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FR化したNSX-GTでの“新発見”、山本尚貴「開発陣みんながやりがいを感じている」

Class1規定導入に合わせて2020年からFRのNSX-GTで戦うホンダ。開発ドライバーを務める山本尚貴にテスト中の新NSX-GTについて訊いた。

吉田知弘

公開日時: 2020/01/20 22:43

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#99 Honda NSX-GT(2020開発車両)

 2020年もチームクニミツからスーパーGT(GT500クラス)に参戦する山本尚貴は、参戦車両がFRのNSX-GTに変わることで、開発陣の士気が高まっており、テストでも新たな発見があったと語った。

 これまでホンダのGT500車両は、ベースとなっている市販車のNSXに則り、エンジン搭載位置がコックピットより後ろにある“ミッドシップレイアウト”を採用してきた。しかし2020年から導入されるDTMとの共通規則“Class1”に準拠するためにトヨタ、ニッサンと同じコックピットより前にエンジンを搭載する“FRレイアウト”に変更した。

 すでに10月にオートポリスで行なわれたシェイクダウンテストを皮切りに、開発テストを進めているホンダ陣営。昨年12月と今月下旬にもマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで精力的にテストをこなしているが、その新型マシンの開発テストに参加している山本に、FR化したNSX-GTに対する印象を訊いた。

「急にFRになってノウハウがなくて全然戦えない……ということはないです。シーズンを通してちゃんと戦えるクルマにはなりそうかなと感じています」

 そう語った山本。エンジンの搭載位置が変わっていることもあり、一見すると“大幅な変更”という印象を受けがちだが、実際に開発車両でテストをしてみると“良くも悪くもNSX-GT”という特徴があったという。

「ミッドシップからFRになっても変わらない部分があって、それがホンダとしてもドライバーとしても気づけた部分もありました。FRになったことが決してネガティブにはなっていないし、むしろFRになって良かったなと思っています。良くも悪くもNSX-GTだなという感じでした」

「やっぱり、今までミッドシップがゆえに言い訳をしたり、逃げてきた部分が正直少なからずあったと思います。このクルマのキャラクターに関しても、そうなのかな(エンジンの搭載位置が影響していた)と思っていた部分は僕たちも正直ありました。でも実際にはそうじゃなかったんです」

 どうやらホンダ陣営が課題と感じている部分は、“エンジンの搭載位置”以外に原因がありそうだというのだ。山本はこう続けた。

「FRになっても今までと変わらない部分もあって、自分たちが思っていた場所とは違うところを良くした方がいいんじゃないかということにテストをしていく中で気づけました」

「今までのNSX-GTの動きと比べて悪い部分は変わらないけど、ライバル勢に対して劣っている部分があるとすれば……それはやっぱりホンダが元々持っているデータという部分で、どこかボタンの掛け違いみたいなことが生じていたのかもしれません」

「それを改めて気づくことができましたし、『逆にこれは面白いぞ!』と開発陣のみんなも含めて、やり甲斐を感じています」

 また山本は、エンジンの搭載位置が変わってもマシンのキャラクターや得意なコース等は大きく変わらないと語った。

「(得意コース、不得意なコースなどは)正直、変わらないと思います。それはやっぱり、各メーカーが考えている“走らせ方”みたいなものがありますからね。今までクルマづくりの中で培ってきたノウハウというものがあるから、FRになったからといって(方向性を)今までのコンセプトから大きく変えることが難しいです。だから、あまり大きなキャラクターの変化というのは起きないかもしれないですね」

「ただ、チャンピオンを獲るためには苦手なところを極力減らさなければいけません。それはトヨタもそうですし、日産もそうだと思います。なるべく不得意な部分を減らして、着実にポイントを重ねて勝利を目指していくことが、チャンピオンを獲る上では大事だなと思っています」

 他メーカーと完全同一条件になったこと、その車両でテストをしていく中で新たな発見があったことで、開発陣やテストに参加しているドライバーたちのモチベーションが非常に上がっているとのこと。山本も打倒ライバルを目標に掲げ、闘志を燃やしていた。

「みんな(ライバル勢)はFRのデータがあるし、そこから熟成していける部分もあります。それに対して僕たちは一見FRのクルマになってビハインドを背負っているように見えますが、むしろFRになったことで同じ土俵に立つことができて、みんなに追いつけ追い越せという雰囲気になっています」

「どんどん上を目指そうという気持ちが、HRD Sakuraの開発陣の中にも、ドライバーたちにもあります。今の雰囲気としては非常に良いものになっていますね」

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