”インディ175”でノリスとクラッシュしたパジェノーはやりすぎだった?
インディカーのシムレース”インディ175”で、ランド・ノリスとシモン・パジェノーが接触する事故が起きた。これは、パジェノーが”仕返し”した事例だったのか?
写真:: McLaren
新型コロナウイルスのパンデミックにより、様々なモータースポーツが中断されている今、その隙間を埋めるために多くのeスポーツレースが開催され、現役ドライバーが実際のレースさながらの熱いバトルを繰り広げている。しかし土曜日(5月2日)に開催されたインディカー iRacingチャレンジのインディ175では、ソーシャルメディアを介してファンの間で幅広く議論が巻き起こるような事態が起きた。
インディ175は、大混乱のレースとなった。レースを通じてクラッシュが相次ぎ、結果的に勝利を収めたのは、5番手で最終ラップに入ったスコット・マクログリン(チーム・ペンスキー)だった。
前回のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ戦に電撃的に参戦した現役F1ドライバーのランド・ノリスは、今回も引き続きエントリー。実際のレースでは未経験のオーバルコースながら、印象的な走りを披露した。
Josef Newgarden, Team Penske and Takuma Sato, Rahal Letterman Lanigan Racing
Photo by: Chris Graythen - Getty Images
Race winner Scott McLaughlin, Team Penske
Photo by: IndyCar
しかし残り8周、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がクラッシュしたことにより、事件が起きた。フレッシュタイヤに交換したばかりのノリスは、ターン2で大胆な動きを見せ、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)をインからオーバーテイク。コントロールを失ったレイホールはパジェノーと接触し、パジェノーのマシンは大破してしまう。パジェノーはそのままマシン修復のためにピットに戻ることになった。
パジェノーはこのクラッシュについて、激怒。自身のチャンネルで意見を語った。
「ランドをやっつけにいく」
彼はマシンの修復が終わってピットを離れる時、そう語った。彼はすでに数周遅れになっていた。
「やってやろうじゃないか!」
そしてパジェノーは、自身のスポッターに、ノリスがどこにいるのかを確認した。
ノリスは先頭に躍り出て、2連勝に向けてひた走っていた。しかし残り3周、周回遅れのマシンに追いついてしまう。マシンの修復を終えてコースに戻り、ゆっくりとしたスピードで走っていたパジェノーだった。
ノリスはそのパジェノーに追突するような形となり、大クラッシュ。ノリスは勝利を逃すことになった。
後にノリスは、自身のチャンネルでパジェノーの配信を見直した。これには、同じくF1ドライバーであるマックス・フェルスタッペンも加わっていた。
ノリスは、どうなると思っていたのかと尋ねられると、次のように語った。
「なんだよこれ? とっても愚かだと思う」
「その時僕は、パジェノーが僕にぶつけてくると思っていた。2秒後、僕はスピンしていたんだ」
フェルスタッペンもノリスの意見に同調した。
「わぁ! 僕がこれまでみてきたことの中でも、最も馬鹿げてるよ」
そう語ったフェルスタッペンは、パドックをボクシングリングにでもした方がいいのではないかとも付け加えた。
アクシデントが発生したことについてパジェノーは、最初「僕はスピンしていた」と主張、その後「僕は彼とクラッシュするつもりはなかった。ただピットに入りたかったんだ」と語った。
この発言に、ノリスは大笑いして反論した。
「彼は嘘つきだ! 節操がないよ。なんて敗者だ」
パジェノーは後に謝罪したが、ノリスはしばらくの間、パジェノーの発言に拘っていた。
「彼はピットに入りたかったと言った。そして彼は、僕を減速させたいと思ったんだ。彼は(オリバー)アスキュー(アロー・マクラーレンSP)に勝たせたいと思ったんだ。彼は、僕が勝つことを望んでいなかった。だから彼は僕を少し減速させ、それからピットに入るつもりだったんだろう。僕をクラッシュさせるつもりはなかった」
「完璧な、最も繊細なタッチで、正しくドライビングするために、何時間かけたか知っているかい? 24時間だ。それから、インディカー以外のドライバーが、インディカーのレースで優勝しそうになった……でも、それを台無しにしたんだ」
Ryan Hunter-Reay, Andretti Autosport, crash
Photo by: Chris Graythen - Getty Images
Josef Newgarden, Team Penske and Alex Palou, Dale Coyne Racing, spin in Turn 3
Photo by: Chris Graythen - Getty Images
シムレースは、配信のことを考えてドライバーたちは少し”スパイシー”な要素を付け加えるべきなのか? それとも、実際のレースと同じように真剣に受け止めるべきなのだろうか? パジェノーは、今回のクラッシュの罰則として、今後シムレースへの出場を禁止されるべきなのか? そして実際のレースが始まった時、iRacingで生じた確執が、さらなる問題に繋がることがあるのだろうか?
今回証明されたことのひとつ、それは、パジェノーのような性格の良い男でさえ、それがどんなプラットフォームであっても、いざレースともなれば、計り知れないほどの自我を持っているということだ。
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