開幕戦で悪戦苦闘のマクラーレン。問題は「一朝一夕では直らない」とノリス吐露
マクラーレンのランド・ノリスは、開幕戦でチームを苦しめる問題は一朝一夕では直らないと語っている。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
ランド・ノリスは、マクラーレンを苦しめる問題はそう簡単には直らないと言う。
マクラーレンはバルセロナテストで好調だったが、続くバーレーンテストではブレーキ冷却のトラブルによって走行プログラムを満足にこなせず、後手に回ってしまった。
バーレーンテスト最終日には対策が施されたブレーキダクトを持ち込み、さらに開幕戦バーレーンGPでもアップデートしたことで、問題は解消されたと言われていた。しかし、予選ではノリスが13番手、ダニエル・リカルドが18番手に沈むなど、チーム全体として思うようなパフォーマンスを発揮できていない。
ノリスは、原因究明に取り組むチームを信頼していると語る。
「みんな一生懸命頑張ってくれているし、取り組んでいることに関しての長い会議をさっき終えたところだ」と彼は言う。
「昨年からずっと、良いアイデアをひねり出そうと頑張ってくれている」
「ポジティブな面もいっぱいあるけど、悲しいことにネガティブなことの方が多い。でもこれらは時間と労力の問題だし、今まで以上に問題を理解できるようになったと思う。あとは実行に移すだけだ」
「でも、一朝一夕でできるモノじゃないし、明日には快調というワケでも、(第2戦の)サウジアラビアに行ったら素晴らしい活躍ができるというワケでもない。時間はかかるけど、彼らは解決に向けて賢明に頑張ってくれるはずだ」
一方予選で18番手に沈んだリカルドは、バーレーンでのトラブルはチームにとっての“起爆剤”であり、さらなるモチベーションに繋がると示唆している。
「僕らが前に進む唯一の方法は、前に目を向けて取り組むことだけだ。チームの士気を高めるためにも、重要なことだと思う。何もしないで文句を言ったり、泣き喚いたりするだけじゃダメだ」
「もちろん、予選18番手という結果には満足していない。でも、そのことに腹を立てて何もしないのは良くない」
「だからランドも言った通り、僕ら全員が行動して、努力することが必要なんだ。それがもっと良くしよう、もっと良くなれると思うモチベーションに繋がるんだ」
「僕はチームがもっと上のグリッドに行けると信じている。だからこれは起爆剤みたいなモノ。今はまだ導火線に火がついた段階なのかもしれないけど、それが僕たちにできることなんだ」
Sparks kick up from the rear of Lando Norris, McLaren MCL36
Photo by: Steven Tee / Motorsport Images
マシンの感触は良くても、単純なスピードが欠如していたのかと尋ねられたノリスは、13番手という結果よりもマシンは速く感じられたと語った。
「その両方の要素が絡んでいると思う」とノリスは言う。
「1周をまとめ上げるのは大変なことだ。でも同時に、まとめきれれば本来の順位よりも速く感じられる。予選Q2の最終アタックで、1分32秒かそこらを出した時みたいにね」
「6番手か7番手、5番手とか……それかポールポジションを獲ったかのように思えるんだ! でもパフォーマンスを発揮して、全てを出し切ったと思っているのに、実際はかなり遅いんだ」
「だからその両方だと言えるね。1周をまとめ上げるのは難しい。でもそれができたとしても、自分が望んでいる位置にはいないんだ」
またリカルドはこう続ける。
「明らかに、マシンは昨年より遅い。つまり、グリップが低くなっているんだ。だから間違いなく、現時点ではミスしやすいマシンになっていると思う」
「操るのが少し難しくなっているんだ。それに現時点では、上位勢のペースにはついていけない」
「僕らはマシンがスライドしてしまったり、タイヤがロックアップしてしまったりすることがちょっと多い。上位勢にとっては簡単なことだとは思わないけど、彼らには若干(ミスに対する)余裕がある。ただ、みんなそれぞれにマシンと格闘していると思う」
「シャルル(ルクレール/フェラーリ)のオンボード映像を見たんだけど、ターン6ではスナップがあった。だから誰も完璧じゃないんだ」
また、新型コロナウイルス感染によりバーレーンテストを欠場したリカルドは、スピード感を取り戻すことが難しかったと語っている。
「体調面では、もう問題ないよ。これが新型コロナウイルスのせいだとは思っていない」
「後れを取っていることは明らかだと言えるし、早急に一歩踏み出せたら嬉しいね。でも、僕は遅れを巻き返せていないし、僕が少し前進しても、周りのみんなも前へ進んでいる」
「バルセロナとは全く異なる特性のサーキットに適応するのは大変だった。もしバルセロナでそのままレースをしていたら、僕はもっと戦えていただろうね。テストを見てもそう思える」
「振り出しに戻ったとは言いたくないけど、新たな挑戦であることは間違いない。見るからにツイてなかったけど、しょうがないことだし、もう済んだことだ。だから前進できるよう努力するだけだね」
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