F1 オーストラリアGP
F1メカ解説|ドレスアップ……じゃない! メルセデスの“アンダーネオン”がポーパシング解決の光に?
メルセデスは、F1オーストラリアGPでルイス・ハミルトンのマシンに“発光装置”を装着させていた。それが今年のメルセデスを苦しめるポーパシングの解決の光明になり得るかもしれない。
Matt Somerfield Giorgio Piola
編集: 2022/04/15 10:00
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
F1オーストラリアGPの決勝レース中、メルセデスのルイス・ハミルトンのマシンの下からは奇妙な光が漏れていた。
しかし、この光は彼の2022年型マシン『W13』をカッコよく魅せるためのファンキーなアイデアではなく、ダウンフォースの増減によって高速域でマシンが上下にバウンドするポーパシング問題の真相を突き止めるための車高センサーだった。
メルセデスは、ポーパシングの原因を理解できれば、パフォーマンスを犠牲にすることなく、W13の真の実力を発揮できるはずだと考えてきた。しかし、ここまでのところメルセデスはポーパシングの引き金や原因を正確に把握できていない。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、「まだ見つけられていないグレムリンがいる」と認めており、オーストラリアGPで行なった変更も虚しく、ポーパシングは起き続けていた。

Lewis Hamilton, Mercedes W13 at Australian GP
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
予選とは異なりレース中にポーパシングが発生することは少ないようで、その要因を探るべくメルセデスは週末を通してハミルトンのマシンに光学式の車高センサーを装着し続けることにした。
スイッチを入れると発光するこのセンサーは、車高と路面に対するマシンの軌跡を測定し、ストレートやコーナーで何が起こっているのかを記録する。
F1ではよく使われる装置ではあるが、1kgや2kgの重量増となるため、通常はフリー走行時にしか装着されないモノだ。しかしメルセデスは、予選と決勝でこの装置を装着することで得られる知識は、重量増を上回るメリットだと考えたのだろう。
ハミルトンはSkyに対してこう語っている。
「マシンにはあるものを積んでいて、少し重くなるけど、大した変化じゃない。チームがレースでより多くの情報を得られることができることを期待している」
メルセデスはそれ以外にも、フリー走行ではフロア端にポッドに収められた光学式の車高センサーを追加装備していた。
Mercedes W13 side detail
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
ポーパシングの問題解明を目指すメルセデスは、新パーツによってマシンに変更を加えることで事態を混乱させまいとアップデートの投入を後回しにしている。
そのため、チームはロー・ダウンフォース仕様のリヤウイングを依然として投入しておらず、開幕戦で使用していたハイ・ダウンフォース仕様の改良版を使い続けている。
メルセデスはポーパシングの解決を優先し、予選でフェラーリやレッドブルに及ばないことは承知の上で、レースペースに注力している。
パフォーマンスのスイートスポットを見つけ出すだけでなく、メカニカルと空力のセットアップ双方を切り替えているため、メルセデスの問題解決に向けた作業は難航を極めている。
ハミルトンとそのチームメイトのジョージ・ラッセルは、リヤウイングのDRSフラップ外縁にガーニー・フラップを装着したモノとそうでないモノ(上図)を切り替えながら、解決策を見つけ出すためデータ収集を行なうべく、あえてポーパシングを悪化させるほうにマシンをセットアップしていたのは明らかである。
Read Also:
- メルセデスの復活は一夜にしてならず。ラッセル「アップデートにはまだ数戦かかる」
- 苦戦続くメルセデス、今は謙虚にマシンを学ぶのみ。ハミルトン「まるで”毒蛇”のようなマシンだ……」
- スプリントレース実施のイモラは、アップデート投入には適さない? フェラーリ、新パーツ投入は「先送り」
- 信頼性が巨人レッドブルのアキレス腱。フェルスタッペン、二冠に黄色信号?「明確な解決策がない」と不安視
- F1分析|レースペースから見る、ルクレールの楽勝劇。フェルスタッペンは第1スティントで”崖”
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 オコン、ここまで全戦入賞もオーストラリアGP予選で僚友アロンソに及ばず「複雑な心境……けど良い勉強になった」
次の記事 ハミルトン、アクセサリー規制もどこ吹く風「だって外せないイヤリングもあるし……」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Matt Somerfield

F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す
F1
F1 2024/12/24
F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す

F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証
F1
F1 2024/12/17
F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証

F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?
F1
F1 2024/12/15
F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?
最新ニュース

先入観で仕事しちゃだめよ! もてぎ戦で起きたハードタイヤ騒動、チーム&ライダーに教訓残す
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
9 時間前
先入観で仕事しちゃだめよ! もてぎ戦で起きたハードタイヤ騒動、チーム&ライダーに教訓残す

2戦連続表彰台も見えていたが……ハジャー、グリップと電力を失い5位に沈む「速さはあったのに。冗談みたいだ」
F1
F1 F1
バーレーンGP
10 時間前
2戦連続表彰台も見えていたが……ハジャー、グリップと電力を失い5位に沈む「速さはあったのに。冗談みたいだ」

MotoGP日本GP、無視されていたハードタイヤが実は”最高の”タイヤだった!? 決勝経て評価覆る「驚きだった」「後悔してる」
MotoGP
MGP MotoGP
日本GP
10 時間前
MotoGP日本GP、無視されていたハードタイヤが実は”最高の”タイヤだった!? 決勝経て評価覆る「驚きだった」「後悔してる」

ホンダ・レーシング渡辺康治社長が2027年1月1日付で退任へ。後任は現副社長の安田啓一氏
F1
F1 F1 11 時間前
ホンダ・レーシング渡辺康治社長が2027年1月1日付で退任へ。後任は現副社長の安田啓一氏
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録