
2019鈴鹿10時間耐久レース。初の総合優勝を果たした#25 Audi Sport Team WRTの3人のドライバーがレースを振り返った。
鈴鹿サーキットで行われたBHオークション鈴鹿10時間耐久レース2019でライバルを圧倒する速さで総合優勝を飾った#25 Audi Sport Team WRT。第1ドライバーを務めたドリス・バンスールは全員がミスなくスムーズに走れたことが勝利につながったと語った。
予選から常に上位に食い込む速さを見せたアウディ勢。その中でもエースチームである25号車は、レース開始2時間のところでトップに立つと、それ以降はライバルを近づけさせない安定した走りを披露した。
開始から6時間を迎えるところで#27 HubAuto Corsaがクラッシュし、セーフティカーが導入されたが、ここでも25号車に運が傾いた。この時点でトップを走っていた25号車と2番手集団の間に周回遅れのマシンが数台入ったことでアドバンテージがある状態で再スタートを切ることに成功。そこから後続とのギャップを徐々に広げていき、最終的には2位に入った昨年覇者の#999 Mercedes-AMG Team GruppeM Racingに対し40秒もの差をつけ、アウディ勢として初めて鈴鹿10Hを制した。
優勝を果たした25号車の第1ドライバーを務めたバンスールは、アウディ勢の鈴鹿10H初制覇に携わることができ、感慨深い表情を見せた。
「優勝できて本当に嬉しい。僕たちにとっては特別な1勝となった。チームとしてもアウディとしても、この鈴鹿10Hという舞台で初めて勝つことができた。レース内容も非常に良かった。タフな戦いではあったけど、ミスなくスムーズに走ることができた」
一方、第2ドライバーを務め、土曜日の公式予選では最速タイムをマークしたケルビン・ファン・デル・リンデは、3人のドライバーの平均ペースが良かったことが、勝利につながったと語った。
「こうして鈴鹿10Hという最高の舞台で優勝することができ本当に嬉しい。予選ではポールポジションを逃してしまったけど、決勝では何としても逆転するためにプッシュした」
「今回はふたりのチームメイトを含め、全員が良い仕事をした。特に3人のドライバーの誰が乗っていても、ずっと良いペースで走ることができた。これが勝因だったと思う」
そして第3ドライバーのフレデリック・バービッシュは、マシンとチームが完璧な仕事をしていた分、ドライバーたちがベストを尽くして勝たなければいけないと、プレッシャーと戦いながらのレースしていたことを明かした。
「嬉しいという気持ちでいっぱいだ。今回はクルマも、チームもみんな完璧という状態のなかで、そこで僕たちがベストを尽くさなければ優勝できないというプレッシャーがあって、とてもチャレンジングなレースだった」
「それをしっかり乗り越えて表彰台の一番高いところに登ることができて、非常に嬉しく思っているし、チームやアウディをはじめ、みんなに感謝している」
今年はアウディRSモデルが誕生して25周年を迎え、それを記念してTeam WRTのマシンはカーナンバー25を選択。アニバーサリー仕様のデザインが採用された。
その中で、レース後半には#125 Audi Sport Team Absolute Racingとワンツー体制を形成。125号車は最後のピットストップで給油トラブルが発生し、7位でのフィニッシュとなったが、最終ラップまでアグレッシブな走りをみせた。
またスーパーGTに参戦している#21 Audi Team Hitotsuyamaも、普段履き慣れていないピレリタイヤに苦戦しつつも、最後までミスなく走りきり17位。今回出走したアウディR8 LMSは3台全てがチェッカーを受け、アニバーサリーイヤーにふさわしいレースを披露した。
この記事について
シリーズ | Endurance |
イベント | Suzuka 10H |
サブイベント | 決勝 |
執筆者 | 吉田知弘 |