スーパーフォーミュラ2戦目で優勝のジュリアーノ・アレジに、トムス舘信秀監督も「本当に楽しみ」とご満悦

スーパーフォーミュラ第3戦オートポリスではKuo VANTELIN TEAM TOM'Sのジュリアーノ・アレジが優勝したが、チーム監督の舘信秀は、アレジが2戦目で結果を残したことに驚きつつ、今後が楽しみになったと語った。

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

Masahide Kamio

 雨と霧が、交互にコース上を覆い、赤旗中断からそのままレースが短縮終了する、荒れた展開となった2021年スーパーフォーミュラ第3戦・オートポリス大会の決勝レースは、ポールポジションからスタートしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が安定した走りでポジションを一度も譲ることなく走り、代役参戦2度目で嬉しい初優勝を飾った。

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 優勝会見でアレジは、優勝のファーストインプレッションを問われると「ありがとう」と少したどたどしさの残る日本語で答えた後、これも日本語で「(優勝するのは)簡単じゃなかったけど」と付け加えた。そして「これまでに雨のレースも経験しているけれどスーパーフォーミュラでの雨のレースは初めてで、スタートにはずいぶん気を遣いました」とスタートを振り返った。

 スタート直後、彼の後方では1コーナーへのアプローチ辺りから混乱が始まっていたが、それに気が付いていたかと問われると「ターン1(1コーナー)を立ち上がっていくときにミラーで確認したので分かっていた」と答えたように、最初から落ち着いたレース展開だった。ただし優勝できると思っていたかと問われると「僕は優勝するために勉強していて、それがすべて。もちろん優勝を目指しているけれど、その時その時のポジションがどうのこうのとは、あまり考えていない」とクールな一面も見せた。そして「(赤旗中断で再スタートを)待っているのは運転するよりも難しい」と会場を和ませていた。

 ドライバーの優勝会見に先立って行なわれた優勝監督会見では、Kuo VANTELIN TEAM TOM'Sの舘信秀監督が登壇。先ずはアレジと宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)がフロントローを独占した前日の公式予選を振り返って「チームのオペレーションが最高だった」とし、最も1コーナーよりのピットに陣取ったことを上手く使ったと評価したが、それでも「1-2は想像以上でした」と相好を崩した。

 そしてこの日の決勝レースについても、「チーム全体が落ち着いていたけれど、そんな中でもジュリアーノが一番落ち着いていた」とコメントしていた。TOM'Sとしては以前にアンドレ・ロッテラー選手と中嶋一貴選手のコンビで戦っていた頃に何度かフロントローを独占したこともあったが、舘監督は「アンドレと一貴が戦っていた頃とは、ピットにいても違った雰囲気で、まるで息子が戦っているよう」と、一回り若返ったアレジと宮田のルーキーコンビへの感想を話し、「ジュリアーノには申し訳ないけど、(結果を出すのは)まだまだ先のことになる、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)からしっかり育てていこうと思っていたけれど、本当に(次のレースが)楽しみになってきた」と続けた。

 そして「一貴には申し訳ないけど、もういいかな(苦笑)」と会場の笑いを誘った。一方、彼の人柄を尋ねられると「とても21歳とは思えないほどしっかりした社会人で、真面目だね。これまでにウチで走った(外国人)ドライバーとは比べ物にならないくらいに」と再び会場に笑いを誘った。

 2位に入賞した松下信治(B-MAX RACING TEAM)は「最後まで走りたかったから、残念な終わり方にはなりましたが、それでも2位入賞できたのは不幸中の幸いでした」とレースを総括。「スタートで3台抜くことができ、ウェットでの速さは確認できましたが、ドライコンディションはまだまだこれから。それでも次戦のSUGOに向けチームのモチベーションも引き上げることができました」と続けた。

 参戦が決定するまでに時間がかかり、第2戦からの出場となった彼は「大勢の人に動いてもらって、スーパーフォーミュラにまた参戦することができました。今日は2位入賞できましたがハーフポイントで、結果で恩返しというにはまだまだ。残り4戦でもっと頑張ります」と次戦以降への決意も語っていた。

 3位入賞の阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)は「(フル参戦3戦目での)表彰台獲得は、嬉しい」とストレートに表現したが、「スタートではクラッチミートもよかったが、1コーナーの出口で飛び出してしまいました」とし、「公式予選ではよかったけれど、同じようなコンディションだったのに今日の決勝では速く走れなかった。それが今後の課題です」と反省の弁も。そして「ウェットに関しては鈴鹿のテストからいいフィーリングで走ることができていましたがドライに関してはこれからの課題」とし「シーズン中に1回は勝てるよう、これからも頑張ります」とコメントを締めくくっている。

※追記:レース後、18時20分付けで暫定結果が発表され、松下はスタート手順違反により5秒のタイムペナルティを受けて3位に降格したことが明らかとなった。

 

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