F1 マイアミGP

F1メカ解説|メルセデス、復活への第一歩。マイアミGPで投入した”過激”フロントウイング

メルセデスはF1マイアミGPにアップグレードを投入。ジョージ・ラッセルがトップタイムを記録したが、これはメルセデスにとって復活の前兆だったのだろうか。

Matt Somerfield Giorgio Piola

編集: 2022/05/17 12:07

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

George Russell, Mercedes W13, arrives on the grid

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 今シーズン開幕から苦しんでいるメルセデスは、F1第5戦マイアミGPにアップグレードを持ち込んだ。するとジョージ・ラッセルがFP2でトップタイムをマークした。

 強いメルセデス復活かと思われたのもつかの間、土曜日以降はフェラーリやレッドブルと争えるポジションから、定位置となりつつある”中団勢のトップ”に戻ってしまった。

 メルセデスが今理解しなければならないのは、マイアミGP金曜日の結果がマグレか幻だったのか、それともFP3以降にパフォーマンスが低下してしまったのかということだ。

 パフォーマンスが変動したひとつの要因として考えられるのは、路面温度とラバーも含めた、トラックコンディションの変化だ。金曜日の走行では、タイヤのパフォーマンスを引き出すスイートスポットを見つけることができたが、土曜日以降は路面状況が変化し、スイートスポットから外れてしまったのかもしれない。

 実際、メルセデスが苦しんでいるポーパシングは、メルセデスがW13の性能を最大限に引き出すために解決しなければならないパズルのピースのひとつに過ぎないのだ。

 そうした問題を解決するためにも、メルセデスはマイアミGPにいくつかの新しいコンポーネントを持ち込んだ。中でもフロントウイングは、今季これまでの中で最もユニークな解釈をした、斬新なエンドプレートを備えている。

メルセデスの過激フロントウイング

 これまでほとんどのチームはフロントウイングと、そこから垂直に立ち上がったエンドプレートの接合部について、開幕前にF1側が提示したモデルカーと同じようなデザインに留まっていた。

 このエリアのレギュレーションは、新しい18インチホイールとタイヤ、ホイールカバー、より単純化されたブレーキダクトのレギュレーションとも連動。以前のレギュレーションでは可能だったアウトウォッシュ(フロントタイヤ外側に流れる気流)の量を減らすために、意図を持って設定されている。

 メルセデスのアプローチは、ある種のパラダイムシフト、あるいはブレイクスルーといってもいいモノかもしれない。新ウイングのエンドプレートは、下部に大きな切込みが入っているのだ。

Mercedes W13 endplate comparison

Mercedes W13 endplate comparison

Photo by: Giorgio Piola

 このデザインを実現するために、フラップの設計は全面的に見直されている。メインプレーンの前端が若干上向きにされた他、エンドプレートと接続している部分は大幅に短縮。他3枚のフラップも、より前方でエンドプレートに接続されている。負荷に対応するため、上2枚のフラップ接続部分は金属で補強されている。

 これらの変更により、本来フラップに接続されるはずのエンドプレート下端の”空いたスペース”が切り欠きとなっているのだ。これにより、新たにより前方、より高い位置に気流の通り道ができたのだ。

Mercedes W13 end plate inside component

Mercedes W13 end plate inside component

Photo by: Giorgio Piola

リヤウイングはシンプル化

 メルセデスが投入したアップデートは、フロントウイングだけではない。リヤウイングも一新された。

 というのも、メルセデスはここ数戦、上部フラップを不自然に切り落としたリヤウイングを使用。合わせてガーニーフラップを使って空気抵抗とダウンフォースを調整していた。

 新しいリヤウイングは、以前のモノと比べてよりシンプルな構造をしているように見える。若干前縁が上向き、複雑な曲線を描いていたメインプレーンは、シンプルなストレート構造に。その分、エンドプレートとの接続部のRは緩くなっている。

 また、空気抵抗の大きかったビームウイングも”パワーダウン”。上部エレメントの後縁が切り落とされている。

Mercedes W13 rear wing comparison Miami GP

Mercedes W13 rear wing comparison Miami GP

Photo by: Giorgio Piola

 メルセデスは、今回のアップデートについて「今後の方向性を見定める指針になるはず」だとしている。ただW13最大の問題であるポーパシングの解決に向けて、”本丸”であるフロアのアップデートも予定しているはずだ。

 FP2でラッセルが見せた速さが、W13が持つ本来のポテンシャルだったのだとしたら、メルセデスがそのポテンシャルを解放できれば、シーズン後半はフェラーリやレッドブルと優勝を争うことができるかもしれない。

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 マイアミのシケインはまるでゴーカート用?? フェルスタッペン「F1マシンには向かないよ」

次の記事 【ギャラリー】F1に新風が吹いた……写真で振り返るF1マイアミGP

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

Matt Somerfield



F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す

F1

F1 2024/12/24

F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す



F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証

F1

F1 2024/12/17

F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証



F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?

F1

F1 2024/12/15

F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?

More from

メルセデス



劇的すぎる成長曲線……アントネッリの2年目は、メルセデス代表の長いキャリアの中でも最大の驚き「全てに戸惑っていた昨年とは違う!」

F1

F1

イタリアGP

48 分前

劇的すぎる成長曲線……アントネッリの2年目は、メルセデス代表の長いキャリアの中でも最大の驚き「全てに戸惑っていた昨年とは違う!」



F1イタリアGP完全制覇のアントネッリ、”遊び心”ある暴挙に! トロフィーにそれ入れる?「言葉では表せないほど……夢みたいだ」

F1

F1

イタリアGP

3 時間前

F1イタリアGP完全制覇のアントネッリ、”遊び心”ある暴挙に! トロフィーにそれ入れる?「言葉では表せないほど……夢みたいだ」



”最悪の結果”になった可能性もあった? メルセデス代表、アントネッリvsラッセルのチーム内バトルに満足も心配尽きず「我々は間抜けに見えたかもしれない」

F1

F1

イタリアGP

5 時間前

”最悪の結果”になった可能性もあった? メルセデス代表、アントネッリvsラッセルのチーム内バトルに満足も心配尽きず「我々は間抜けに見えたかもしれない」

最新ニュース



初開催マドリンクは、アストンマーティン・ホンダのマシンに適している? ホンダ折原エンジニアが期待「できる限り良い位置を戦えるように取り組む」

F1

F1 F1

スペインGP

初開催マドリンクは、アストンマーティン・ホンダのマシンに適している? ホンダ折原エンジニアが期待「できる限り良い位置を戦えるように取り組む」



劇的すぎる成長曲線……アントネッリの2年目は、メルセデス代表の長いキャリアの中でも最大の驚き「全てに戸惑っていた昨年とは違う!」

F1

F1 F1

イタリアGP

48 分前

劇的すぎる成長曲線……アントネッリの2年目は、メルセデス代表の長いキャリアの中でも最大の驚き「全てに戸惑っていた昨年とは違う!」



スーパーGT第6戦SUGOのエントリーリスト発表。前戦大クラッシュの埼玉Green Braveも名を連ねる

スーパーGT

SGT スーパーGT 1 時間前

スーパーGT第6戦SUGOのエントリーリスト発表。前戦大クラッシュの埼玉Green Braveも名を連ねる



F1イタリアGP完全制覇のアントネッリ、”遊び心”ある暴挙に! トロフィーにそれ入れる?「言葉では表せないほど……夢みたいだ」

F1

F1 F1

イタリアGP

3 時間前

F1イタリアGP完全制覇のアントネッリ、”遊び心”ある暴挙に! トロフィーにそれ入れる?「言葉では表せないほど……夢みたいだ」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録