トヨタ、WRCラリージャパンでRally 2コンセプトを初公開「GRヤリスは本当に良いベース車」とラトバラ代表

　トヨタは、将来的なカスタマー・ラリープログラムの構築に向けて1年以上前から開発を行なってきた『GRヤリス Rally2コンセプト』を、2022年シーズンの世界ラリー選手権（WRC）最終戦ラリージャパンで公開した。

　FIAが考案した四輪駆動のRally2車両は、WRCのセカンドカテゴリーであるWRC2クラスやヨーロッパ・ラリー選手権や全日本ラリー選手権のトップカテゴリーにも使用されている。比較的手頃な価格設定であり、プライベーターから人気を集める車両となっている。

　GRヤリス Rally2コンセプトを発表したことで、ヒョンデやフォード、シュコダ、シトロエン、フォルクスワーゲンなどのすでにRally2車両を発売しているメーカーにトヨタの名前が加わることとなる。

　ラリージャパン3日目の岡崎SSの前には、WRCで4度王者に輝いたユハ・カンクネンがGRヤリス Rally2コンセプトのステアリングを握り、ステージでデモランを実施。ファンの前でその走りを披露した。

Toyota Rally2 concept car

Photo by: Toyota Racing

　GRヤリス Rally2コンセプトは来年、大規模なテストと開発プログラムが予定されているが、発売時期は現時点では未定だ。

「とてもエキサイティングなことだ」

　そう語るのはTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamでチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラ。彼は、GRヤリス Rally2がプライベーターにとって優れた選択肢になると考えている。

「GRヤリスは非常に良いベース車になったと思う。良いマシンができると確信しているよ」

「Rally1はとても高価なマシンで、プライベーターにとっては手が出せない」

「しかしRally2は手頃なモノになると思うし、若手ドライバーにとっては活躍の場になる」

「このクラスは、Rally1へのステップアップのために自分のポテンシャルを示すという場なのだ」

　トヨタはRally2コンセプトの公開に加え、水素エンジン搭載の『GRヤリス H2コンセプト』のデモランを実施。同社は8月に開催されたイーペル・ラリーベルギーで一般公開された。

　その際はカンクネンがハンドルを握ったが、ラリージャパンではWRCの4度王者で元トヨタWRT代表のトミ・マキネンが岡山SSをドライブした。