分析

F1 マイアミGP

F1分析|マイアミGPのシケインのレイアウト修正が困難なワケとは

初開催となったF1マイアミGP。サーキットレイアウトは概ね好評だったものの、シケインについては改善を求める声も上げっている。しかしシケインの変更は容易ではないのだ。

Charles Bradley

Charles Bradley

公開日時: 2022/05/17 10:22

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Pierre Gasly, AlphaTauri AT03

 初開催となった第5戦マイアミGP。その舞台となった1周5.41kmのマイアミ・インターナショナル・オートドロームは、イギリスに拠点を多く「エイペックス・サーキット・デザイン」によって手掛けられた。

 長いストレート区間と中・高速コーナーに加えて、ターン11からはターン16までは低速でタイトなセクションが続いている。

 F1ドライバーたちからは、その中でもターン14〜15のタイトなシケインを来年に向けて修正するよう求める声も上がっているが、それは容易な作業ではない。というのも、マイアミGP主催者側には、有料高速道路「フロリダ・ターンパイク」の出入り口とNW203通りの高架の下を通すという地理的条件から、ターン14〜15に設置されたシケインとそこまでの低速セクションを設置せざるを得なかったからだ。

 マイアミGPを開催するにあたっては、F1開催に必要なFIAのサーキットライセンス「グレード1」の規格を満たす必要があり、そのためにはこの”針の穴”を通すようなレイアウトが必要だったのだ。

 このグレード1では、路面と頭上構造物との間には最低4mのクリアランスを確保する必要があり、そのクリアランスは車速の2乗に連動して変動する。そのため、交差地点の通過速度を最低基準の80km/hにすべく、ターン13までに大きく車速を落とし、ターン13からシケインに向けて3m程の上り勾配を設け、ターン15を頂点に高架をくぐるところで下り勾配をつけることとなった。

Sebastian Vettel, Aston Martin AMR22

Sebastian Vettel, Aston Martin AMR22

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

 シケインへの進入はタイトで、さらに起伏がつられていることから先が見えにくく、マイアミGPでも週末を通じてここでマシンの挙動を乱すドライバーが後を絶たなかった。フリー走行2回目ではカルロス・サインツJr.(フェラーリ)、フリー走行3回目ではエステバン・オコン(アルピーヌ)が、このコーナーの手前で大きなクラッシュを喫した。

 レースウィナーのマックスフェルスタッペンは「ターン14〜15のシケインは、少しトリッキーな組み合わせだ」としてこう語った。

「ゴーカートで走るなら、素晴らしいシケインだと言えるかもしれない。でも、現在のF1マシンではそうはいかない」

 2位となったシャルル・ルクレール(フェラーリ)は「このシケインを気に入ったのは、僕だけだと思う。僕は楽しんだよ」と語る一方で、こう語っている。

「ただレース中のアクションについては、もっと良くすることができると思う。前のクルマについていくという点では、簡単じゃなかったからね」

【動画】オコン51Gの衝撃……『”魔”のターン14』クラッシュ映像

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

Max Verstappen, Red Bull Racing RB18

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

エイペックス・サーキット・デザインのアンドリュー・ウォリスは開催に先立ち、motorsport.comの取材に対して「この一連の作業は、エンジニアリングにおける真の挑戦だ」と語っていた。

「最初の高架下を通るためには、少なくとも4mのクリアランスが必要というFIAのレギュレーションをクリアする必要があった」

「しかし、ターンパイクの出入り口は7%の傾斜がついていて、我々の路面は下がるべきところで登っていた」

「このコースデザインはハッキリ言って、三次元的に針の穴を通すようなモノだ。マシンがシケインのキャンバーに沿って高架の下をゆっくりと走らせることで、マシンの速度を十分に落とす狙いがあるのだ」

 マイアミGPのマネージングパートナーを務めるトム・ガーフィンケルは、シケインがそうしたデザインになっている理由をオーガナイザー側から上手く説明できたはずだと考えている。

「シケインにおける課題は、なぜそれが存在するのか、どう存在するのかを十分に伝えられなかったことだと思う」とガーフィンケルは語る。

「シケインは他でのバトルを充実させるために必要な……いわば必要悪のようなモノなのだ」

「あのエリアはトリッキーで、十分なランオフエリアがないために、みんなの車速をしっかり落とさなければならない」

 地理的制限はあるものの、主催側は来年以降の開催に向けて改善を約束している。

 motorsport.comがCOOのタイラー・エップに対して初開催のマイアミGPをどう見直し、どう改善していくかと尋ねると次のように答えた。

「昨年、最大の課題はタイトな開催スケジュールだった。来年に向けてできるだけ速やかに決断を下せるよう、すぐに取り掛かる」

「我々はF1とFIA、ドライバー、チーム、そして顧客とファンのみんなから、週末を通じて情報やフィードバックを集めた。数週間のうちに改善すべき点についてのフォローアップが行なわれる予定だ」

「2週間は内部ミーティングを続けて行ない、全てを総括した後、改善のためどこを変えていくべきかを確認する」

 

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