F1メカ解説|王者メルセデス”開幕”オーストリアにアップデート投入
メルセデスは、2020年のF1開幕戦となったオーストリアGPに、アップグレード版の空力パーツを複数持ち込んだ。
写真:: LAT Images
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
ようやく開幕を迎える2020年シーズンのF1。メルセデスはその開幕戦の舞台となったレッドブルリンクに、複数のアップデート版のパーツを持ち込んだ。これらのパーツは、おそらく単独ではそれほどの効果はないだろう。しかし、複合的に作用することで、パフォーマンス面で大きな前進に繋がるかもしれない。
これらのパーツは、2月のプレシーズンテストで収集されたデータを基に開発されたモノである。
Mercedes AMG F1 W11 rear wing detail
Photo by: Giorgio Piola
Mercedes AMG F1 W11 rear wing
Photo by: Giorgio Piola
2020年マシンの『W11』には、金曜日から始まるフリー走行に向け、新しいリヤウイングのアッセンブリーを搭載している。これは本来開幕戦の予定だったオーストラリアGPに持ち込まれた2本ステー&独立したDRSポッドのレイアウト(右)ではなく、DRSポッドと一体化した1本ステーのレイアウト(左)のモノである。
ただこれは、どちらが優れているというモノではなく、”良し悪し”という部分もある。1本ステーのモデルは、2本ステーのモノよりも重量が増してしまう。しかしその一方でウイング中央部での空力設計の自由度を高め、ダウンフォース発生量を増やしながらも、空気抵抗を減らすことができる。つまりは大きなウイングを付けることなく、同レベルのダウンフォース発生を実現できるかもしれないということを意味する。
リヤウイングは、エンドプレートにも変更が加えられているようだ。これまで以上に前方に延び、気流をより前方で捉えて、周囲の空気の流れを整えようとしていると見られる。
また下方に付けられた上向のストレーキも削除。これは、ディフューザーの働きにも変更が加えられた結果のようにも見える。
Mercedes W11 comparison
Photo by: Motorsport Images
コクピット側面に取り付けられているミラーのステーにも、変更が加えられた。以前は緩いカーブを描く形状だったが、今回は鋭角に曲げられている。これによりステーの地面と水平の部分の割合を増やし、サイドポンツーン上の気流を整えようとしていると考えられる。
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