アルファタウリ・ホンダ代表が称賛する角田裕毅の”天性の速さ”「遅いドライバーを速くするより、速いヤツを成長させる方が”楽”だ」
アルファタウリのフランツ・トスト代表は、今季チームからデビューを果たした角田裕毅について、天性の速さを持っていると評価。遅いドライバーを速くするよりも、速さのあるドライバーを成長させるのは楽だと語った。
Yuki Tsunoda, AlphaTauri AT02
Mark Sutton / Motorsport Images
アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表は、アゼルバイジャンGPで7位に入った角田裕毅について「遅いドライバーを速くするより、速いドライバーに自分を抑える方法を教える方がいい」と、現在の成長曲線について満足していると語った。
角田は開幕戦バーレーンGPでは9位に入りポイントを獲得したものの、その後は自身のミスやマシントラブルがあり、無得点のレースが続いていた。しかし先日行なわれたアゼルバイジャンGPでは予選Q3に初めて進出し、決勝でも荒れたレースを戦い抜き、7位入賞を果たした。
「ユウキは金曜日以降、常に改善してどんどん速くなっていった」
アルファタウリのトスト代表は、アゼルバイジャンGPの角田についてそう語った。
「彼の予選Q2のタイムは本当に速かったと言わざるを得ない。そしてQ3でもそういうポジションにいた。ただ最後のアタックでプッシュしすぎてしまい、ブレーキをかけるのが遅れた。彼はそこから学ぶ必要がある。もしくは、限界に達したことを認識しなければいけない」
「他のトップドライバーたちとの差が0.1秒もない場合、さらに速くなるための”伸び代”は当然少なくなる。そしてドライバーとしては、『ブレーキを遅らせることはできない』とか『これ以上攻めることはできない』と認識しなきゃいけないのだ。ただ、これは一種の学習のためのプロセスだ」
「今週末、チームはマシンの理解という点、そして技術的なフィードバックという点において、大きな進歩を遂げた。そしてユウキには信じられないような天性のスピードがあるから、我々が彼を正しい方向に導くということについて、ポジティブに考えている」
トスト代表は、元々速いドライバーに抑えるための方法を学ばせる方が好きだとし、それが角田にも当てはまると語る。
「私はプッシュしているドライバーが好きで、何かのリスクを冒しているドライバーが好きだ。しかしもちろん、それをコントロールできるようにならなければいけない。これが、ユウキに教えなければいけないことだ」
「ただ正直に言って、私は誰かを速くしようとするよりも、こういう形の方が好きだ。速いドライバーに抑えるための方法を学ばせる方が、遅いドライバーを速くさせるよりも簡単なのだ」
トスト代表は、今のF1は非常に高いレベルにあると考えており、そこでデビューしたばかりのドライバーが活躍するのは簡単ではないと語る。そしてそんな中でも、角田は素晴らしい仕事をしていると評価する。
「シーズンの初めから考えれば、彼が走ったことがないサーキットがいくつかあったということを忘れてはいけない」
そうトスト代表は語る。
「彼は初めてポルティマオに行った。そこで我々は、セットアップの面からマシンを最大限に活用できなかった。そしてバルセロナでは、マシントラブルに見舞われた。彼はそこでポイントを獲得できたかもしれない」
「モナコで彼は、素晴らしいFP1を走った。その後FP2ではクラッシュしたが、そのコーナーは他にも多くのドライバーがクラッシュしているんだ。しかし彼は学んでいる」
「バクーは簡単なサーキットではない。でもQ3までは本当に良いレベルで走り、ペースも良かった。クラッシュするのが良いとは言わないが、それのクラッシュも話のうちのひとつだ」
「私が気に入らなかったのは、イモラでのQ1でのクラッシュだった。しかし彼はそこから”賢さ”を学ばなければならないし、その”賢さ”は経験を重ねるに連れて成長するものだ。若いドライバーの全てが持っているわけではない」
「ドライバーという面で見れば、今のF1は非常に高いレベルにある。それも忘れてはいけない。速いドライバーがたくさんいるのだ。技術的にも、今のF1は全てを理解するのが非常に複雑だ。そういうことを考えれば、彼は良い仕事をしていると言うべきだろう」
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