ニキータ・マゼピン、アジアン・ル・マン参戦へ。本格レース活動は母国ロシアのウクライナ侵攻でハースF1をクビになって以来
元F1ドライバーのニキータ・マゼピンが、2月に開幕を迎えるアジアン・ル・マンシリーズに参戦することが明らかになった。ハースF1の契約が解除されて以来の本格的なレース活動となる。
ニキータ・マゼピンは、99レーシングから2月11日にドバイで行なわれるアジアン・ル・マン・シリーズ(ALMS)開幕戦への参戦が決定。レクサスのファクトリードライバーであるベン・バーニコートやブロンズドライバーのフェリックス・ポルテイロと共に98号車オレカ『07』を駆り、LMP2クラスを走ることとなった。
マゼピンは、母国ロシアのウクライナ侵攻に伴い、F1 2022年シーズン開幕直前にハースとの契約が解除。FIAはロシア籍ライセンスでFIA管轄のレースへ出場することを禁止し、現在23歳の彼はこれまで母国でのラリーにしか参戦してこなかった。その間、マゼピンは政治的理由により競技参加を拒否されたアスリートを支援する財団も立ち上げている。
マゼピンにとって、ACO管轄のALMSでのレースは2021年のF1最終戦以来の本格サーキットレースとなる。参戦に向けて、マゼピンは次のようにコメントしている。
「ALMSでレースに復帰できることを嬉しく思う。99レーシングのチームメイトと一緒に、大好きなスポーツで素晴らしい体験ができたらいいね」
ALMSのLMP2クラスには、99レーシングやユナイテッド・オートスポーツ、アルガルベ・プロ・レーシングを含め9台のオレカ07がエントリー。LMP2とLMP3、GT各部門を合わせて、計48台がエントリーしている。
99レーシングのスタードライバーであるバーニコートは26歳。バッサー・サリバンからIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にも参戦しており、2022年はマクラーレン『720S GT3』でALMSのクラス優勝を果たしている。
また世界ツーリングカー選手権(WTCC)ウィナーのポルテイロがレース復帰し、99レーシングに合流した。
#98 99 Racing, Oreca 07-Gibson: Ben Barnicoat, Nikita Mazepin, Felix Porteiro
Photo by: Asian Le Mans Series
99レーシングでスポーティングディレクターを務めるダン・ホダーは、次のように語っている。
「ALMSへの参戦が決定し、嬉しく思う。現在息を吹き返しつつあるスポーツカーレースに参入する99レーシングにとって、(ALMSは)素晴らしい選手権だ」
「計48台がエントリーしており、今回も非常に競争が激しいレースになる。ベンは以前、ALMSでランキング2位になっており、新しいチームとしてスピードを上げる重要な要素になるだろう」
「もちろんニキータにとっても、F1で慣れ親しんだところから、プロフェッショナルかつリラックスした環境で新しいことに挑戦するチャンスになる。最初から競争力を高めようとする彼の意欲は既に感じている」
「またフェリックスに関しても、彼がレースに戻ってくることも感動的な話だ。我々は彼にその機会を与えることができて嬉しく思っている」
ここ数年と同様にALMSはUAEでの開催。ドバイ・オートドロームで2月11日と2月12日、ヤス・マリーナ・サーキットで2月18、2月19日にそれぞれ1レースずつ行なわれる。
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