BMW Team Studie鈴木代表が語る(2)スーパーGT復帰の可能性は?
BMW Team Studieの鈴木康昭代表が来季以降のレース参戦に関して言及。将来的にはスーパーGTに復帰する可能性もあると語った。
写真:: 吉田知弘
今シーズンもブランパンGTワールドチャレンジアジアに参戦しているBMW Team Studie。チームを率いる鈴木康昭代表は来年以降のレース参戦プランに関して言及した。
現在はスーパーGTを離れ、アジアを舞台に活躍の場を広げているBMW Team Studie。M4 GT4でのレース参戦も順調に進んでいるが、このプロジェクトに関して鈴木代表は次のように語った。
「まだ確定ではないですが……このプロジェクト(GT4でのアジア挑戦)は今年限りになるかもしれません。その一番の理由は(M4 GT4のベース車両である)F82型M4の生産が今年いっぱいで終わるからです」
「我々Team StudieとしてはBMW JAPANさんなど色々なところを巻き込んで(BMW車の)PRとかマーケティングにモータースポーツを使いたいと思っています。そういう意味では(ベース車両が)現行で生産している車両でないと魅力が半減してしまうところがあります」
「GT4も現行車でなくなってしまうし、GT3車両に関しては次期車両は2021年になってしまいます。それらを踏まえて、(2020年以降の参戦計画を)どうしようか……と頭を抱えているのが現状としてはあります」
これまではスーパーGT(GT300クラス)を舞台に活躍してきたTeam Studieだが、2018年にブランパンGTのアジアシリーズへ転向することを決断。さらにマシンもM4 GT4にスイッチしての参戦ということで、当時は関係者やファンからも驚きの声が上がった。
その理由として鈴木代表は「ディーラーに売っていないクルマでレースをしたくない」と語っており、ベース車両が現行で生産されているものであることが一番の条件という考えは今も変わっていない。
ただ、2020年に関してはM6 GT3、M4 GT4ともに現行生産車ではない状態となる。これがTeam Studieにとって悩みのタネとなっているのだ。
しかし、この数年間でBMW JAPANやドイツ本国のBMWモータースポーツとの関係性はより強固なものになっており、特にドイツ本国からの期待度も高まっているという。
「彼らとの関係性はすごく強くなっていますし、今は基本的にドイツのBMWモータースポーツ主導になりつつあります。今年は顕著にそれが現れていて、例えば『今年タイでBMWタイランドのイベントがあるからTeam Studieが行ってくれ!』とか『中国で大きなフェスティバルがあるから、そこでTeam Studieの車両をデモランやってくれ!』という依頼を受けるようになりました」
「そういう意味で我々のチームがアジアのハブ(中核)となる仕事をけっこうやっているので、そこも含めてドイツ本国とのリレーションシップは強く太くなっています」
「まだ分かりませんが、おそらくBMWモータースポーツ側も(参戦活動を)1年空けることに対して賛成しないと思うので、M6 GT3でもう1年我慢してくれと言われるのか、M4 GT4でもう1年我慢してくれと言われるのか……(レース参戦を続ける)可能性はありますが、まだそこは何も決まっていないです」
現在、スーパーGTではBMWのマシンが1台も走っていない状況となっているが、これについてBMW側も問題視しているようだ。2021年に同社の新型GT3マシンが登場することも踏まえ、将来的にTeam StudieがスーパーGTの舞台に戻ってくる可能性もゼロではないと鈴木代表は明言した。
「(スーパーGTなど日本主導のシリーズに戻ることについて)それは、ドイツ側からも強く言われていることなんです」
「昨年はARTAさんがBMWで参戦してくれていたから、僕たちは安心してアジアに行けたところがありましたが、それが急きょ今季からホンダ(NSX GT3)になってしまって、(スーパーGTのグリッドに)BMWが1台もいないという現状になりました。もちろん、ARTAさんが悪いというつもりは毛頭ありません」
「BMWモータースポーツとしても、ブランパンGTのアジアシリーズよりはスーパーGTの方がプライオリティを高く考えています。そこでBMWの車両が1台もいないというのはまずいという話になっているのは正直なところです」
「それを含めて来年以降をどうするか……というところです」
「もちろん、Team Studieとしてはレースを続けていきたいですが、2020年だけ頭が痛いなというところですね」
鈴木康昭代表(BMW Team Studie)
Photo by: Tomohiro Yoshita
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