ポルシェ、新型の911 GT3 RSを発表。レースで培った冷却システム搭載、F1でお馴染みのDRSも装備

ポルシェは8月17日、新型『911 GT3 RS』を欧州で発表した。各所にモータースポーツで培ったノウハウを採り入れた、ハイパフォーマンスモデルだ。

Porsche 911 GT3 RS

 ポルシェは8月17日、新型『911 GT3 RS』をワールドプレミアした。タイプ992をベースとしたこのハイパフォーマンスカーは、冷却システムとエアロダイナミクスシステムを大幅なアップグレードしている。

 このマシンは、FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦しているGTE車両の『911 RSR』やGT3車両に触発されて開発されたという。モータースポーツで培った技術やコンセプトを活用した、公道走行が可能なハイパフォーマンススポーツカーとなっている。

 最も大きな変化は、従来はフロントとサイドに3基搭載されていたラジエーターをフロントフード下に集約したセントラルラジエター・コンセプト。これによりラゲッジスペースはなくなったが、フロントボディ下にアクティブエアロダイナミクスを搭載するスペースを確保することができている。これらは、RSRやGT3といったレーシングカーの知見が存分に活かされているエリアだ。

 またルーフよりも高い位置に取り付けられたリヤウイングは、ポルシェの市販モデルとしては初めてDRS(空気抵抗低減システム)を備えている。F1でもお馴染みのこのシステムは車内からウイングの角度を調整することができ、ストレートでのドラッグを低減するだけでなく、ブレーキングをサポートするなど自由自在だ。

【ギャラリー】モータースポーツ由来の技術満載! ポルシェの新型911 GT3 RS

 これらの空力デバイスを組み合わせることで、時速200kmでの走行時に409kgものダウンフォースを発生。タイプ991ベースの先代911 GT3 RSと比較して2倍、現行の911 GT3と比較して3倍ものダウンフォースを生んでいることになる。さらに時速285kmではダウンフォースは860kgにも達するという。

 搭載されるエンジンは、自然吸気4.0リッターの水平対向6気筒。プロファイルが変更された新しいカムシャフトとモータースポーツ由来のシングルスロットル吸気システムによって、386kW(525PS)へと出力アップを果たしている。トランスミッションは7速DCTのPDKギヤボックスだ。

 軽量化にも手抜きはない。ドアやフロントウィング、ルーフ、フロントリッド、標準装備のフルバケットシートはCFRP製(カーボンファイバー強化プラスチック)となり、車重が1482kgに抑えられている。鍛造軽合金製センターロックホイールを標準装備しているなど、様々なポイントがレーシングカーとロードカーの中間に位置する911の頂点に位置するモデルであることを物語っている。

 ポルシェによると、GT3 RSは発進から時速100kmに3.2秒で到達。最高速度は時速296kmだという。

 さらに、サーキット走行に必要なスチール製のロールオーバーバーやドライバー用6点式シートベルトが含まれる「クラブスポーツパッケージ」が追加料金なしで利用可能となっている。他にも、いくつかの外装パーツがカーボンファイバー製となり、前後アンチロールバーなどがCFRP製となるなどの特典があるヴァイザッハ・パッケージも用意されている。

 ドイツでの販売価格は22万9517ユーロ。8月18日のレートで約3153万円ととても簡単に手が出る価格ではないが、サーキットを走る上でベストなマシンのひとつと言えるかもしれない。

 
Read Also:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 アニメ『カーズ』の世界が現実に! 人気キャラクターのサリーを模した世界に1台だけのポルシェ911が完成
次の記事 アストンマーチン、オープンコックピットコンセプト『DBR22』を発表。かつてル・マンを制した名車へのトリビュート

Top Comments

最新ニュース

鈴木竜生、10ポジションアップの7位も予選でのミスを悔やむ「レースペースは良いので、あとは予選をどうにかしないと」

鈴木竜生、10ポジションアップの7位も予選でのミスを悔やむ「レースペースは良いので、あとは予選をどうにかしないと」

MOT3 Moto3
Motegi
鈴木竜生、10ポジションアップの7位も予選でのミスを悔やむ「レースペースは良いので、あとは予選をどうにかしないと」
小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」

小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」

MOT2 Moto2
Motegi
小椋藍、母国レースでタイヤ戦略”ギャンブル”成功し2位、チャンピオンに王手。一定の満足も悔いも残す「勝たなきゃいけないレースだった」
Moto3日本人トップの6位も、表彰台逃し悔しさを隠せない山中琉聖「タイヤマネジメントやレースの組み立てが少し悪かった」

Moto3日本人トップの6位も、表彰台逃し悔しさを隠せない山中琉聖「タイヤマネジメントやレースの組み立てが少し悪かった」

MOT3 Moto3
Motegi
Moto3日本人トップの6位も、表彰台逃し悔しさを隠せない山中琉聖「タイヤマネジメントやレースの組み立てが少し悪かった」
バニャイヤ、マルティンとの一騎討ちを制し今季8勝目。中上貴晶、13位でフル参戦最後の母国レース終える|MotoGP日本GP決勝

バニャイヤ、マルティンとの一騎討ちを制し今季8勝目。中上貴晶、13位でフル参戦最後の母国レース終える|MotoGP日本GP決勝

MGP MotoGP
日本GP
バニャイヤ、マルティンとの一騎討ちを制し今季8勝目。中上貴晶、13位でフル参戦最後の母国レース終える|MotoGP日本GP決勝

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本