」
「プロの仕事ができなかったので、普通だったら怒られて当然です。でも、国光さんは『ものすごく良いレースだった!』と褒めてくれました」
「もちろん、あの1戦で逃がした魚は大きかったです。でも、今になって思えば……あの時の“負け”が自分をさらに強くすることができたと思うし、その時の『小さくならずに、思いっきりいけ!』という国光さんの言葉があったからこそ、僕もチャレンジする気持ちを忘れずにやってこれました。だからこそ、今のポジションがあると思います」
2013年と2014年は童夢レーシングに移籍し、2年間で初優勝を含め2勝を挙げる活躍をみせた山本。2015年にチームクニミツに復帰すると、以前とは比べものにならないほど成長した走りを披露。これには高橋総監督も「昔は山本選手に対して自分の経験を話したりすることもありましたが、今では私が何もしなくても自分で考えて動くようになっています」と感心していた。
常に暖かい目で見守ってくれる恩師に、いつか恩返しをしたいと思い続けてきた山本。その目標が、今年ようやく叶った。
「たくさん勝てるレースを逃したし、本来なら経験のあるドライバーを起用すればもっと勝ち星を挙げることができたかもしれません。その中でも起用し続けてくれた国光さん(高橋総監督)にいつか恩返しができればなという気持ちで戦ってきました。
「それが今年ようやくタイトルを獲得して……ひとつ恩返しができたのかなと思います」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 二冠達成でさらに高まる『F1待望論』……気になる山本尚貴の心境は?
次の記事 山本尚貴、F1視察後の思い語る「自分からチャンスを手放したくない」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
Tomohiro Yoshita

SC導入とほぼ同時だった6号車のピットイン。“問題なくセーフ”判定になった理由とは
スーパーGT
スーパーGT
第5戦:富士
2019/08/05
SC導入とほぼ同時だった6号車のピットイン。“問題なくセーフ”判定になった理由とは

大クラッシュを喫するも塚越に怪我なし、17号車は決勝出走を目指し修復中
スーパーGT
スーパーGT
第5戦:富士
2019/08/03
大クラッシュを喫するも塚越に怪我なし、17号車は決勝出走を目指し修復中

9年ぶりの勝利、中嶋悟総監督「スタッフの喜ぶ顔が何より嬉しかった」
スーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラ
第4戦:富士
2019/07/14
9年ぶりの勝利、中嶋悟総監督「スタッフの喜ぶ顔が何より嬉しかった」

More from
山本 尚貴

ホンダ、昨年末に京都で開催した「Premium Night」の様子を動画で公開。角田裕毅、岩佐歩夢、山本尚貴が登場……レッドブルとレーシングブルズのマシンの違い等を語る
F1
F1
7 ヵ月前
ホンダ、昨年末に京都で開催した「Premium Night」の様子を動画で公開。角田裕毅、岩佐歩夢、山本尚貴が登場……レッドブルとレーシングブルズのマシンの違い等を語る

スーパーフォーミュラ、SUGOで今季初のCN開発テストを実施。国本雄資と山本尚貴が赤虎/白虎のステアリングを握る
スーパーフォーミュラ
スーパーフォーミュラ
Carbon-Neutral Test 1
2025/05/29
スーパーフォーミュラ、SUGOで今季初のCN開発テストを実施。国本雄資と山本尚貴が赤虎/白虎のステアリングを握る

今年のSTANLEY TEAM KUNIMITSUは白黒基調! スーパーGT・GT500今季カラー発表。メンテナンスはHRCが担当
スーパーGT
スーパーGT
2025/03/11
今年のSTANLEY TEAM KUNIMITSUは白黒基調! スーパーGT・GT500今季カラー発表。メンテナンスはHRCが担当
最新ニュース

このマシンにはまだまだポテンシャルが秘められている……アストンマーティンのニューウェイ代表、今後の進歩に期待「重要なのはドライバビリティの改善」
F1
F1 F1
オランダGP
16 分前
このマシンにはまだまだポテンシャルが秘められている……アストンマーティンのニューウェイ代表、今後の進歩に期待「重要なのはドライバビリティの改善」

ローソン、2度目レッドブルで僚友肉薄充実の予選! 「最高。自分では分かっていたことだけどね」
F1
F1 F1
オランダGP
49 分前
ローソン、2度目レッドブルで僚友肉薄充実の予選! 「最高。自分では分かっていたことだけどね」

プレリュード連勝! 今度はARTA 16号車だ! GT300はウマ娘逃げ切り|スーパーGT第5戦鈴鹿:決勝速報
スーパーGT
SGT スーパーGT
第5戦:鈴鹿
1 時間前
プレリュード連勝! 今度はARTA 16号車だ! GT300はウマ娘逃げ切り|スーパーGT第5戦鈴鹿:決勝速報

ラッセル、タイトル争いのプレッシャーから解放? 夏休みで心機一転「コースに出て、楽しんで走るだけ」
F1
F1 F1
オランダGP
1 時間前
ラッセル、タイトル争いのプレッシャーから解放? 夏休みで心機一転「コースに出て、楽しんで走るだけ」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録