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スーパーGTで導入が検討される“インディ式スタート”……ドライバー間でも賛否分かれる

スーパーGT第2戦での導入が検討されているという“インディ式スタート”。チーム側からの反対が多いという声も聞こえてくるが、ドライバーたちはどう考えているのか?

戎井健一郎 Jamie Klein

編集: 2021/04/26 8:29

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スタート練習 / Start practice

 スーパーGTでは今季、いわゆる“インディ式”のスタート方式を採用することが検討されている。これは各車が2列縦隊となり、グリッドとグリッドの間を通るような形でローリングスタートを切るという方式で、現行のグリッドの上を通過する方式よりもマシン同士が接近することになり、迫力満点のバトルがスタートから見られることが期待されている。

 スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイションも、5月3〜4日に行なわれる第2戦富士でインディ式スタートを導入することを前向きに検討しているようだ。

 しかしながらチーム側と行なわれた協議では、多くのチームがインディ式スタート導入に反対したとの声も一部から聞こえてきている。マルチメイクタイヤのスーパーGTでは、タイヤメーカーごとにウォームアップ特性が異なることでスタート、リスタート直後にペースの差が生じる可能性がある。その中で各車が今以上に接近すれば、必然的に接触のリスクも高まるため、こういった声が挙がるのもある意味当然とも言える。

 そんな中、GT300クラスで過去3度タイトルを獲得した経験を持つ4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝は先日、自らのブログで「僕は断然インディスタート派!」と主張。「お客さんに、わかりやすく、そして興奮して帰ってもらえる、お客さん目線のレースになってほしい」と綴り、反対意見の挙がる風潮に一石を投じた。この投稿はSNSなどを中心に大きな反響を呼び、GT500クラスを戦う36号車au TOM'S GR Supraの関口雄飛も「谷口さんと全く同じ考え」としてSNS上で賛同の意を表した。

 一方で17号車Astemo NSX-GTを駆るベルトラン・バゲットは以前motorsport.comに対し「スーパーGTは1シーズンに8レースしかないし、耐久レースなんだ。僕たちはスタートでクラッシュするわけにはいかないから、(インディ式スタートが採用されているDTMと)同じシステムを採用するのは難しい」とコメントしていた。

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 インディ式スタートの是非に関する議論が以前にも増して白熱している昨今だが、他のドライバーはどのように考えているのか? 今回はGT500クラスを戦う平川亮(37号車KeePer TOM'S GR Supra)、福住仁嶺(8号車ARTA NSX-GT)、笹原右京(16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)の3名から話を聞いた。

 2017年のGT500チャンピオン経験者であり、2018年からは3年連続でランキング2位となっている平川は、インディスタートがエキサイティングであることを認めながらも、マシンにダメージが及ぶリスクを考えれば諸手を挙げて賛成とは言えないようだ。

「採用されるとは思えません。チームオーナーとのミーティングが行なわれた際、そのほとんどから反対されたそうです」と平川は言う。

「もし採用されればとてもエキサイティングだと思いますが、GT500ではタイヤメーカーがそれぞれ異なりますし、(空力)パーツも高価で、ABSも搭載されていませんから、難しいでしょうね」

「GT300ならできるかもしれません。マシンも頑丈ですし、ABSもついていますからね。僕たちのマシンは簡単に壊れてしまいますから、僕としては喜んでやりたいという訳ではありません。小さい空力パーツでも、失うとかなりのダウンフォースを失います」

「富士でやったDTMとのレースではそれが採用されて、クラッシュもたくさんありましたが、あれはただ楽しむためのレースでしたから」

 一方の福住は、いち個人としてはインディ式スタートにポジティブな印象を持っていることを明かした。ただし、チームとしては導入したくないはずだと述べた。

「ひとりのドライバーとしてとても気に入っていますが、かなりリスキーですよね」

 そう福住は語る。

「スーパーGTはレース距離が長いですし。ドライバーにとってはエキサイティングですが、チームにとっては(接触などによる)コスト(増加の懸念)があるので、あまり嬉しくないでしょうね。皆同じ意見だと思います。僕としてはやった方がいいと思いますが、チームにとってはない方がいいと思います」

 また、非常に中立的な立場をとったのが笹原だ。笹原はファンの立場であればインディ式スタートを見たいとしたが、ドライバーやエントラントの意見が分かれることも理解できるため、自分はどのような決定でも尊重する構えだと語った。

「確かにファンにとっては、全車が接近してスタートする方が見ていて楽しいと思います。でも実際問題……スーパーGTはDTMと違って、タイヤメーカー、コンパウンドが異なるので、難しいと思います」

「特に1周目、富士の最初のコーナーでは、タイヤの温度を上げられていないと簡単にロックアップしてしまいます。誰かが(コースを飛び出して)5、6台を巻き込んでしまうリスクもありますし、そういうことは起こり得るでしょう。とはいえ、それもレースですから、そこに関しては問題ないと思っています」

「僕が観客ならインディ式を見たいと思います。ショーとしては良いでしょうね。でもドライバーによっては全く好まない人もいるでしょうし、そういう人たちの意見もよく分かります。どのような決定が下されても僕は問題ありません」

 

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