【スーパーGT】GT3勢で奮闘した56号車リアライズのオリベイラ、“別世界”にいるGT300規定車両の優位性を嘆く
56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、GT3規定の車両に比べ、GT300規定の車両が「別世界にいる」と考えており、性能調整の見直しを望んでいる。
写真:: Masahide Kamio
2021年スーパーGTのGT300クラスは、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組がシリーズタイトルを獲得した。GT300規定(かつてのJAF-GT300規定)のマシンがGT300を制するのは、2013年の16号車MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴)以来となった。
その一方で、2020年のGT300王者で、今季はFIA-GT3規定の車両で最上位となるランキング2位に入った56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、2021年はGT300車両が非常に優位だったシーズンだと考えている。実際、今季8戦中6戦でGT300車両が優勝し、GT3勢の勝利は開幕戦の56号車と、第7戦の21号車Hitotsuyama Audi R8 LMSのみにとどまっている。
オリベイラは61号車スバルが8戦中4戦でポールポジションを獲得したことを引き合いに出し、これは現在、性能調整がうまくいっていない証拠だと指摘した。
「最終戦で優勝したふたりのドライバー(60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの吉本大樹と河野駿佑)だって、昨年はGT3に乗って結果を出せていなかった」
オリベイラはそう切り出した。
「しかし彼らは今年、誰よりも勝利を挙げている(2勝)。レース後に吉本と話をしたが、彼も結果を残すためにはGT300車両が必要だと言っていた」
「BoP(性能調整)の正確な実態を知りたければ、予選を見ればいい。スバルは8戦中、フロントロウを6回獲得していて、その内4回はポールポジションだ。その間、彼らのBoPには変更が加えられていない」
「とにかくBoPが見直されることを願っているし、少しでも状況が好転してほしいと思っている。でもJAF(GT300)車両は別世界にいる。それは紛れもない事実だ」
GT300クラスには様々な車種、車両規定、タイヤメーカーがある中で性能調整がかけられているため、戦力の均衡化は長年の課題となっている。これに関してはオリベイラも、性能調整を取り巻く環境が非常に複雑であると認めている。
性能調整に関しては、GTワールドチャレンジなどを主催するSROが定めた値を基にしているが、オリベイラはGT-Rがヨーロッパのレースでほとんど走っていないこともあり、適切なパラメータを設定するのが難しいのではないかと述べた。
「昨年、GT-Rのストレートスピードについて不満を持っていた人がいたことは確かだ。しかしそれはずっと前からGT-Rの強みだった」
「しかし今年はそれを(性能調整で)奪われてしまったため、強みがないということに対処しないといけなかった。言うなれば、スバルに『あなたたちはコーナーが速いから、もっとダメなタイヤを履かせる』と言っているようなものだ。そう考えると、色々と複雑になってくる」
「それと、GT-Rはヨーロッパで走っていないので、他のGT3マシンと比べるのが難しいんだ」
「スーパーGTはタイヤが命だ。今はダンロップタイヤを履いたGT-Rとヨコハマタイヤを履いたGT-Rがあり、レースによってどちらか片方が速かったり、そうでなかったりする。そこを基準にBoPを設定してはどうだろうか?」
「僕たちが最終戦でランボルギーニ(ウラカン GT3)やメルセデス(AMG GT3)、ホンダ(NSX GT3)よりも遅かったのは、僕たちの方が厳しい性能調整をされていたからだ」
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