F1

未だ発表されないレッドブルとポルシェの提携。発表が遅れている背景には一体何があるのか?

レッドブルとポルシェが2026年からパートナーシップをスタートさせることは、もはや既定路線だと言われている。しかし未だ正式発表には至っていない。その理由は一体何なのだろうか?

Luke Smith Christian Nimmervoll

編集: 2022/08/09 14:20

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Sergio Perez, Red Bull Racing RB18

 レッドブルは、パワーユニットのレギュレーションが変更される2026年から、ポルシェとパートナーシップを組むことが確実とされている。しかしながらその正式発表は、今もなされていない状況だ。その背景には、一体どんな要因があるのだろうか?

 今シーズンは、自社のパワーユニット部門”レッドブル・パワートレインズ”を介し、ホンダ製のパワーユニットを使っているレッドブル。同チームは2026年シーズンからポルシェと提携するのは確実と見られている。

 今年の初め、フォルクスワーゲン・グループの諮問委員会が、傘下のブランドであるポルシェとアウディのF1参入を検討していることを認めた。そのうちポルシェは、レッドブルに新世代のパワーユニットを供給する予定であると言われており、その交渉が事実であることが、先月末にモロッコで公開された法的文書でも確認されている。この書類によれば、ポルシェはレッドブルのF1事業の株式50%を獲得することも検討されているという。

 またこの文書には、8月4日にも正式発表が行なわれる可能性があると記されていたが、翌5日を迎えても、まだ発表は行なわれていない状況だ。

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ポルシェの名は出さなかったものの、可能性のある契約が発表されるまでには、まだ「長いプロセス」を経なければならないとハンガリーGPの際に語っている。これはおそらく、パワーユニットメーカーとしてのポルシェに対して向けられている”警告”と、彼らが受けられる優遇措置に関することであると思われる。

 フォルクスワーゲン・グループは、2026年からのパワーユニットに関するレギュレーションが最終決定されるまで、ポルシェとアウディのF1参戦に最終的な承認を与えることはないと言われる。実際、新レギュレーションはまだ未完成であるため、レッドブルとポルシェの提携は発表できない状況にあるはずだ。当初レッドブルは、母国レースであるオーストリアGPの際にポルシェとの提携を発表することを望んでいたが、これも叶わなかった。

 レギュレーションの決定が遅れているのは、ポルシェをはじめとした新規参入メーカーが、エンジンテストに使うことができる時間の調整に難儀しているという側面もあるという。またピストンに関しても、既存のメーカーは従来のスチールを使い続けることを主張しているものの、ポルシェはアルミニウム製にするべきだと主張しているとも言われる。

 これらの状況により、世界モータースポーツ評議会が計画していた電子投票は、当初8月2日に予定されていたものの、8月8日に延期。なお夏休みの期間でもあるため、結果が出るまでには時間を要する可能性もある。

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、motorsport.comの姉妹媒体であるMotorsport-Total.comに対して、この問題は「非常に単純」であると語った。

「フォルクスワーゲンの理事会の決定は、技術規則が基準を満たしていれば、彼らはF1に参加することを委任されているよいうことだ」

 そうマルコは語った。

「これには主に、コスト上限、持続可能性、持続可能燃料、新規参入メーカーとしての扱い、そしてテストベンチの使用時間の増加などに関連している」

「しかし形式的に言えば、新しいレギュレーションはまだ存在していない。FIAの会長は、電子投票をすぐにでも行なう予定だ。それを経てはじめて、物事が正式に進行していく」

 なおポルシェとアウディの参戦計画を頓挫させるために、フェラーリやメルセデスが無駄に時間を費やそうとしているのでは……そんな噂が飛び交ったこともある。当の2メーカーはこれについて否定しているが、マルコはF1において”確立されたプレイヤー”は、新規参入メーカーの準備期間を食い潰すことで、自分達にとって最善な状況を形作ろうとしているとも語った。

 なおホンダは8月2日に、2025年までHRC(ホンダ・レーシング)として、レッドブル・パワートレインズに技術サポートを提供することを発表した。

 ホンダは昨年限りでF1活動を終了させたが、レッドブルは自社のパワーユニット部門”レッドブル・パワートレインズ”を立ち上げ、ホンダからパワーユニットの図面などを引き継ぎ、自社内で製造することを目論んでいた。しかしそれは実現せず、しかもパワーユニットの開発が凍結されたことで、ホンダが引き続き製造や組み立てなどを担うことになった。

 このホンダとの契約が延長されたことは、レッドブルがポルシェと組む上でも大きな後押しであると言える。なぜならポルシェが2026年に参入した場合には、新規参入メーカーであるということが明確になったわけだ。

「彼らは2026年のレギュレーションに向けて取り組んでいるところだ」

 レッドブル・パワートレインズの現在の状況について、マルコはそう語った。

「新しいメーカーが現れれば、彼らに協力することができる」

 マルコはまた、レッドブルの姉妹チームであるアルファタウリも、2026年以降レッドブルと同じパワーユニットを使い続ける予定であることを認めた。つまりレッドブルとポルシェの提携が決まれば、アルファタウリもポルシェのパワーユニットを積むことになる。

 

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