ベッテル、フェラーリでのラストレースは14位。最後はイタリア語の替え歌で感謝伝える
2020年のアブダビGPを14位で終えたセバスチャン・ベッテルは、フェラーリでの最後のF1レースを“感動的な1日”だったと表現した。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
2015年からフェラーリに加入し、2度のランキング2位を獲得したセバスチャン・ベッテル。彼はそんなフェラーリでのラストレースとなったアブダビGPを14位で終えた。
フェラーリのメカニック達に見送られながらピットガレージを後にしたベッテルは、13番グリッドからレースをスタート。ハードタイヤで最初のスティントを引き伸ばす作戦に出たが、グリッド順位からひとつ落として14位でフィニッシュ。ポイントを持ち帰ることはできなかった。
レース序盤にはトラブルによりストップしたセルジオ・ペレスのマシンを回収するためにバーチャルセーフティカー(VSC)が宣言され、ほとんどのマシンがここでピットイン。硬めのタイヤへと交換し2スペック使用義務を消化した。
ただフェラーリは、ベッテルとチームメイトのシャルル・ルクレールをステイアウトさせることを選択。しかしVSCが後にセーフティカーへと変わったことも災いし、ふたりはフレッシュタイヤを履いた後続のマシンから次々にプレッシャーをかけられる形となってしまい、うまくレースを進めることができなかった。
「ある時点で僕たちは明らかに苦戦していたし、セーフティカーも僕たちにとっては不利に働いた。僕たちの採った作戦は少数派の作戦だったからね」
レースを振り返り、ベッテルはそう語った。
「だから僕たちに有利にはならなかった。でも、それでも可能な限り頑張ろうとしたんだ」
来季はレーシングポイント改めアストンマーチンへと移籍するベッテル。彼はフェラーリでの最後のレースが「感動的な1日だった」と語った。
「結果についてはどうでもいいし、レースに関しても言うことはない。でも、今週末は最初から(感謝の)意思表示をして楽しんだよ」
「でも(来季も)ここ(F1)にいられることは良いことだし、彼らにも会える」
ベッテルはチェッカーを受けた後のクールダウンラップで、イタリアの著名な歌『Azzurro』のメロディに乗せ、フェラーリへの感謝を伝える替え歌をイタリア語で披露。彼なりの形で気持ちを示してみせた。
「チーム全体で気分がハイになる時がたくさんあったけど、なぜかそういう時は毎回歌を歌っていたんだ」とベッテル。
「だから最後にもう一度歌を歌うというのは良いやり方だと思った。彼らに贈ったのはアドリアーノ・チェレンターノが歌うイタリアのとても有名な曲『Azzurro』だ。歌詞を変えてみたんだけど、著作権に引っかからないといいね」
「とにかく、チームに感謝の気持ちを伝えるには良いやり方だと思ったんだ」
またその一方でベッテルは、苦しんだ2020年シーズンが終了したことは「嬉しい」とも述べており、新天地で迎える来シーズンを楽しみにしているようだ。
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