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復活の鈴鹿1000km、スーパーGT勢の参戦は減少傾向……その理由は|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動する英国人ニュースエディター、ジェイミー・クラインによるモータースポーツコラム。今回のテーマは、2025年の鈴鹿1000kmにスーパーGT・GT300からのエントリーが少ないことについて。

Jamie Klein

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公開日時: 2025/09/11 8:40

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#45 PONOS FERRARI 296

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写真:: Masahide Kamio

 いよいよ今週末、IGTC(インターコンチネンタルGTチャレンジ)の鈴鹿1000kmが開催されます。2019年の鈴鹿10H以来となる伝統の耐久レースには、計33台のFIA GT3車両が集結します。2019年の36台と比べると若干エントリーが少なくなっていますが、6年ぶりの開催であることや、主催のSROが当初25台を目標に掲げていたことなどを考慮すれば、十分成功と言えるでしょう。

 グリッドを見渡すと、大半のチームがGTワールドチャレンジ・アジアの常連チーム。したがって必然的に、これまでのIGTC鈴鹿戦と比較すると中国籍や香港籍のチームが大幅に増えています。その数それぞれ6台ずつの計12台で、これは日本チームのエントリー数(10台)をも上回ります。その他はマレーシア、ベルギー、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、アメリカのチームで構成されています。

 こういった変化は驚くべきことではありません。GTワールドチャレンジ・アジアはCOVID-19(新型コロナ)のパンデミック以降、急速に人気を高めているからです。実際、中華系チームを中心にエントリーが増加していった結果、シリーズは日本のチーム専用の“ジャパンカップ”を新設するに至りました。

 日本からの10台のエントリーの内、8台がGTワールドチャレンジ・アジア/ジャパンカップからのエントリーです。両シリーズが鈴鹿1000kmの2週間前に岡山戦を実施したのも、そういった点を念頭に置いての調整だと思われます。

 その一方で、スーパーGT勢の少なさが目立ちます。SROがスーパーGTプロモーターのGTAと合意し、GT300クラス参戦車両での参戦を許可しているにもかかわらずです。

 K-tunes Racing、PONOS RACING、LM Corsa、TOMEI SPORTSといったGT300でお馴染みの顔ぶれもいくつかいるのですが、上記4チームはいずれもジャパンカップの参戦チームでもあります。そしてK-tunesとLM Corsaに関してはGT300参戦時とは異なる車種……ジャパンカップで採用しているフェラーリ296 GT3で走ります。その点で、純粋な“スーパーGTチーム”と言えるのは、谷口信輝、片岡龍也、小林可夢偉のオールプロトリオで臨むグッドスマイルレーシングくらいでしょうか。

 2018年と2019年の2回開催された鈴鹿10Hには、TEAM UPGARAGEやJLOC、D’station Racing、GAINER、GTNET(スーパーGTでTEAM MACHのメンテナンスを担当)など多くのGT300チームがエントリーしていましたが、今年は不在です。seven × seven RacingやTEAM LeMansも参戦を検討していたようですが、結局グリッドに並ぶことはありませんでした。

 これには複数の要因があると思われます。ひとつは、GTAが以前ほど関与をしていないという点です。また10H時代は鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドが総額1億円の賞金を用意して話題となりましたが、今回はそういった特典は存在しません。そしてホンダや日産といった国内メーカーがIGTCから撤退したことも、プラスにはなっていないでしょう。

 もうひとつ重要なのがスケジュールです。2018年と2019年の鈴鹿10Hは、2017年までスーパーGTのシリーズ戦として開催されていた鈴鹿1000km同様、8月下旬に開催されていました。そして前後のスーパーGT戦とは一定の間隔が空いていたのです。

 しかし今年に関しては、鈴鹿1000kmがスーパーGT第6戦SUGOの1週間前の開催となっています。もし鈴鹿1000kmで大きなアクシデントに見舞われた場合、同じ車両をスーパーGTでも使うチームはSUGO戦への出場が危ぶまれることになります。

 そして最後に、SROの選手権で使用されるピレリのワンメイクタイヤは商業面でも競技面でも大きな障壁になり得ます。3月には富士で鈴鹿1000km参戦チームがピレリタイヤをテストする機会はあったのですが、その時期は国内レースがテストで慌ただしい時期。参加を渋るのも頷けます。

 こうした状況を踏まえれば、経験の少ないピレリタイヤで総合優勝に挑むプロクラスのグッドスマイルレーシングやTeam Handwork Challenge(B-Max Racing)のチャレンジは評価すべきでしょう。もっとも、前者は6月末のIGTCスパ24時間にも参戦していましたが。

 プロクラスは海外勢が主体ですが、Craft-Bamboo Racingにはホンダのワークスドライバーである太田格之進がエントリーしていますし、その他のクラスにも笹原右京、小高一斗、ケイ・コッツォリーノといった国内トップカテゴリーで戦う面々がおり、日本のファンにとって応援の対象は豊富と言えます。

 現実として、GTワールドチャレンジ・アジアが今後も勢力を拡大するにつれ、鈴鹿1000kmのエントリーはSRO系のレギュラーチームに依存していく傾向が強まるでしょう。2026年のカレンダーでも、鈴鹿1000kmはスーパーGTのSUGO戦の直前であり、日程の問題は変わらず存在します。

 とはいえ、今回復活を果たす鈴鹿1000kmがSROの期待通りの成功を収めれば、今回出場を見送った日本のチームも次は異なる決断をするかもしれません。

 

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