スーパーフォーミュラ 鈴鹿公式合同テスト

3連覇目指す野尻智紀、公式テスト初日首位発進も「まだ50点くらい」。ダウンフォース減の新車SF23に多くのドライバーが手を焼く

スーパーフォーミュラの公式テスト初日では野尻智紀が総合トップタイムをマークしたが、彼は新型車両『SF23』のマシンバランスに苦慮している様子。それは他のドライバーも同じようだ。

戎井健一郎

編集: 2023/03/06 13:11

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Tomoki Nojiri, TEAM MUGEN

 3月6日、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ公式合同テストの初日が行なわれた。トップタイムをマークしたのは選手権を目下2連覇中の野尻智紀(TEAM MUGEN)だったが、彼を含め多くのドライバーが新型車両『SF23』に手を焼いているようだ。

 今季から導入されるSF23は、より接近したバトルを生み出すために先行車両に対する追従性の改善を目指して開発されており、全体的なダウンフォースの総量は減る傾向にある。

 しかし、テスト初日に野尻がマークしたタイムは1分35秒955。先代『SF19』時代の昨年に野尻が記録したポールタイムが1分36秒フラットであることを考えても、今回のタイムはそれと遜色ないものだ。1.5秒〜2秒ほどタイムが落ちると聞かされていたという佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)も「フィジカル的にも楽になるのかと思っていたら、変わりませんでしたね」と苦笑する。

Ren Sato, TCS NAKAJIMA RACING

Ren Sato, TCS NAKAJIMA RACING

Photo by: Masahide Kamio

 しかし、テスト初日を終えた野尻はその仕上がりについて「まだ50点くらいという感じですね」と語る。35秒台のタイムが出たのはあくまで気温の低い夕方(17時ごろ)だったからであり、根本的なマシンバランスには苦慮しているようだ。

「クルマのバランスとしては、ダウンフォースが圧倒的に足りない状態で走っていました」

「SF23はどこかで何かしら(空力的に)不安定なポイントが出てきてしまうのではないかと思います。去年の僕のクルマはそういうポイントがなく、修正舵がほとんどない状態で走れていました。速いクルマを作るという上では、そこに持っていきたいですが、エアロマップを見ているとなかなかそうはならないんじゃないかと思います」

 昨年ランキング3位の平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も、5番手に入ったものの新型車両のエアロバランスに苦闘しているひとり。彼は「クルマも決まっていなかったのでタイムを気にする余裕はありませんでした。バランス的には全然悪いという印象で、もう少し煮詰める必要があります」と語る。

Ryo Hirakawa, ITOCHU ENEX TEAM IMPUL

Ryo Hirakawa, ITOCHU ENEX TEAM IMPUL

Photo by: Masahide Kamio

 SF23はダウンフォースの総量が減った中で、フロントに比べてリヤのダウンフォースが少ないオーバーステア的な傾向だと分析するドライバーもいる。実際にテスト中は多くのマシンがリヤを滑らせているシーンが見られた。TGM Grand Prixの大湯都史樹も「最初の方は軽いどころではなかったですね(笑)」と話す。またよりフロアに依存した空力特性ということもあってか、「ボトミングした時などにダウンフォースが抜ける量が多い印象(平川)」といった意見も聞かれた。

 また追従性に関しては、初日の段階で追走をしていたドライバーが少なかったことから、多くのフィードバックは得られなかった。一部ドライバーは追従性が改善されるのではと話していたが、野尻はある懸念を覚えたという。

「1コーナーなどのハイスピードコーナーでは、コーナーに入っていく瞬間は良いのですが、低速域ほどリヤ(のダウンフォース)がなくなったりします。その特性が本当にバトルを生みやすくするのかは個人的に疑問です」

「誰かの後ろについた時のダウンフォースの抜けが少なくても、そもそもの総量が少ないので、トラクションに繋げられないということが考えられます。嫌がられるかもしれませんが、誰かの後ろについて走るようなテストも残り1日でやりたいですね」

 このように大きく空力特性が変わったことで勢力図にも変化が起こる可能性は十二分にある。昨年ランキング4位と活躍した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)も、現状では適切なセットアップを見つけることに苦労しているようで、テスト初日はアタックラップを敢行しながらも14番手にとどまった。

「SF23になってどうですかと聞かれても、正直よく分からないというか……今は悩んでいるということもあって良い印象はないですね」と宮田は浮かない顔で話す。

Ritomo Miyata, VANTELIN TEAM TOM’S

Ritomo Miyata, VANTELIN TEAM TOM’S

Photo by: Masahide Kamio

「エアロバランスと、それに伴ったセットアップが見つかっていない気がします。そこはしっかり見つけないといけないと思います」

 スーパーフォーミュラを早速色んな意味で掻き回しているSF23。開幕に向けて、残されたテストはあと1日しかない。

 

関連ニュース:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 伊沢拓也、スーパーフォーミュラのTCS NAKAJIMA RACING監督に就任。中嶋悟総監督の下、山本尚貴&佐藤蓮をサポート

次の記事 スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト:セッション3タイム結果

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

戎井健一郎



ドライバーの“さび取り”と新参チームの進歩で掴んだ3位表彰台。松下信治、トップ争い演じ「久しぶりにアツい感覚を思い出した」

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

第9戦・第10戦富士

13 時間前

ドライバーの“さび取り”と新参チームの進歩で掴んだ3位表彰台。松下信治、トップ争い演じ「久しぶりにアツい感覚を思い出した」



「無理です」「どうしようもできへん!」スーパーフォーミュラ第10戦で“ピットレーン玉突き事故”が発生、4台のマシンが道塞ぐ

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

第9戦・第10戦富士

1 日前

「無理です」「どうしようもできへん!」スーパーフォーミュラ第10戦で“ピットレーン玉突き事故”が発生、4台のマシンが道塞ぐ



2戦連続表彰台はIMPULへの置き土産? オサリバン、今回の富士戦がスーパーフォーミュララストレースの見込み「自分の爪痕を残したかった」

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

第9戦・第10戦富士

1 日前

2戦連続表彰台はIMPULへの置き土産? オサリバン、今回の富士戦がスーパーフォーミュララストレースの見込み「自分の爪痕を残したかった」

最新ニュース



「マルケスとの戦いは最後まで厳しいだろう」マルティン、インドネシアGP3位でランキング首位維持。残りレースは5戦!

MotoGP

MGP MotoGP

インドネシアGP

11 時間前

「マルケスとの戦いは最後まで厳しいだろう」マルティン、インドネシアGP3位でランキング首位維持。残りレースは5戦!



F1分析|フェルスタッペン、VSC中にピットストップしたかった? ”壊れかけのラジオ”越しの訴え。フェラーリは戦略失敗

F1

F1 F1

シンガポールGP

12 時間前

F1分析|フェルスタッペン、VSC中にピットストップしたかった? ”壊れかけのラジオ”越しの訴え。フェラーリは戦略失敗



フェルミン・アルデゲル、インドネシアGPの転倒で右手を骨折。帰国して手術へ

MotoGP

MGP MotoGP

インドネシアGP

12 時間前

フェルミン・アルデゲル、インドネシアGPの転倒で右手を骨折。帰国して手術へ



ドライバーの“さび取り”と新参チームの進歩で掴んだ3位表彰台。松下信治、トップ争い演じ「久しぶりにアツい感覚を思い出した」

スーパーフォーミュラ

SF スーパーフォーミュラ

第9戦・第10戦富士

13 時間前

ドライバーの“さび取り”と新参チームの進歩で掴んだ3位表彰台。松下信治、トップ争い演じ「久しぶりにアツい感覚を思い出した」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録