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アンドレッティのF1参戦、エントリー料の250億円だけじゃ不十分? 既存チーム説得に必要な”プラスα”

マイアミGPの成功は、F1がアメリカでどれだけ躍進しているかを示す、最も強力な証拠のひとつだが、アンドレッティのF1参入はいまだ受け入れられていないようだ。

Micheal Andretti,retti Autosport

写真:: Alexander Trienitz

 先日初開催されたF1マイアミGPは、チケットが完売し、多くのセレブが来場。テレビ視聴率も記録的な数値となったようだ。F1でも最大のイベントのひとつとなったことで、2023年にアメリカで3レースを実施する基盤が、さらに強固となった形だ。

 しかしマイケル・アンドレッティは、アメリカのF1への関心をさらに高めるには、アメリカのチームとドライバーをグリッドに揃えることが必要だと考えている。

 アンドレッティは今年始め、ザウバーが運営するアルファロメオを買収し、F1に参入することを目指した。これはうまくいかなかったが、依然として2024年からF1に参入することを目指している。

 アンドレッティはマイアミで、各チーム代表やF1関係者、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムとミーティングを行ない、自分たちのプランについて話し合った。しかし、パドックからの反応はいまひとつだったようだ。

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 既存チームも、アンドレッティの評判や規模を考えれば、そのアイデンティティに寄りかかることがほとんどないハースに次ぐ、2番目のアメリカチームの参戦が大きな一撃になることを否定していない。

 アンドレッティはすでにインディカーやフォーミュラEなど多くのカテゴリーで成功を収めており、成功と参戦継続を両立するために何が必要なのかを知っているからだ。

 マクラーレンCEOであり、アンドレッティと豪スーパーカーでマクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、「アンドレッティの名前はF1や様々なモータースポーツで歴史があり、大きな価値をもたらすと思う」と語った。

「信頼できるブランドの、信頼できるレーシングチームが、適切なリソースを持っていれば、このスポーツにプラスになると思う」

 アンドレッティなら、数年で撤退を余儀なくされた2010年代初頭のケータハム、HRT、マルシャの二の舞になることはないだろう。

Colton Herta, Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian Honda

Colton Herta, Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian Honda

Photo by: Gavin Baker / Motorsport Images

 アンドレッティの関心の高さは、今のF1の”強さ”を示しているが、同時にそれが現在参戦しているチームが、閉鎖的な環境に知らない誰かを参加させることに不安を感じている理由なのだ。

「現在は10チームがエントリーしており、その10チームで賞金を分配している」とメルセデスF1代表のトト・ウルフは言う。

「我々は過去10年間にかなりの額を投資してきた。ここ(記者会見)に座っている各組織は、おそらく長年にわたってF1プロジェクトに10億ドル以上を投じてきただろう」

「だから、増収になる必要がある。もし、あるチームが参入してきた場合、そのチームが実際にかかったコスト以上のお金をF1にもたらしていることをどうやって証明するのだろうか? 11番目のチームというのは、他のチームにとっては10パーセントの希薄化を意味するからね」

 こうした懸念は、新しいコンコルド協定が結ばれた2020年の時点で想定されていたようだ。新たなチームが誕生すればその分パイが小さくなるため、2億ドル(約258億円)エントリーフィーが設定され、既存の10チームで分配されることになっている。

 これは、新規参入するチームの資金力を保証すると同時に、既存のチームの価値を保護するものでもある。

 アンドレッティは当初からこの2億ドルを用意したと主張してきた。しかし、F1のビジネスが好調を維持する中、既存チームが直面するであろう収益の希薄化を相殺することができないのではないかと懸念されているのだ。

「フランチャイズの数が限られていることが、F1の価値になっている」とウルフは言う。

「そして、我々はチームを追加することでその価値を薄めたくはないんだ」

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、この話し合いでは常に金銭が「重要な要素」となることを認め、商業権保有者であるF1側がどのようなアプローチを取るか決定する責任があると述べた。

「もし、もっと多くのチームが欲しいのであれば、当然、彼ら(F1)の取り分を減らさなければならないだろう」

「なぜなら新規参入者の追加分を、他のチームが支払うことを期待するのは不公平だからだ」

Mattia Binotto, Ferrari Team Principal, Mario Andretti

Mattia Binotto, Ferrari Team Principal, Mario Andretti

Photo by: Ferrari

 ホーナーは、2億ドルの手数料がどの参入者にも”最低限の価値”を与えると感じつつも、長期的な視野で見ることの重要性を強調した。

「10チームの健全なフランチャイズが揃ったのは、記憶の限り初めてだ」とホーナーは言う。

「2億ドルは大金だ。しかしこのビジネスでは、参加者で割るとたいした額にはならない。それに一回限りだから、毎年2億ドルが入ってくるというわけでもない。だから結局、こういう話はいつも”経済”に帰結するんだ」

 アルファロメオのフレデリック・バスール代表は「今の10チームが持続可能で、今のF1が非常に良い方向に進んでいるとしても、今後5年、10年とこの状態が続くとは限らない」と付け加えた。

「パンデミックの前やパンデミック中にあったような、グリッド後方から3分の1のチームがサバイバルしているような状況にならないように気をつけなければならない」

 アンドレッティは、新チームのインパクトが他のチームにとっても魅力的であることを証明するという難しい挑戦に直面しているのだ。アメリカのチームであること、そしてアメリカ人のコルトン・ハータを起用する予定であることは、アンドレッティの主張の助けになるに違いない。

 アンドレッティがF1参戦を実現するには、長いプロセスを経なければならない。アンドレッティはベン・スレイエムが「そのプロセスをサポートする」と主張している。

 この夏にはインディアナポリスにF1施設を設立する計画がすでにあり、ヨーロッパにある既存の施設と連動することになるという。アンドレッティは、これがリスクであることを認めつつも、その価値はあると感じているようだ。

 F1は新チームがもたらす付加価値や、どれかのチームが撤退した場合の安全策、そして今後の賞金支払いにどのような影響を与えるかを考慮しなければならない。F1が現在採用している仕組みは、すでにテーブルに着いているチームのために機能している。つまり、それを変えるには、2億ドル以上の説得力が必要なのである。

 
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