リンス「ファクトリーマシン無しは考えられなかった」LCRホンダ移籍を決断した裏側
LCRホンダへの移籍が発表されたアレックス・リンスは、ファクトリーマシンを走らせることを重視しており、今季は競争力に欠けるRC213Vであっても、ホンダと契約できたことに喜びを見せている。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP2023シーズンからLCRホンダへ加入するアレックス・リンスが、現在苦戦に直面しているホンダ陣営への移籍を決めた理由について語った。
リンスはMotoGPクラスに昇格以来、常にスズキでレースを戦ってきた。しかしスズキのMotoGP撤退が決まったため、彼は他チームのシートを探すことになった。
ドゥカティ陣営やKTM、アプリリア勢など、移籍先に関していくつかの憶測が持ち上がったが、最終的にリンスが選んだのはLCRホンダだった。彼はファクトリーマシン以外でレースをすることは考えられなかったと語っている。
「ホンダとファクトリー契約を結ぶことが出来て嬉しいよ」
リンスはmotorsport.comのポッドキャストに対し、そう語っている。
「もちろん、ルーチョ(チェッキネロ/チーム代表)との契約にあたって、ファクトリーマシン無しの契約が唯一の選択肢だったなら、それで結んだだろう。でもファクトリーマシン無しでレースをするのは考えられなかったから、凄く嬉しいよ」
「バイクを改善するためのスキルも経験も、僕には豊富に備わっていると思う。ファクトリーマシン無しの自分は考えられなかったんだ」
「ドゥカティ勢の方でも選択肢があった。でも彼らはファクトリーマシンを僕に保証することはできなかった。それも理解できるし、僕にチャンスを与えてくれようとしたことには感謝している」
「そして最終的に、僕は2014年にも一緒に過ごしたホンダとやることにした。Moto3のプロジェクトの頃と大きく変わってはいないし、ハッピーだよ」
リンスは契約の締結によって、スズキのMotoGP撤退発表から続いていた緊張感を終わりにすることができたはずだ。
彼もスズキの撤退以降、新たに自分の乗れるファクトリーマシンを探さなければならない状況には怖さを感じていたと認めている。
「スズキが離脱を知らせてきたときには、ちょっと怖かったよ。ファクトリーマシンを確保しようとしていたんだからね。怖かったのは、それを見つけられないこともだけど、競争力のないマシンに乗ってしまうことについてもそうだった」
リンスは直列4気筒エンジンのスズキから、V4エンジンのホンダへの乗り換えというチャレンジに直面することになる。さらにホンダはここ数年苦戦が続いており、マルク・マルケスも欠場している状態で来季に向けても不安要素は大きい。つまり、リンスにとっては非常に大きな賭けになる可能性もある。
しかしそれでもリンスはホンダと契約を結んだ。彼は過去にホルヘ・ロレンソも苦戦し、今ポル・エスパルガロも苦しんでいることを理解していても、ホンダで良い結果を出すことを楽しみにしているという。
「自分に問いかけたんだ。過去にはロレンソが苦戦し、ポル・エスパルガロは良いレースがありつつも、苦戦している。アレックス・マルケスも表彰台を獲得してはいるけど、苦しんでいる」
「僕はこのプロジェクトへの加入にあたって、とてもワクワクしているんだ。ホンダのバイクが難しいとは思わないし、自分に何が出来るか見てみよう。このバイクに乗り、適応し、良い結果を出したい。それだけだ」
「MotoGPではスズキのマシンを改善してきた良い経験を備えている。僕らは共に競争力にあふれる世界チャンピオンのバイクを作ってきたんだ」
「最初の数ヵ月間は、ホンダのバイクの改善を助けるのは難しいだろう。僕もバイクを理解して適応しなくちゃならないからね。でも、既にルーチョとは話していて、彼は来年新しいバイクを作ると言っている。できるだけ早く理解して、僕の経験をホンダに持ち込みたいと思う」
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