F1

ゼロサイドポッドで1年を戦いきったメルセデス。「勝ちたいなら、他の真似をしてもそこには至れない」

メルセデスは、他のF1チームがレッドブルやフェラーリのサイドポッドのデザインを模倣していったにもかかわらず、今季デザインをコピーすることを考えなかったと語った。

Jonathan Noble

Jonathan Noble

編集: 2022/12/17 8:26

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Mercedes W13 technical detail

 メルセデスは、F1に新しいレギュレーションが導入された2022年、”ゼロサイドポッド”を採用。これはレッドブルやフェラーリとは異なる、完全な独自路線だった。

 メルセデスは2022年のマシン『W13』でなかなかパフォーマンスを発揮できなかったものの、問題の原因はサイドポッドとは無関係だと主張し続けた。

 そしてシーズン開始時から問題となっていたポーパシングの解消に重点を置き、サイドポッド以外の部分を変更していったメルセデスは、最終的にサンパウロGPで勝利を収めるまでにマシンを改善することに成功した。

 メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、サイドポッドはパフォーマンスの面で足を引っ張っておらず、あまり力を入れる必要はないと考えていたという。

 ライバルたちが、レッドブルのように気流をフロアに導くダウンウォッシュ型か、フェラーリのようにリヤに導くインウォッシュ型のサイドポッドを模倣する中で、他人の真似をするよりも、自分たちのアイデアを押し通すことが一番だと考えてきた、と彼は指摘する。

「空力において、エンジニアリングのほとんどは床下の見えない部分にあるんだ」

「そこに多くの仕事がある。サイドポッドのコンセプトは、現実的には1年間、とにかくコミットしなければならないものだった。もし我々が手っ取り早い解決策を見つけることだけに集中していたら、それをコピーして展開し、何ができるかを見ていたかもしれない」

「しかし我々のゴールは常に、自分たちで理解し、学び、自分たちの道を見つけることだった。もしレースやチャンピオンシップで勝ちたいなら、他の人たちのデザインを真似しても、そこに到達することはできないからだ」

「我々のクルマはすべて、先駆的な機能を搭載し、クレバーなアイデアを持っていた。だから、これからもそうしていくよ」

 一方で、メルセデスは来季マシンコンセプトの見直しも検討しているため、サイドポッドのデザインが変更される可能性もある。中でもレッドブルのコンセプトは空気抵抗が低く、印象的なトップスピードを実現するのに役立ち、大きなアドバンテージとなっていた。

 ショブリンは、空気抵抗が大きいというメルセデスの弱点は認識しているものの、2023年に向けて単に直線スピードのポテンシャルを上げることにこだわってはいなかったという。

「まったく新しいルールができたとき、みんながどこに向かってデザインしていくのかを知ることは難しい」

 そうショブリンは説明した。

「彼らのマシンは、同じウイングをつけたとしても抵抗が少ないように見える。今年の前半は(ダウンフォースレベルを)非常に高くしなければならなかったから、その点では確かに助けにならなかった」

「しかしブラジルを見ると、我々が最速のクルマを持っていたわけではなかったが、彼らをオーバーテイクしてワンツーを獲得することができた。だからストレートを速くすることは、僕らの最優先事項ではないんだ。ストレートで最も速いマシンのひとつがウイリアムズなんだ。それでパフォーマンスレベルが決まるわけではない」

「だが似たようなレベルにあるのであれば、当然それ(ストレートスピード)はアドバンテージになる。だから修正したいところだ。ただ、優先されるのは常にクルマの基本性能であり、それを正しい位置に持っていくことだ」

 メルセデスはシーズン中にポーパシング問題のほとんどを解決することができたが、それでもシーズン後半にはいくつかの問題に遭遇した。

 ショブリンは、冬の間にダウンフォースを強化すれば、この問題が再発することを懸念している。しかし彼は、新しいフロアエッジのルールが、この問題の克服に役立つと考えている。

「フロアに荷重をかければかけるほど、そういう問題が出てくる」

「その点、我々は直線で大きな進歩を遂げることができた。イモラやジェッダ、バーレーンなど、初期のレースでは、高速でクルマがひどく跳ねていた。それを何とかうまくコントロールできるようになった」

「高速コーナーでマシンがロールし、フロアが接触するような状態になると、まだ問題が残っている。それが原因で少し不安定になることもある。来年のルール変更で、それが改善されるはずだ」

「根本的に問題がなくなるわけではないんだ。でも、今年の前半に学習と理解に努めたことが、少なくとも来年は良いベースラインを築くのに役立つと期待しているんだ」

 

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