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2023年F1中団グループ勢力図分析|アルファタウリが一番厳しい? しかし超接近戦……ほんの少しの前進でも、大きな違いを生むかも

F1開幕戦バーレーンGPの中団グループのレースペースを見ると、アルファタウリが苦しんでいるように見える。そんな中でも角田裕毅は、入賞まであと一歩まで迫る奮闘を見せた。しかしいずれにしても、今季中団は例年以上の大混戦だ。

Lance Stroll, Aston Martin AMR23, George Russell, Mercedes F1 W14, Lando Norris, McLaren MCL60, Esteban Ocon, Alpine A523, Valtteri Bottas, Alfa Romeo C43, the remainder of the field at the start

写真:: Andy Hone / Motorsport Images

 先日開幕した2023年のF1。今季も相変わらずレッドブルが支配的な速さを見せ、アストンマーチンがトップグループに加わったのが確認された開幕戦バーレーンGPだった。

 では、中団グループの勢力図は、一体どうなっているのだろうか?

 予選でトップ4チームに次ぐ位置につけたのは、アルピーヌのエステバン・オコンと、ハースのニコ・ヒュルケンベルグだった。しかしこのふたりは、決勝レースではリタイアもしくは下位に沈むことになった。

 代わりに”5番目”のチームとして浮上したのが、アルファロメオである。同チームのバルテリ・ボッタスは、トップ4チーム7台に次ぐ8位でフィニッシュ。そのレースペースが優れていることを見せつけた。

 ボッタスは12番グリッドから新品のソフトタイヤでスタート。1周目に8番手に浮上すると、ランス・ストロール(アストンマーチン)には先行されたものの終始そのポジションをキープ。ハード→ハードと繋ぎ、終盤には新品のソフトタイヤを履くピエール・ガスリー(アルピーヌ)の猛追を凌ぎ切ったのだ。

 しかもボッタスのレースペース推移を見ると、まだまだ余裕残しだった可能性が読み取れる。それが、第2スティントの終盤。最後の2周ほど、ペースを上げているのが確認できるのだ。これは、必要とあらばまだまだ同じペースで走れるということを示したモノだと言えるだろう。

中団グループのレースペース推移

中団グループのレースペース推移

Photo by: Motorsport.com / Japan

 アルピーヌは、9位2ポイントをガスリーが獲得したものの、ペース的にはまだまだ満足できる位置にはいそうもない。

 ガスリーは、予選Q1でトラックリミット違反を受けてタイム抹消。まさかの最後尾からのスタートとなった。レース中はウイリアムズやアルファタウリと同等のペースで周回。最後は、Q1で脱落したことで”余っていた”ソフトタイヤを活用し、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンと、アルファタウリの角田裕毅を置き去りにし、前述の通りボッタスに迫った。

 ただ、ソフトタイヤが残っていなければそうはいかなかったはずで、今後も楽な戦いになりそうはない。

 それよりもペースの面で良さそうなのは、ハースだ。ハースはケビン・マグヌッセンの13位が今回のバーレーンでの最上位。ただマグヌッセンは、13番グリッドからのスタートながら、3周目には最後尾まで転落してしまうことになった。

 これは、スタートでハードタイヤを履いたことが原因。その後、全車がハードタイヤに履き替え、第2スティントに入ると、交換時期のタイミング差こそあれ、マグヌセンは好ペースを発揮している。

 最終スティントでもソフトを履いたが、これは他車と比べるとデグラデーションが大きく、今後の懸念事項となるだろう。

 ウイリアムズとアルファタウリは、レースペースでも互角という状況。昨年はウイリアムズが完全に最後尾のチームという状況だったが、今季はアルファタウリとその座を争う形になるかもしれない。

 ウイリアムズは確かに正しい方向に踏み出したものの、アルボンは次のようにテスト後に語っている。

「テストの状況からすれば、僕らは10番目のチームだ。純粋なペースの面で、大きな一歩を踏み出したチームはたくさんある。おそらく、直接のライバルとなるアルファタウリやマクラーレンと比較しても、まだ少し遅れていると思う」

 ただウイリアムズには強みもある。それはトップスピードの速さだ。決勝は位置関係によりトップスピードにも違いが出てくるため、比較に使うのは公平ではない。しかし予選では、アルボンが7番手となる323.1km/hを記録。チームメイトでルーキーのローガン・サージェントも、それに次ぐ速さを見せた。

 今後、高速性能が重視されるサーキットでは、このトップスピードを武器できることだろう。

 

 前述の通りウイリアムズのレースペースは厳しい状況にある。それでも開幕戦で10位1ポイントを手にできたのは、彼らにとっては非常に大きな結果だったと言える。

 苦しいのはアルファタウリだ。角田裕毅は予選Q1で8番手タイムを記録し、見事Q2に駒を進めた。しかしこれは、チームがQ1で3セットの新品ソフトタイヤを使ったからという点も大きい。他のチームは、2セットしか使わなかったからだ。

 そのため角田は、Q2に進んだはいいものの、その時点で使うことができる新品のソフトタイヤは底をついており、ライバルに太刀打ちする術はなかった。それでも、ウイリアムズのアルボンがフロントウイングの損傷により走れなかったため、14番グリッドを手にすることができた。

 レース中は終始、アルボンやアルピーヌ勢と集団になって走っていた。ただ、ここでもアルファタウリに、ライバルを出し抜く術はなかった。ペースが優れているわけでもなく、最高速はライバルに劣る。そんな中で角田は奮闘し、終始ライバルと戦った。最後のピットストップでロスがなければ、アルボンを出し抜くことはできただろう。

 アルファタウリは、姉妹チームであるレッドブルの風洞を使ってマシンを開発している。今季のマシンは、同様のプロセスで開発された2台目のマシン。しかしチームはまだ、その風洞を最大限に活用できていないように見える。

 チーム代表のフランツ・トストはその状況を認識。次のように語っている。

「技術的な観点から言えば、マシンは期待したレベルには達していないため、取り組むべきことがたくさんある。我々はマシンのどこに弱点があるかを知っており、新しいアップグレードでパフォーマンスを引き上げることに取り組む必要がある。それを投入した時に、効果が発揮されることを願っている」

 角田とチームメイトのニック・デ・フリーズは、揃ってグリップ不足を訴えている。それは、空力コンセプトが不十分だったということが原因だろう。タイヤに厳しいサーキットであるバーレーンは、彼らの相対的なパフォーマンスを押し上げる要素にはならなかったし、高速性能も弱点であるため次戦サウジアラビアGPでも浮上するのは難しいだろう。

 今のアルファタウリが、ウイリアムズやアルファロメオ、アルピーヌやハースと比べて勝っているのは、低速からの加速のみ。それは、ホンダ製パワーユニットの恩恵である。

 なお、マクラーレンは1台がリタイア。ランド・ノリスは完走したものの、こまめにエアを補給しなければならないトラブルに見舞われたため、実に6回ものピットストップを行なった。それにより、他との比較は実に難しい。

 確かに現時点では、信頼性に苦しむマクラーレンと、パフォーマンス面で苦しむアルファタウリは厳しい状況に見える。しかし本稿のレースペース推移のグラフを見ても分かるとおり、中団グループのパフォーマンスは実に僅差。ほんの小さな要素でも、一気に中団グループの先頭に躍り出る可能性すらある。

 2023年のF1中団グループの戦いは、例年にも増して激しいモノとなるのかもしれない。

 
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