SF合同/ルーキーテストは新鮮なラインアップのホンダ陣営。2023年参戦体制はまた違った顔ぶれに?
スーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストではチャンピオンの野尻智紀ら有力ドライバーが欠席し、フレッシュな顔ぶれを並べたホンダ陣営。例年とは異なり、合同/ルーキーテストのエントリーと来季のドライバーラインアップには異なる部分が多く出てきそうな気配だ。
写真:: Masahide Kamio
12月7日(水)からスタートする、スーパーフォーミュラの合同/ルーキーテスト。そのエントリーリストは開催2日前の5日(月)17時に公開されたが、特に来季の参戦体制が発表されていないホンダ/M-TECエンジン搭載チームは、そのフレッシュな顔ぶれが注目を集めた。
2022スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト:ホンダ/M-TECエンジン搭載チームの参加ドライバー
DANDELION RACING
#5 大津弘樹
#6 太田格之進
ThreeBond Drago CORSE
#12A 福住仁嶺
#12B 三宅淳詞
MUGEN
#15 リアム・ローソン
TEAM TBD
#33 ジェム・ボリュクバシ
B-Max Racing Team
#50 松下信治
#51 ラウル・ハイマン
TCS NAKAJIMA RACING
#64 山本尚貴
#65 佐藤蓮
まず気になるのが、今季のホンダ陣営で活躍した3人のドライバーがテストを欠席していること。その3人とは、今季ランキング5位の牧野任祐、同8位の大湯都史樹、そしてシリーズチャンピオンの野尻智紀だ。例年は年末のルーキーテストの布陣がそのまま翌年のラインアップと直結するケースが多かったため、欠席する3人の去就を心配する声も挙がった。
ただmotorsport.comに入っている情報を総合すると、今回のホンダ陣営のテストエントリーは、翌年のラインアップと必ずしもイコールで結ばれないケースが多くなりそうだ。
まず驚くべきは、2021年、2022年とシリーズ連覇を達成した野尻の不参加。シリーズチャンピオン、ましてや翌年のシートが確実視されているドライバーが冬のテストに参加しないというのは珍しいケースと言えるため、話題を集めていた。
ただ今回の野尻不参加はチーム側の判断であり、来季の参戦体制とは無関係な理由によるものだとされている。
スーパーフォーミュラは来季から、コンパウンドにサステナブル素材を採用したタイヤを導入する予定で、新たな空力パッケージの導入も計画されている。そういった状況下で現行パッケージを使って行なわれるテストはあまり意味がないと考えているチームも多い……そんな話も複数の関係者から聞こえてきている。TEAM MUGENも、上記の理由からスーパーフォーミュラ初ドライブとなるリアム・ローソンの1台にリソースを集中させた方が良いとの思惑があったのではと推察される。なお、野尻の姿はパドックで目撃されている。
リアム・ローソンは15号車をドライブする
Photo by: Masahide Kamio
したがってTEAM MUGENの来季ラインアップは、大方の予想通り野尻とローソンのコンビになる可能性が高いと言えるだろう。ローソンは「現時点でテスト以外の計画はない」と話しているが……。
一方でDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに関しては、パドックでも複数の噂が錯綜している。
今回テストに参加するのは、今季同チームの6号車を走らせた大津弘樹と、今季スーパーフォーミュラ・ライツ選手権2位の太田格之進。ただ情報を総合すると、来季このふたりの組み合わせとなる可能性は低そうだ。
太田格之進
Photo by: Masahide Kamio
以前は牧野のチームメイトとして、NAKAJIMA RACINGを離れる見込みの大湯都史樹を迎え入れるのではという噂が囁かれていた。しかし大津と太田のテスト参加が発表されたことにより、そのふたりのどちらかを牧野のチームメイトにするのでは……そういう見方が浮上している。
そうなると大湯にとっては来季の選択肢がかなり限定的になってくる。そこで鍵となってくるのが、やはりTEAM GOHの動向だ。
2022年から2台体制で参戦をスタートしたTEAM GOHは「来季以降の活動は白紙」としており、その後は体制について正式な発表はない。ただ同年限りでレッドブルとの提携が終了に終わったことはチーム活動に多大な影響を与えている様子。どちらにせよ、“TEAM GOH”として活動を継続する可能性は低いと見られる。
そして今回『#33 TEAM TBD』としてジェム・ボリュクバシが走らせる車両は、今季TEAM GOHを担当したセルブスジャパンがオペレーションを担当しており、車両自体も今季のTEAM GOHで三宅淳詞が走らせたモノのようだ。
こういった背景から、来季はセルブスジャパンとどこかのレーシングチームがジョイントするなどといった形で、この33号車を走らせる可能性があると言える。ただ参戦台数(ホンダ/M-TECエンジンで10台)の兼ね合いで2台体制を敷くのは難しそうな状況であり、この1台(今回のテストで言う33号車)に誰が乗るのか、という話になっていきそうだ。
やはり資金面を考えると、1台体制であれば外国人ドライバーを起用する可能性が濃厚。大湯の1台体制もあり得なくはないが、そうなると資金面での調整が必要になってくるだろう。なお、今回33号車に乗せるドライバーの候補は複数いたようだが、最終的に先週末の段階でボリュクバシに決定した模様だ。
エントリーリスト発表の直前まで様々な調整が行なわれており、最新情報や噂が頻繁に更新されていたホンダ陣営。いずれにせよ、近日行なわれる体制発表を待つしかないが、“TBD”とされる33号車の行方が最後の最後まで鍵となりそうだ。
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