【ダカール】「中止は苦しい決断。だが人道支援は重要だ」と主催者
ダカールラリーのディレクターは9日目の長距離ステージを中止した決断を弁護し、ラリーを計画通り継続するために努力していると語った。










2017年ダカールラリーの9日目は、サルタからチレシトまでの977km(そのうちタイム計測区間は406km)のステージが予定されていた。
ところが8日目、悪天候の影響で発生した地滑りによってサルタのビバークまでの道が封鎖されてしまい、多くの参加者とサポート車両がビバークに到着することができないという事態が発生。サルタをスタートする翌日の走行に支障が生じたこともあって、9日目の走行が中止となった。
今回のダカールラリーは第6ステージ(オルロ-ラパス)も集中豪雨により中止となっており、他にも3つのステージで距離が短縮されるなど悪天候に翻弄されてしまっている。
主催者の声明によれば、嵐の影響で発生した土石流により被災した近くのボルカン村に対して支援を行ったという。
ダカールラリーのディレクターであるエチエンヌ・ラビニュは、今年の勝者を決める上でも非常に重要な1日になるとみられていた、日程上屈指の長距離ステージの中止という決断は悔やまれるが、ラリーの走行をスケジュール通りに行うことよりも人道支援の方が重要だと語った。さらに彼は計画通りに走行を行うために、取り得る手段をすべて用いると約束した。
「私たちにとって本当に悲しい決断だった。だがその村の状況を考えれば、スポーツが最も重要だとは思わない」とラビニュは語った。
「我々は9年前に(パリ-ダカールから)アルゼンチンに開催地を移した。ここの状況は認識していたが、今年は非常に天候が悪かった」
「自然を前に、我々にできることは多くない。我々は他のすべてのステージを良いコンディションで行うことができている。今は、この大災害(に対応すること)が最も重要だ」
「良い組織というのは状況にうまく適応することができ、決断が麻痺していない組織だ。ダカール2017を続けるためにできることは、すべてやっていく」
短縮された8日目のステージで、プジョーのセバスチャン・ローブがチームメイトのステファン・ペテランセルを上回り、オート(四輪)部門の総合トップに立った。バイク部門ではKTMのサム・サンダーランドがトップを維持。トラック部門ではトップに立っていたジェラルド・デ・ルーイ(イベコ)を逆転したドミトリー・ソトニコヴィ(カマズ)が、約2分のリードでトップとなっている。
1月14日にブエノスアイレスでゴールを迎えるダカールラリー2017は、あと残り3ステージだ。
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この記事について
シリーズ | Dakar |
イベント | Dakar 2017 |
執筆者 | Jamie Klein |