阪口晴南、GT500代役参戦の大役果たし驚異のPPラップ「僕を呼んでくれたチームに感謝」
代役参戦ながら#37 KeePer TOM'S GR Supraをポールポジションに導く見事なドライビングを見せた阪口晴南が、その喜び、そして自身を起用したチームへの感謝などを語った。
写真:: Masahide Kamio
「僕を呼んでくれたチーム(TGR TEAM KeePer TOM'S)と、それを快く許してくれたK-tunes Racingにまずは感謝したいです」
2021年のSUPER GTシリーズ開幕戦となったたかのこのホテルOKAYAMA GT 300㎞RACEの公式予選において、代役参戦ながらGT500で初ポールを奪った阪口晴南は、2つのチームに対する感謝の言葉でポールポジション会見を切り出した。
「これまでにもピンチヒッターなどでGT500にスポット参戦したことはあったものの、やはりGT500の経験はまだまだ少なかったのですが、オフのテストでは随分多くの時間を走らせてもらい、ようやく、自分のコントロールの中にクルマがいるようになりました」
”自分のコントロールの中にクルマがいる”という表現は初めて聞いたが、トップマシンであるクラス1規定のGT500車輌をコントロールできるようになった自信が、とても分かり易く伝わってくる表現だ。ただしその一方で、「ここまでクルマを仕上げてくれたのは、やはり平川(亮)さんがエンジニアさんと話をしながら進めてきたことが大きい。チームとして仕上げてくれたクルマに、気持よく乗せてもらい、思いっきりアタック出来た結果」だとチームの頑張りを讃えていた。
初のポールポジションを獲得した印象を問われると「GT500という大きな舞台でポールポジションを獲ることができた。それは嬉しいというよりも、大きな達成感を感じました」とコメント。そして「(テストから)ここまでは、そんな(ポールポジションが獲れるような)雰囲気はなかったのですが、Q1で平川さんがトップタイムをマークして、チームの中で『これならポールが獲れて当たり前』みたいな感じになって、それは大きなプレッシャーになりました」と苦笑しながらも「プレッシャーの中でも結果を残さなくちゃいけない場面は、これまでに何度もありました。だから(Q2を)走り始めてからは無心でいることができました」とベテラン顔負けのコメントを口にし、「結果的にポールを獲ることができましたが、それでここまで、自分がやってきたことが間違っていなかった、と確信できました」とホッとした表情で続けた。
彼がジュニアフォーミュラの時代から走り込んできた岡山国際サーキットでは近年、4月のこの時期に開幕戦として開催されることの多いスーパーGTだが、昨年はコロナ禍の影響から開催されなかった。そのことについては「去年は(スーパーGTでは)岡山を走ることができず、少し寂しい思いをしていました。だからスーパーGTで2年ぶりに走って、ようやくシーズンが開幕したと実感しています。以前ほど多くはないのですが、スタンドにお客さんの姿が見えるのは嬉しいですね。お客さんの応援が僕たちの力になっていると、改めて思いました」と笑顔で応えていた。
翌日の決勝レースについて問われると「岡山国際サーキットでは2年前に(GT300で)勝っているのですが、この時は悪天候でレース短縮になって、僕は決勝を走ってないんです」と会見に集まった取材記者を和ませると「だから決勝レースは初めてなのですが、良いレースがしたいです。(岡山での)決勝レースの経験はないのですが、予選と同様に、平川さんからアドバイスをもらい、少しでもいいモノを見つけて、ポジションをキープしたまま走り切りたい」とキッパリと言い切った。
そんな阪口とコンビを組むことになった平川亮は「去年の最終戦といい今回といい、どうも“代役”に美味しいところを持っていかれてばかりいるような気がします」と笑わせながらも「テストからクルマのセットを進めてきて、ようやく今回のQ1で実になった、気がします」とオフからここまでの進捗を振り返った。
そして「自分の考えを(チームやエンジニアに)伝えて、それをチームが具体的に仕上げてくれました」とチームの頑張りを評価。同時にQ2を走った阪口に対しても「何もなければポールが獲れる、阪口が思いっきり攻めることのできるクルマに仕上げられました」と付け加えた。
「昨年の開幕戦は富士で無観客でした。自分たちはそこでポール・トゥ・ウィンで勝ったのですが、お客さんがいなくて盛り上がりに欠けたことを覚えています。ここは観客席がクルマに近いことが特徴で、お客さんにはクルマの迫力を感じてほしいし、自分たちも持てる技量とパフォーマンスを余すところなく発揮して、良いレースをお見せしようと思います」と決勝レースでの活躍を約束した。
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