F1 ハンガリーGP
レッドブルのマシンは「まるで違うカテゴリーみたい」 ペレスがRB16Bへの適応に苦労した理由
セルジオ・ペレスは、今季新加入したレッドブルのマシンに適応するのは、予想していたよりも遥かに難しかったと語る。

Jonathan Noble
編集: 2021/08/17 3:20
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

今シーズンからレッドブルに加入したセルジオ・ペレス。昨年まで中団グループで活躍してきたペレスにとっては、待ちに待ったトップチームでの”チャンス”だった。しかしペレスにとっての2021年シーズン前半は、彼が望んでいたほど単純なモノではなかった。
シーズン開幕前のテスト、そして金曜日のフリー走行の時間が短縮されたことによって、チームを移籍したドライバーは今季、新たなマシンに慣れるのが難しい状況となっている。
ペレスはそんな中でも、エミリア・ロマーニャGPではフロントロウを獲得し、さらにアゼルバイジャンGPでは勝利を手にしたものの、フラストレーションが溜まるレースも数多くあった。
ペレスにとって問題の核となっているのは、トップチームで走った経験がほとんどないということではない。レッドブルのマシン造りの哲学は、彼にとっては非常に異質なモノであったため、別のカテゴリーに挑むつもりで学ばねばならなかったという。
「このマシンでラップタイムを引き出す方法、乱れた空気の中で戦う方法などは、僕がこれまでやってきたのと比べて、大きく異なる」
ペレスはそうmotorsport.comに対して語る。
「それに加え、タイヤを労る方法も違った。マシンごとにホイールリムの加熱や冷却の要件が異なるし、それがタイヤに関係してくる」
「正直にとって、まるで別の世界みたいだった。まさに違うカテゴリーに来たような気がした」
Sergio Perez, Red Bull Racing RB16B
Photo by: Charles Coates / Motorsport Images
ペレスは、ザウバー時代の2012年に活躍が認められ、2013年にはマクラーレン入りを果たした。しかしこのシーズンはうまくいかず、中団グループのチームに逆戻り……ただ、トップチームと共に仕事をするのは、レッドブルが最初ではない。
レッドブルへの適応を難しいモノにしたのは、これまでとは全く異なるアプローチを必要とするマシンだけでなく、チームがタイトル争いをする立場にあるということもある。そのことにより、ペレスに対するプレッシャーと注目度が、信じられないほど上がっていることを意味している。
「大きなチャンスだけど、僕も哲学を大きく変えたことを認識している」
そうペレスは説明する。
「マシンからどうラップタイムを引き出すかということについては、非常に考えが異なるチームに移った。でもチーム移籍は、予想以上に困難だった。チャンピオンシップのために戦っているチームだからなおさらだね」
「チャンピオンシップを目指して戦うチームにいるのは、素晴らしいことだ。でも同時に、とても難しいことだった。チャンピオンシップを目指して戦う時、マシンに完全に適応するのは難しかった。僕には、それをするチャンスがなかったんだ」
「僕はマシンから、そしてチームから多くのことを学んでいるところだ。これまでとは異なる哲学、エンジン、そしてマシンがあるチームに加わった。だから、その学習を続けているところだ。そして、ただ改善を進めていくことで、物事はよくなっていくんだ」
「しかしそれは簡単なプロセスではなく、継続的なプロセスだ。新しい構造……レッドブルのような非常に大きい構造に加わると、地に足をつけて過ごすのは難しい。でも、そこには到達することができた」
Sergio Perez took his first Red Bull win in Azerbaijan.
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
今シーズン、ペレスに最も欠けていたものは、おそらく「時間」だろう。実際ペレスは、マシンを速くするために、毎週末追いつくところから始めるということを何度か語っている。しかしセットアップとタイヤを理解する上での進歩の速度は非常に速く、さらに日曜日にチェッカーフラッグを受けた後、再び走ることができることを望むほどだ。
「新しいサーキットに行く時は、まだ多くの時間が必要だ」
そうペレスは語った。
「僕は金曜日全体を、予選に挑むように走った。予選パフォーマンスでまだ不足しているというだけだ。金曜日を通じてそういう遅れがあるなら、遅すぎるんだ」
「最終的には目指すところにたどり着くけど、その上に積み上げていくには、時間がかかりすぎる」
またペレスが見つけたのは、レッドブルの今季マシンRB16Bを最高の状態で走らせるためには、ドライバーには快適ではない形で頑張る必要があるということだった。
マックス・フェルスタッペンが持つマシンを限界領域で操るという強みは、ペレス以前に彼のチームメイトを務めたドライバーたちも苦労してきたことである。
ペレスは次のように付け加える。
「とても速いマシンだと思うけど、ラップタイムを引き出すための方法は、これまでとは大きく異なる。結局のところ、全てのF1マシンは非常に近いラップタイムで走る。でも、最大限のラップタイムを引き出すための方法は、とても異なるんだ。そしてそんな中でも、僕はその方法がとても異なるマシンに乗ることになった」
「レッドブルのマシンが最適に機能するウインドウは、とても狭い。そのウインドウから外れると、快適にドライブできるように感じるかもしれないが、必ずしも速いマシンであるとは限らない。だから、そのウインドウに留めることが重要なんだ。だから僕には、マシンに適応するべきことがたくさんあると思う」
しかしペレスは、現在の状況を整理できるという確固たる信念を持っている。
すでにペレスは、前述の通りイモラでもフロントロウに並び、アゼルバイジャンでは優勝。マシンを正しい”ウインドウ”の中で走らせることができれば、間違いなく結果を残せることを示したと言える。
「理解をひとつにまとめていくことを成長させていくだけで、そういう結果を残すのはとても自然なことになるだろう」
そうペレスは語る。
「現時点ではまだまだ、それを自然にできるようにはなっていないが、いずれそこに到達することができるだろう。今年はもう、シーズン後半に突入しようとしている。僕はかなり強くなれると思う」
「僕はただ強さを身につけ、チームとしての僕らは強くなっていくだろう」
Read Also:
- ペレスには次戦3基目のPU投入もやむなしか……レッドブル代表「他車が原因だから、ホンダにとっても苛立たしいこと」
- セルジオ・ペレス、2022年レッドブル残留に自信「他のチームを探す理由は何もない」
- もっと真面目な僕も見て! ノリス、SNSのアプローチを試行錯誤「色んな人に応援してもらいたいから」
- バレンティーノ・ロッシ、MotoGP引退後の四輪レース参戦に意欲「楽しむためだけにレースをすることはない」
- 角田裕毅、イタリア移住は「間違いなく良いこと。イギリスではテレビゲームをすることも多かったけど……」
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 ベッテルのF1ハンガリーGP失格が確定。アストンマーチンが訴えを取り下げ
次の記事 ”復活”のF1オランダGP、新型コロナの制限を受けながらも1日7万人のファンを動員して開催へ
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Jonathan Noble

大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす
F1
F1 2024/12/29
大きく前進を果たせなければ、F1タイトル5連覇は目指せない……フェルスタッペン、レッドブルに警鐘鳴らす

ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす
F1
F1 2024/12/27
ハミルトンのメルセデスF1最終年度での苦戦、その原因は? エンジニアリング統括が明かす

僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識
F1
F1 2024/12/25
僕にできることはある……ボッタス、“最悪のシナリオ”でF1シート喪失も闘志は消えず。酒の勢いで始めたおバカ挑戦で再認識

More from
セルジオ ペレス

これまでのシンガポールGPとは一味違う? 初のスプリント開催という”挑戦”に、ドライバーたちはワクワク
F1
F1
シンガポールGP
6 日前
これまでのシンガポールGPとは一味違う? 初のスプリント開催という”挑戦”に、ドライバーたちはワクワク

バクーで“ヒヤリ”。F1マシンの速度差問題は改善傾向も、未だ危険だとペレス「近いうちに何か良くないことが起きるのではないか」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
14 日前
バクーで“ヒヤリ”。F1マシンの速度差問題は改善傾向も、未だ危険だとペレス「近いうちに何か良くないことが起きるのではないか」

ボッタス、3戦連続でペレスの前を走れず。バクーでは全くついていけず大差つけられ「調べなければいけないことがたくさん」
F1
F1
アゼルバイジャンGP
15 日前
ボッタス、3戦連続でペレスの前を走れず。バクーでは全くついていけず大差つけられ「調べなければいけないことがたくさん」

More from
レッドブル

レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める
F1
F1
シンガポールGP
1 日前
レッドブル、ローレン・メキーズ代表と2031年まで契約。復調で波に乗るチームの体制を固める

連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」
F1
F1
シンガポールGP
1 日前
連勝レッドブルは最強チームじゃない? フェラーリ代表語る「スタート直後の1コーナーをうまくやれていれば、我々が勝ったかもしれない」

レッドブル、ADUO制度の微調整に向けFIAに協力「最初の評価には驚いた」
F1
F1
バーレーンGP
2 日前
レッドブル、ADUO制度の微調整に向けFIAに協力「最初の評価には驚いた」
最新ニュース

マルティン、残り5戦は安定して上位間違いない? 「高い競争力を発揮できる」と自信見せる
MotoGP
MGP MotoGP
インドネシアGP
1 時間前
マルティン、残り5戦は安定して上位間違いない? 「高い競争力を発揮できる」と自信見せる

ハースF1、ラファエル・カマラ起用を発表。エステバン・オコンの後任にフェラーリ育成のルーキーを据える
F1
F1 F1
シンガポールGP
11 時間前
ハースF1、ラファエル・カマラ起用を発表。エステバン・オコンの後任にフェラーリ育成のルーキーを据える

”阿吽の呼吸”で無線トラブルも乗り越えた絆。フェルスタッペン次期エンジニアに期待される能力とは
F1
F1 F1
シンガポールGP
13 時間前
”阿吽の呼吸”で無線トラブルも乗り越えた絆。フェルスタッペン次期エンジニアに期待される能力とは

ドゥカティ、激戦タイトル争いを勝ち抜く覚悟。アプリリアの”陣営一丸”チームオーダー発令を警戒「私でもそうするだろう」
MotoGP
MGP MotoGP
インドネシアGP
14 時間前
ドゥカティ、激戦タイトル争いを勝ち抜く覚悟。アプリリアの”陣営一丸”チームオーダー発令を警戒「私でもそうするだろう」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録