直線番長からオールラウンダーへ。レッドブル、マシン特性の変更に柔軟な姿勢「立ち止まれば、置いていかれる」
レッドブルのチーフエンジニアは、タイトル争いを戦い抜くべく、今季のマシン特性を様々な方向性に進化させていくと語った。
写真:: Red Bull Content Pool
レッドブルでチーフエンジニアを務めるポール・モナハンは、フェラーリとのタイトル争いにおいて競争力を保ち続けるために、今季のマシン『RB18』の特性を様々な方向性に進化させていくと語った。
F1の2022年シーズンは、開幕戦バーレーンGPからレッドブルとフェラーリが拮抗した優勝争いを展開。序盤はレッドブルのRB18が最高速度や高速コーナーで優れ、フェラーリ『F1-75』は低速コーナーやトラクションで速さを発揮してきた傾向があった。
しかしマイアミGP以降は、その構図にも変化が現れた。レッドブルは低速域でのパフォーマンスを改善し、次のスペインGPでは直線スピードよりもコーナリングに振った仕様の空力パッケージを投入し勝利を飾った。
モナハンは、様々なコース特性に対応できるよう、チームは異なる方向性にマシンを開発していくと語った。
「我々はプログラムとラップタイムを進化させるために学習を続けている」
「それは彼らと関係しているモノだ。フェラーリには得意分野と不得意分野が見て取れる。我々にとっては、そう(学習)しないのは甘い考えだと思う」
「彼らは低速でかなり優れている傾向がある。そしてコースの他の部分では我々が強い傾向がある。我々がどのようにラップタイムを記録しているか、彼らがどうやっているかを時折見てみると、目に見えた大きな手がかりを得ることができる」
「彼らはそのパターンから抜け出せないのか? それはどうだろう。我々も抜け出せないのか? いや、そんなことは全くない。我々は変化に対してオープンなのだ」
「このスポーツで立ち止まっていたらたいてい後れを取ってしまう。だから、もし我々が見直して学ばないのだとしたら、それは少しおこがましいことだ」
Sergio Perez, Red Bull Racing RB18, Max Verstappen, Red Bull Racing RB18
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
モナハンは、今後レースを行なうサーキットのコース特性と空力パッケージとの関係性について注目した。
「我々の仕事ぶりにはとても満足できていると言える。バクーでは、みんなある特定の方向性に集約すると思う。シルバーストンはちょっとした違いが生まれるとは思うが、どうだろうか? レッドブルリンクも少しは異なってくるだろう」
「ハンガロリンクではまだ集約していくだろうが、コース特性とラップタイムをどう引き出すかにかかっている」
「だから、現時点では我々はそれなりに良い仕事ができていると思う。でも(最終戦の)アブダビで、正しかったか、間違っていたかが分かるかもしれない」
モナコGPでは、決勝レースでは結果的にレッドブルのセルジオ・ペレスが優勝したものの、予選ではフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。ルクレールはここまで7戦中5戦でポールポジションを獲得しているが、レッドブルは予選でもフェラーリに拮抗しているとモナハンは言う。
「相手の相対的なペースがどういうモノかについては、常に少し主観的な見方になってしまう」とモナハンは続ける。
「ここでフェラーリが大きなミスを犯すと我々が考えるのは、少し甘いだろう」
「彼らも同じように我々を見てくれているといいね。両チームともそれぞれにある種の目標は達成できたように思える。順位について議論したいが、彼らはそうしないだろうね」
「強いマシンを手にしたのならば、サーキットに来ることを恐れてはいけない。コース特性によっては、推測が必要になったり、マシンの問題を増幅させたり抑制させたりするモノもあるかもしれない。ただ、それは各チームが独自に判断を下すべきモノで、私が判断を下すのは筋違いかもしれない」
「他のチームがどのように取り組み、何が強みで何が弱みなのか、客観的な目標を私が言うことはできない」
「自分のマシンを進化させ、そのポテンシャルを最大限に引き出すだけで十分なのだ」
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