ペレス3位失ったピットは必要だった? レーシングポイント、判断は正しかったと主張
レーシングポイントはF1エミリア・ロマーニャGP終盤でセルジオ・ペレスをピットインさせたことが、表彰台を失うことに繋がったと認めたが、当時の状況では正しい判断だったと語った。
Sergio Perez, Racing Point RP20, in the pits during practice
Glenn Dunbar / Motorsport Images
イモラ・サーキットで行なわれたF1第13戦エミリア・ロマーニャGP。その決勝レースではレーシングポイントのセルジオ・ペレスは一時表彰台圏内を走行していたものの、レース終盤にセーフティカーが出動した際にタイヤ交換……これによりコース上でのポジションを下げたことが影響し、結局最終的に6位に終わった。
ペレスはこの日11番手からのスタートだったが、極上のタイヤマネジメントを見せミディアムタイヤでの第1スティントを伸ばしに伸ばすと、1回目のタイヤ交換を終えた時には4番手にまで浮上。ハードタイヤを履いてフィニッシュを目指していた。
レース終盤、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がタイヤバーストによってマシンをコース脇に止めた。このマシンを回収するためにセーフティカーが出動した際、ペレスはフェルスタッペンの脱落もあり3番手に浮上。表彰台圏内に位置していた。
しかしこのタイミングを好機と見たチームは、ペレスをピットインさせ、ソフトタイヤを装着。彼が隊列に戻ったときにはステイアウトしていたダニエル・リカルド(ルノー)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)らが先行し、ペレスは6番手と大きくポジションを落としてしまった。
リスタートでも、後方にいたダニール・クビアト(アルファタウリ)に追い抜きを許したものの、アルボンをオーバーテイク。ただ、それ以上はポジションアップできなかった。結局、一時は表彰台圏内を走りながらも6位でのフィニッシュとなった。
レース後、ペレスはセーフティカー時のピットインは必要なかったのではないかと疑問を呈していた。ただチームは、当時はハードタイヤでのリスタートがウォームアップの観点から難しいと考えため、ソフトタイヤに交換することを選択したという。
「レースは完全に我々の考えていた様に進んでいた」
レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンはそう語る。
「セーフティカーが出るまでの間、チェコ(ペレス)は素晴らしいペースで4番手にまで浮上していた」
「彼はミディアムタイヤを長く引っ張って集団の前に出た。本当に上手く走らせていたし、マシンも速かった。向かっている位置に、我々もかなり満足していたんだ」
「だが起こりうる最悪のシナリオがセーフティカーだった。残念だが我々はそれにどう対応するかの体勢が整っていなかった。常に難しい決断を迫られていたんだ」
「(ペレスは)ハードタイヤを履いていて、マシンは特にロングランに向けてセットアップされていた。そしてレースだが、我々はセーフティカーの後ろでのハードタイヤによるリスタートには、もの凄く心配していたんだ。私としては、(ハードのままの場合)苦戦しただろうと思っている」
「だから最も安全かつ論理的な行動は、新しいソフトタイヤへと交換することだと考えた。そのため、その点については心配する必要はなくなった。我々は他のライバルも同じことをするかもしれないと考えていたが、それは彼らがレースに向けて行なったセットアップ次第という状況だ」
「だがそのセットアップが、我々のレースペースの良さに繋がっていたのだとも思う。我々はタイヤをオーバーヒートさせないような、気を遣ったセッティングにしていたからだ。しかしそれがセーフティカーの後ろというシチュエーションでは苦戦することが予想されたんだ」
またグリーンはジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がセーフティカー中にクラッシュし、さらにセーフティカーランが延長されてしまったことも、チームにとっては痛手となったと語った。
「そしてセーフティカーの後ろでふたつ目のインシデントが発生してしまったが、これは予測し得ないものだった」
「これでオーバーテイクに向けて残されたラップは再び大きく減ってしまった。このことは我々には不利に働いたと思う」
「今になって考えればだが、我々は違う判断を下すという選択肢もあった。しかしそれが、当時の情報を元にした我々の決断だったと思う」
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