アルファタウリの心強い味方。ピットレーン閉鎖を知らせた“金髪のアメリカ人”とは?
アルファタウリ・ホンダは、メルセデスがF1イタリアGPで犯したような失態を防止するための自動音声システムを、3年前から導入していたことを明かした。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが劇的な勝利を収めたF1イタリアGP。この大波乱のレースが生まれる大きな一因となったのが、メルセデスがピットストップの際に犯した失態だった。
イタリアGP序盤は、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションから飛び出し、独走体制を築いていた。ハミルトンの優勝は確実か……と思われていた中、ケビン・マグヌッセン(ハース)がピットレーン入口の手前でストップしたことにより、セーフティカーが出動。さらにマグヌッセンのマシンを安全に回収するために、ピットレーンが閉鎖となった。しかし、ハミルトンはピットレーンクローズを知らせる電光掲示を見落とし、チームはモニターに表示されるFIAからの公式メッセージを見逃してしまった結果、ピットレーン閉鎖中にピットストップを行なってしまったのだ。
これにより、ハミルトンは10秒のストップ&ゴーペナルティを受けてしまった。レースが赤旗再スタートとなったこともあり、ハミルトンはペナルティストップを消化すると最後尾に。これがガスリー勝利の一因となったのだ。
メルセデスはこの対策として、ピットレーン閉鎖などのメッセージをエンジニアが確実に受け取れるようなソフトウェアを導入するようだが、アルファタウリのチームマネージャーであるグラハム・ワトソン曰く、アルファタウリはこういった失態を防ぐためのツールを数年前から導入していたという。
ワトソンはmotorsport.comの独占インタビューに対し、チームにはFIAからのメッセージを見逃さないための自動音声システムがあることを明かした。
「メルセデスは似たようなものを持っていないだろう。そうでなければ、彼らは(ピットレーンクローズの通知に)気付いたはずだからだ」とワトソンは言う。
「我々のピットウォールでは3年前から、コンピュータがFIAからの全てのメッセージを読み上げるように仕組んでいるんだ」
「説明すると、FIAからメッセージが来た時、まずディスプレイの3ページ目に『ピットレーンが閉鎖されました』と表示される。するとコンピュータで生成された自動音声がそれを読み上げて、私に教えてくれるんだ」
「それは女性の声で、アクセントに特徴があるので『ブロンドのアメリカ人』と呼んでいる。彼女が『ピットレーンが閉鎖されました』と言ってくれるんだ」
「エンジニアたちは、セーフティカー中にダニール(クビアト)をピットに入れようとしていたので、私は『ダメだ! 入れてはいけない』と連呼した。するとみんなが私の方を見たので『ピットレーンはクローズになっている』と伝えた」
「そうやって我々はクビアトをステイアウトさせた。しかしハミルトンが入ってくるのが見えた。私は『しまった。スポーティングディレクターとして、私は重大なミスをしてしまったのではないか?』と思った。メルセデスのようなチームがそんなミスをすることはまずないからだ。しかし私はもう一度画面を確認してこう言った。『いや、100%(クローズ)だみんな。入っちゃダメだ。ステイアウトしないといけない』」
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