【スーパーGT】昨年僅か2ポイントから、GRスープラに切り替え大躍進の60号車。しかし吉本「もっと強くならなきゃいけない」
スーパーGTの2021年最終戦富士、GT300クラスを制したのは、60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTだった。60号車はRC F GT3を使っていた昨年はランキング27位。今季は2勝を挙げランキング3位となったが、吉本大樹は来季さらなる躍進を誓った。
Hiroki Yoshimoto , Shunsuke Kohno, #60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
Masahide Kamio
2021年のスーパーGT最終戦富士300kmレースのGT300クラスを制したのは、#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの吉本大樹/河野駿佑組だった。60号車は5月の第2戦(富士スピードウェイ)に続く2勝目となり、ランキング3位でシーズンを終えた。
この結果について吉本は、勝った2戦ともトップの車両が脱落しての優勝だったこともあり、「僕らはまだまだ強くなっていかなきゃいけない」と気を引き締めた。
60号車は3番グリッドから決勝レースをスタート。第1スティントでは河野がドライブを担当し、レース序盤に2番手に浮上。その後は#61 SUBARU BRZ R&D SPORTを追った。そしてスティント終盤に61号車を1コーナーでオーバーテイクし、首位に浮上。そのまま吉本にバトンを繋いだ。
「今回は3番手からのスタートでしたが、前回富士で勝たせていただいた時(今季第2戦)の時も3番手、しかも今年は吉本選手がほとんどのレースでスタートを担当する中、その時も僕がスタートを担当したので、今回もその流れでスタートを任せていただきました」
レース後、河野はそう語った。
「前を行くのが僕らと同じGT300規定のクルマなので、速いところは似ています。でもその中でもタイヤはキャラクターの差が出ていたので、隙があったら行こうと決めていました。最終的に抜くことができて、トップで吉本さんにバトンを繋げてよかったです」
しかし吉本が乗り込み、コースに戻った時には、先にピットインを行っていた#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが前に立っていた。吉本はなかなかその差を詰めきれなかったが、レース終盤52号車がまさかのパンクに見舞われ後退。60号車が首位に立つことになった。
「最初のスティントで河野選手が格好良いオーバーテイクを見せてくれたんですが、争いは団子状態だったので、一番最初のチームが前に出るだろうなと思っていました。しかし僕らは少し(第1スティントを引っ張る)と決めていたので、ピットストップの後は先行されると想定していました」
吉本はそう語る。
「そこからなんとか追い上げようとしたんですが、少しずつしか差を詰めることができす、残りの周回数を考えれば、少し厳しいかなとも考えていました。でも52号車がパンクしたことで優勝することができました」
「優勝できたのは素晴らしいですし、チームの力で優勝できたのは間違いないです。でも、第2戦に続いてトップの車両が脱落したことで勝てました。まだまだ僕らは強くなっていかなきゃいけないと思います」
「また富士ではGRスープラとダンロップタイヤの相性はすごく良いですが、他のサーキットでは大外しということもありました。そういう部分も含めて、来シーズンに向けてはみんなと手を組んで、強くなっていかなければいけないと、改めて思ったレースでもありました」
これについては河野も次のように語り、勉強になった1年だとシーズンを振り返る。
「8戦のうち2レースで勝たせてもらって、充実したシーズンだったと思います。でもチャンピオン争いに残れなかったのは、やはり何かが足りなかったんだと思います」
そう河野は語る。
「悔しいところもありますが、2勝できたのは嬉しくもありますし、たくさん勉強になったかなと思います。来年のことはまだ分かりませんが、今年経験したことを基に、来年チャンピオン争いできるドライバーになりと思います」
また吉本も、GRスープラに切り替えて1年目にも関わらず結果を残すことができたことを喜びつつも、さらに前に進んでいきたいと来季を見据えた。
「去年、僕らは最終戦までノーポイントで、最終戦が9位。それが僕らのベストリザルトでした。本当に何をやってもダメで、とにかく持てる力を全て出しても、結果には結びつかなかった。苦しいシーズンだったんです」
「しかし今年はGRスープラを手に入れまして、チームとして作り上げてきました。そこからマシンを進化させるために、チーム全員が苦労してきました。このマシンは、そういう車両なんです。ダンロップさんとも、また1から仕事をし直してきました」
「今シーズンは学びのシーズンという意識でやってきたというところもありますが、その中でも結果を出すことができました。でもそれに胡坐をかくわけじゃなく、もっと貪欲に、もっと強くなるためにどうしたらいいかということをみんなで考えながら、強いチームになっていきたいと思います」
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