トムス、中嶋のフル参戦が確定せず“苦悩”のシーズンに? アレジも代役候補と認める
トムスの山田淳監督は、コロナ禍によって流動的となっているスーパーフォーミュラのドライバーラインアップについて言及。ジュリアーノ・アレジをスーパーフォーミュラに参戦させることも「十分考えられる」と語った。
写真:: Masahide Kamio
2021年のスーパーフォーミュラに中嶋一貴と宮田莉朋を起用して参戦するKuo VANTELIN TEAM TOM’S。しかし中嶋がWEC(世界耐久選手権)を掛け持ちしている影響で全戦出場できるか不透明なため、シーズンを通してドライバー起用に関して頭を悩ませることになるかもしれない。
今季のスーパーフォーミュラ開幕戦は、4月4日に富士スピードウェイで行なわれることとなっている。当初この週末にはWEC開幕戦ポルティマオが組み込まれていたため、近年WECでの活動を優先している中嶋の出場は難しいのではないかと見られていた。しかしながら先日、WECは改訂版のカレンダーを発表。ポルティマオ戦は6月に延期されることが決まった。
Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sのチーム監督を務める山田淳は、中嶋が無事開幕戦に出場できる見通しであることをmotorsport.comに認めつつも、それ以降のスケジュールに関しては依然として流動的であると付け加えた。
「(中嶋の開幕戦出場は)大丈夫になりました。WECのスケジュールが発表されて、ポルティマオが延期になりましたよね。ですのでスーパーフォーミュラ開幕戦に関しては出られることになりました。ただ、その後のスケジュールが厳しくて、どうしようかなと思っています」
そう語った山田監督。現時点でのスーパーフォーミュラとWECのスケジュールを見てみると、両カテゴリーのレースがバッティングしている週末こそないものの、スーパーフォーミュラの1週間後にWECが、WECの1週間後にスーパーフォーミュラが開催されるというケースは散見される。検疫期間の設定や渡航制限の状況によっては、中嶋が両方のカテゴリーにフル参戦できない可能性も大いにある。
また山田監督によると、未だ続くコロナ禍の影響を考慮してか、昨年に引き続き2021年シーズンもスーパーフォーミュラで有効ポイント制が導入されるのでは、という噂も聞こえてきているようだ。しかし仮に有効ポイント制が導入されてたとしても、落とせるレースはわずかになると思われるため、トムスとしても「頭が痛い」状況だという。
「(中嶋の)代役としてのドライバーラインアップはたくさんいましたが、そのほとんどがヨーロッパのドライバーで、彼らは日本に入ってくることができません」と山田監督。
「ただ我々も当初から、WECとの日程のバッティングが少ないのであれば、中嶋を走らせたいと思っています。トムスとしてはレース以外の面を考えても、中嶋の起用を簡単には諦めたくありませんでしたしね」
トムスは今季から、スーパーフォーミュラ・ライツでジュリアーノ・アレジを起用する。ジャン・アレジと後藤久美子の息子ということで日本のレースファンからも既に知られた存在となっているジュリアーノ・アレジだが、彼はF1直下のカテゴリーであるFIA F2で2シーズン戦った経験があり、スーパーフォーミュラでの代役候補に十分なり得る存在だと言える。
トムスは中嶋の代役としてジュリアーノ・アレジを起用することを考えているのか? そう尋ねられた山田監督は次のようにコメントした。
「彼は日本に入国していますし、日本の国籍も持っています。ヨーロッパのドライバーも諦めた訳ではありませんが、現状を考えると、F2でのレース経験があるアレジを使うことは十分考えられると思います」
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