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スーパーGT・GT500とフォーミュラ、そしてカートは同じ! クインタレッリが本気でEXGEL OK CHAMPを戦う理由

4度のスーパーGT500王者であるロニー・クインタレッリは、スーパーGTのGT500クラスを戦う傍ら、2021年からカートレース「EXGEL OK CHAMP」にも参戦している。なぜ彼は若手ドライバーに混じってカートレースを走るのか、その訳を本人に訊いた。

#31 ロニー・クインタレッリ

写真:: EXGEL Motorsport

 国内最高峰のスーパーGT・GT500クラスに日産のエースカー、23号車MOTUL AUTECH Zで参戦するロニー・クインタレッリ。彼は、国内屈指のトップドライバーとなった今も、若手ドライバーがしのぎを削る「EXGEL OK CHAMP」に参戦している。

 チャンプカートシリーズ傘下のOK CHAMPは、車いす用クッションをはじめとする医療・福祉分野からHANSデバイスのパッドといったモータースポーツ分野までの商品を展開するEXGELをタイトルスポンサーに迎え、FIAが定めるカートの最高峰カテゴリーである”OKクラス”で争われる。

  EXGEL OK CHAMPが目指すのは、モータースポーツの本場ヨーロッパと同等のレベルのドライバーを発掘することだ。そのため、使用タイヤを共通の市販タイヤに定めるなど、全ドライバーが同条件になるようルールが定められ、腕が試される。

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 若手ドライバーにとっては、F4をはじめとする”四輪カテゴリー”への最終ステップとしての意味合いが強いOKクラス。そこに43歳のベテランドライバー、クインタレッリが挑戦しているのだ。それも真剣勝負で。

 そこでmotorsport.comは、なぜGT500のトップドライバーがカートを走るのか、その訳を本人に訊いた。

 イタリア出身のクインタレッリは6歳でカートに出会うと、レースへのエントリーが可能となる10歳を迎えた1990年から本格的に競技を開始。1999年にはヨーロッパカート選手権125ccクラスでタイトルを獲得している。

 クインタレッリは2000年から四輪へのステップアップを果たし、2003年から日本へ戦いの場を移した。そして、これまでスーパーGTのGT500でシリーズ史上最多4度のタイトルを獲得している。

ロニー・クインタレッリ(INGING MOTORSPORT)/2003年全日本F3プレシーズンテストにて

ロニー・クインタレッリ(INGING MOTORSPORT)/2003年全日本F3プレシーズンテストにて

Photo by: Ronnie Quintarelli

 カートに乗っている時は全てを忘れてドライブを楽しめると語るクインタレッリ。ただ、彼がカートレースへ参戦する理由はそれだけではないという。

「カートとGT500、フォーミュラは一緒だと考えています」とクインタレッリは語る。

「久しぶりにOKクラスのカートに乗ると、最初は目が付いていかないくらい速く感じます。コースによっては120~130km/h出ますし、車高が低いので体感速度は2.5倍くらいになるとよく言われます。つまり、四輪の300km/hと同じくらい……GT500やフォーミュラと同じく、カートが本物のレーシングマシンだということを身体が感じます」

「ただカートが楽しいというだけではなく、GT500でプラスになるからやっているんです。GT500でパフォーマンスを引き出すために何をやればいいかを考え、フィジカルやメンタルを鍛えるうえでも効果的だと考えて、EXGEL OK CHAMPに出ています

「この年齢になってくるとトレーニングや身体のケアが必要になります。トレーニングやカート、食事だけでなく、全てにおいて気をつけている必要があります」

「そういう人生は辛い時もあります。でも、5度目のチャンピオンを獲るという目標があるから、僕は努力できるんです」

 実はクインタレッリは、このシリーズへの出場を決める前からEXGELのユーザーだったとのこと。それが参戦のキッカケになった。

「EXGELのカート用胸部プロテクターやパッドなどを昔から使っていました。商品自体もハイクオリティという印象を持っていました」

 クインタレッリはそう語る。

「プロテクターはすごく大事です。子どもは肋骨がまだ柔らかいので(Gでシートへ押し付けられた時の圧迫感に)それほど敏感ではありませんが、年を重ねれば重ねるほど敏感になります。そのため、プロテクターとシートのマッチングが重要になります」

「開発協力を含め、EXGELの小川要社長にも要望を伝えて、自分にピッタリのプロテクターを作って頂きました。その後、2020年にEXGEL OK CHAMPというシリーズが発足し、小川社長から『是非ロニーにも出てほしい』とオファーがありました」

「色々なスケジュールの絡みもあり、3大会あった2021年シーズンは第2戦のみの参戦となりました。ただ、イベント自体の雰囲気もすごく良くて、2022年シーズンにはフル参戦しました」

#31 ロニー・クインタレッリ

#31 ロニー・クインタレッリ

Photo by: EXGEL Motorsport

 スケジュールの都合もあり、今季はスポット参戦となるクインタレッリ。ただ、この2年でマシン軽量化やタイヤへの理解をチームと共に重ね、表彰台を目指す準備が整いつつあるとクインタレッリは言う。

「今の年齢で、ハンディキャップとなるのは重心です。子どもたちは身体が小さく、重心が低いのでかなり有利です。 EXGEL OK CHAMPは市販タイヤを使用するため、比較的グリップが低くなっています。しかし、子どもたちはマシンが滑ったとしても重心が低いため、なんとか(コーナーからの脱出で)立ち上がっていきますが、僕たちはすごく苦労します」

OKクラスのレベルになると、 そうしたカートの動きがタイムに影響します。タイムトライアルでは、トップから10番手あたりまでが0.2秒差と、かなりの僅差で並んでいるんです」

「ただ、去年は第2戦のレース27位を獲得できました。ひとり加藤大翔という別次元に速いドライバーがいましたが、ラップタイムも決勝レースも、全日本(カート選手権)にも出ている速いドライバーたちと互角に戦えました」

「去年のシーズンを終えたところで、ようやく一番良いセッティングが見つかりました。なので次のレースでは、僕の身長でも表彰台に乗れるレベルにはなれたと思います」

「適当に参加するのではなくて、GTやカートを含めて、僕はどんなレースでもベストな体制で挑みたいんです」

 国内屈指のドライバーではあるものの、カートを戦うクインタレッリの表情は真剣そのもの。カートを降りた後も、ひとりのドライバーとして若いドライバーと対等な目線で情報交換を行ない、そして若いドライバーはクインタレッリの背中を見て、レースへ挑む姿勢やメンタリティを学んでいた。

 そんなクインタレッリの姿を見ようと、 昨年の最終ラウンドでは、舞台となる鈴鹿サーキット南コースに多くのGTファンが訪れていた。

GTファンの方がMOTULのTシャツを着て、 OK CHAMPを観に来ていました。それに、彼らがカートレースを観て『すごい!』って言ってくれるのは嬉しかったですね」

「僕らがカートをいじっているところを近くで見られるので、『本当にGTで走っているのと同じ人?』ってビックリすると思います!」

 クインタレッリだけでなく、GT500やGT300ドライバーのスポット参戦も珍しくないEXGEL OK CHAMP2023年シーズンの次戦は、7月16日(日)に鈴鹿サーキット南コースで行なわれる第2ラウンドだ。

 参戦ドライバーなどはソーシャルメディアやサイトを通じて随時公開。今年はシリーズに密着したドキュメンタリー番組がYouTubeにアップされていく。ただしレースの魅力を一番に味わえるのはなんと言っても現地観戦……カートを生で見たことがない人も、クインタレッリが愛してやまないカートの魅力に釘付けになるはずだ。

■外部サイトリンク

EXGEL Motorsport:https://motorsport.exgel.jp/

EXGEL OK CHAMP:https://krp-ms.com/racingkart/

 
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