トヨタ、ダカールラリーを戦う新型ハイラックスを公開。規則変更に対応しアップデート
TOYOTA GAZOO Racingは、2022年のダカールラリーを戦う新型ハイラックスの画像を初公開。これまでのT1カテゴリーを拡張したT1+カテゴリーに適合した、アップデートがなされている。
Toyota Hilux T1+
TOYOTA GAZOO Racing
TOYOTA GAZOO Racingは、2022年1月2日にサウジアラビアを舞台に開催されるダカールラリーで、アウディやプロドライブの新型車と戦うハイラックス改良モデルの画像を初公開した。
ラリーレイドカーの主要カテゴリーに適用される新しいレギュレーションにより、既存チームはこれまでのT1カテゴリーを拡張する形で設定されたT1+カテゴリーに適合する、新型車両の開発を進めている。
ダカールラリーに初挑戦するアウディは、革新的なハイブリッド車両『RS Q e-tron』を開発し、先日モロッコで2週間のテストを終えた。また、プロドライブもウェブ上で新型車両を発表。その後、ウェールズでシェイクダウンを済ませている。
今回、トヨタはカーボンファイバーボディのままのプロトタイプ車両の画像を公開した。先週ナミビアの砂漠で行なわれた初の本格的なテストで撮影された画像のようだ。
トヨタは2019年のダカールラリーでナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組が総合優勝を達成。2012年以降、毎年トップ10フィニッシュを飾ってきたハイラックスの新バージョンを、数ヵ月前から開発してきた。
新型のハイラックスは新レギュレーションに対応し、タイヤが32インチから37インチへと大径化。トレッドも245mmから320mmへと拡げられた。さらにサスペンションストロークも280mmから350mmへ伸ばされるなど、シャシー周りは大きく変更されている。
この変更は、トヨタにとって競争力の大幅な向上につながるだろう。岩場の多いサウジアラビアでのラリーに合わせたセットアップを行なったにも関わらず、トヨタ勢は2021年のダカールラリーで、合わせて50回以上ものパンクに見舞われている。タイヤが大きくなってエアボリュームが増え、サスペンションのストロークが伸びたことで、パンクはかなり減ると期待できるからだ。
左:2021年参戦車両 右:2022年参戦予定車両(プロトタイプ)
Photo by: TOYOTA GAZOO Racing
新型ハイラックスの空力デザインは画像を見ても分かるように、大きく変わっている。しかし、シャシーが完全に再設計されたわけではなく、新しいレギュレーションに合わせて全幅が2mから2.3mに拡幅されているのだ。ただサスペンションやタイヤの変更に合わせ、シャシーも”いくらか”アップデートされているという。
また、エンジンは現行の5リッターの自然吸気V8エンジンから、3.5リッターのV6ツインターボエンジンに変更されている。これは、発売されて間もない新型ランドクルーザー300 GR-Sに搭載されたエンジンをベースとしており、約415馬力からチューニングによってさらに高出力化されているようだ。
ダカール仕様のエンジンの最新版は、南アフリカで開催される南アフリカ・クロスカントリー選手権でジニエル・ド・ヴィリエール、ヘンク・ラテガンがテストするようだ。
一方でmotorsport.comの調べによると、トヨタは2022年のダカールラリーでデビューするまで、新型ハイラックスを他のラリーレイド・イベントでテストする予定はなく、今後数ヵ月に渡って南アフリカで準備テストを続けていくようだ。
TOYOTA GAZOO Racingは、2022年もアル-アティヤ/ボーメル組、ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組、シャミア・ヴァリアワ/ダニー・スタッセン組の4台体制でダカールラリー総合優勝を目指す。
ダカールラリーは2022年もサウジアラビアを舞台とし、砂漠地帯を時計回りに回るルートで開催される。ルートの詳細はまだ発表されていないが、1月2日にサウジアラビア北部の都市ハイールをスタートし南下。1月8日にはサウジアラビアの首都リヤドでの休養日が設けられている。その後は南西へとルートを取り、1月14日にジェッダでフィニッシュとなる。
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