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現役続行表明のロッシ、唯一の選択肢はペトロナスSRT。残る問題は“お金”のみ?

バレンティーノ・ロッシは、2021年も現役を続行したいと自身の進退について明らかにしている。ヤマハ・ファクトリーチームからの離脱が決まっているロッシに残された選択肢は、ペトロナス・ヤマハSRTに加入するのみだ。

Valentino Rossi, Yamaha Factory Racing

写真:: Yamaha Motor Racing

 MotoGPに参戦するバレンティーノ・ロッシは、2020年2月に41歳の誕生日を迎えた。彼は2020年末に現在ヤマハと結んでいる契約が満期となるが、「まだ競争力があるなら、来年以降も続ける」と何度も繰り返し語ってきた。

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 2019年シーズンにでは表彰台を2度獲得したものの、優勝は0回。彼が上記のような考えを持つことも仕方がないかもしれない。

 しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによってレースどころではなくなってしまったことで、ロッシが自身の戦闘力を見極めることは難しくなった。そして4月下旬に、ロッシは自身の意志を公にした。

 ロッシはMotoGPの動画配信を使用し、2021年も現役を続けたいと考えていることを発表したのだ。

「2021年も続けたいと思っている」とロッシが語ると、彼の声明はヤマハからの望ましい反応を引き出した。

 ヤマハのマネージング・ディレクターであるリン・ジャービスは「私の望みは彼が(現役を)続けることだ。彼のキャリアをこのような少ないレース、無観客試合という形で終わらせることは、彼のようなチャンピオンにはフェアではない」と述べている。

Valentino Rossi, Yamaha Factory Racing

Valentino Rossi, Yamaha Factory Racing

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 しかしヤマハ・ファクトリーチームにロッシの席は既に残されていない。ヤマハはマーベリック・ビニャーレスとの契約を更新し、ファビオ・クアルタラロを2021年から起用することを既に決定済みだからだ。

 ロッシの46番を来季も見ることのできる唯一残された選択肢は、サテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTへ加入すること、というのは明らかだ。

 ペトロナス・ヤマハSRTは2019年にMotoGPへの参戦を開始した新興チームながら、1年目から大きな存在感を示した。クアルタラロが度々優勝争いをし、ランキングではロッシを上回る5位を記録してみせたのだ。

 ペトロナス・ヤマハSRT上層部の狙いは、可能な限り良いリザルトを狙うことだけではなく、若手ライダーをMotoGPに引き上げ、ヤマハ・ファクトリーへ繋ぐことでもある。そのためロッシをチームへ受け入れるということになれば、その哲学には完全に背くことになる。しかし同時に多くのメリットがあることも明らかだ。

 また最終的にすべての関係者に利益をもたらすであろう“ロッシの現役続行”という動きの中で、SRTには取れる選択肢が他にはあまり無いだろうとも考えられる。

 ロッシという存在がMotoGPで果たす役割は実にユニークだ。彼が2009年以来タイトルから遠ざかっているという事実も、世界中のサーキットを埋め尽くす“黄色い”ファン達にとっては重要ではないのだ。

 ガレージを出るときにファンの群れをかき分けるのに苦労するライダーはいないし、インタビューのリクエストで忙殺される広報担当も他にはいないはずだ。

 最後にチャンピオンとなった時から10年以上の月日が流れたとしても、バレンティーノ・ロッシという存在はパドックを代表する存在だ。ロッシが引退した場合、彼を魅力の一部として使用しているこの“製品”にどんな影響を及ぼすのか、そうした疑問はこれまでに何度も考えられてきた。

 ロッシ無しでも、コース上で起こるスペクタクルがファンをキープするのに十分だと考える人も多くいる。しかしその一方でロッシがいなくなれば大勢が興味をなくすと考える人もいる。

 そのため、シリーズを運営するドルナ・スポーツが念の為にロッシをキープできるよう、SRTへの移籍を支援することは理に適っていると言える。

Fabio Quartararo, Petronas Yamaha SRT

Fabio Quartararo, Petronas Yamaha SRT

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 ヤマハにとってもロッシの存在は大きい。2013年にドゥカティからヤマハへ戻って以来、ロッシはヤマハ内での地位を固めた。2015年に、タイトルを争うチームメイトのホルヘ・ロレンソとの間で緊張状態となった際、チーム上層部の動きからもロッシがヤマハにとって“最愛の人”となっていたことは明らかだ。

 ロレンソが移籍し、若手ビニャーレスが後任になったことで、ヤマハ内でのロッシの地位は更に強化された。しかし今回、最終的にヤマハ幹部はロッシをファクトリーチームから降ろすことを決断した。

「クアルタラロを失うリスクはあまりにも大きかった。そのため今回はバレンティーノを手放す要素が揃っていた」

 ヤマハ内部の情報筋は、motorsport.comに明かした。

「今まで、当然彼の代役に値する者がいなかったため、彼を手放す意味がなかった」

「これまでにそうした選択を採っていたとしたら、愚かだっただろう。しかしもしファビオを失い、彼が他メーカーで良い仕事をしていたなら、ヤマハはただでは済まなかっただろう」

 しかしヤマハにとってロッシを手放し、ブランドアンバサダーである彼を失うことは、それ以上に許されないことだ。だからこそ彼らはロッシをヤマハブランドと長く結びつけたいと思っている。

 ペトロナス・ヤマハSRTの2021年以降のライダーはまだ決まっていない。フランコ・モルビデリの契約を延長することは“最も安全な選択肢”だと、チームディレクターのヨハン・スティゲフェルトは語っている。

 ただ、ロッシの現役続行発言は代表のラズラン・ラザリや、チームマネージャーのウィルコ・ズィーレンベルグらといった決断を下すメンバーにプレッシャーを与えている。

「我々はまだヴァレや彼の代理人との話し合いは行なっていない」と、スティゲフェルトは言う。

「単にヤマハと話しただけで、当初のアイデアとは異なる選択ではあるが、我々は彼が我々と共にレースをする可能性について、オープンな状態だ。これは多くの人が関係する動きなんだ」

 今わかっていることは、ロッシが現役続行にイエスと答えていること、ヤマハはそれを支持していること、そしてドルナはそれを歓迎していることだ。

 残る問題は“誰がお金を出すのか”ということだ。そしてヤマハはSRTがその資金を出すと考えているようだ。

 ヤマハのジャービスは「それはチームの責任であり、彼らの資金だ」と素早く答えている。

 現在SRTのライダーであるクアルタラロ、そしてモルビデリの報酬は、それぞれ約100万ユーロ(約1億1800万円)程だと見られている。そのためSRTは、ロッシを迎え入れることになれば、年間予算を大幅に引き上げる必要があるかもしれない。

 

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Valentino Rossi, Yamaha Factory Racing

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Photo by: Yamaha Motor Racing

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