スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ予選:大津弘樹が初ポール獲得! 難コンディションでタイヤ選択が明暗分けた
スーパーフォーミュラ第6戦もてぎの公式予選が行なわれ、難しいコンディション下で適切なタイヤ選択をした大津弘樹がポールポジションを獲得した。
写真:: Masahide Kamio
2021年スーパーフォーミュラ第6戦の公式予選がツインリンクもてぎで行なわれた。ポールポジションを獲得したのは大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)だった。
今季のスーパーフォーミュラも残り2戦。シリーズランキングでは野尻智紀(TEAM MUGEN)が大量リードを築いており、予選前の時点では大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)の4名がわずかながら逆転の可能性を残していたものの、今回の結果次第では第7戦(最終戦)鈴鹿を残して野尻のタイトルが確定する、という状況だ。
予選開始時の気温は20℃、路面温度は24℃。同日午前のフリー走行とほぼ同じコンディションだ。涼しい気候ということもあり、フリー走行では福住が1分29秒台のタイムを記録しており、真夏の第5戦もてぎの予選で野尻が記録した1分31秒073というコースレコードは更新されることが濃厚……そんな中でセッションがスタートした。
まずは9台によるQ1 グループAがスタートしたが、残り3分を切って各車のアタックが本格化しようというタイミングで、小林可夢偉(KCMG)が90度コーナーの立ち上がりでスピン。イン側のウォールにヒットしてしまい、フロントウイングを壊してストップしてしまった。今季初出場ということもあり、十分な意気込みで臨んだ小林だったが、ここで予選を終えることとなった。
赤旗中断を挟んで再開されたQ1 グループAのトップタイムは1分30秒549の福住。大湯は1分30秒667で2番手に続き、平川も順当にQ1を通過した。一方で大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)とクラッシュした小林がQ1敗退となった。
Q1のグループBが始まる頃にはオンボードカメラに雨粒がつく場面も見られたが、ここではコンディションに影響を与えるほど雨は激しくならず。同グループでは野尻が1分29秒757を記録してトップ通過。宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)の3名がここで敗退した。
グループAのQ2がスタートすると、雨は強さを増した。ここでウエット宣言が出され、山下健太(KONDO RACING)と大湯はウエットタイヤに交換。これが功を奏し、それぞれトップと2番手でQ3進出を果たした。平川も一足遅くウエットタイヤに交換したが、アタックラップに入る直前にタイムオーバー。同組5番手でQ2敗退となり、ポールポジションによるボーナスポイントを逃したことで逆転タイトルへの望みも断たれた。また中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、福住もここで脱落した。
グループBのQ2でも難しいコンディションは続き、各車タイヤの判断が分かれた。関口と山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は走り出しからウエットタイヤを履き、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、野尻も一度ドライタイヤでコースインしたが後にウエットタイヤに交換してアタックを行なった。ドライタイヤでのステイアウトを選択した松下信治(B-Max Racing Team)、国本雄資(KCMG)はタイムが伸びず坪井と共にQ2
敗退。戦略は失敗に終わった。
迎えたQ3は、直前のQ2でドライタイヤでのステイアウトが失敗に終わっていることもあってか、大津を除く全車がウエットタイヤでコースへ。しかし、蓋を開けてみればドライタイヤの大津が他を寄せ付けない好タイムをマークしていく。結果的に1分32秒317をマークした大津が、2番手以下に4秒以上の差をつけてキャリア初のポールポジションを獲得した。2番手には山本が入り、今季の予選ベストリザルト。3番手にはポイントリーダーの野尻が入った。
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