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いかにプロのレーシングドライバーと言えど、シムレーサーには敵わない?

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くのモータースポーツが中止。その間に様々なeスポーツレースが開催されている。しかし、トップクラスのプロドライバーですら、シムレーサー相手に苦戦することが多い。その理由は何なのか?

Lando Norris drives a lap of the Interlagos circuit on his home simulator

写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images

 新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中でモータースポーツのほとんどが開催中断という事態になっている。そんな中、eスポーツやシミュレーションレースに参加するレーシングドライバーが増えている。

 リアルの世界のレースが中断されている今、様々なeスポーツ/シミュレーションレースが立ち上がり、連日激しい戦いが繰り広げられている。そしてこのことにより、本来のシリーズの垣根を越え、様々なドライバーが戦う場が生み出されている。

 そんな中、現役のレーシングドライバーが、eスポーツのトッププレイヤーたちと戦う場面も度々あるが、現実世界とバーチャルの差がどれだけ大きいのか、それを感じさせる結果が出ることも多くなっている。

 バーレーンGPが予定されていた週末に開催された『Not the バーレーン GP』には、6人のプロドライバーが参戦した。現役F1ドライバーのランド・ノリス(マクラーレン)とニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、そして昨年までルノーF1を駆ったニコ・ヒュルケンベルグ、さらにはメルセデスF1のテストドライバーを務めるストフェル・バンドーンとエステバン・グティエレスである。

 しかし、実際のF1マシンをドライブするという経験をもってしても、ビデオゲームでその才能を発揮するのは、かなり難しいことが分かってきた。

 これらプロドライバーの中で最上位となったのはラティフィで、総合5位。しかしこれは、レースに勝ったプロのシムドライバーであるダニエル・ベレズネイから25秒以上の遅れ。ベレズネイは、F1のeスポーツ・シリーズに、アルファロメオから参戦している人物である。表彰台もシムレーサーたちで占められた。

 この他バンドーンが7位、ノリスがグティエレスを抑えて10位となった。ヒュルケンベルグは17位だった。

F1 2019 screenshot

F1 2019 screenshot

Photo by: Veloce Racing

 リバースグリッドとなったレース2でもその状況は変わらず。セム・ボルドクバシが勝利。ノリスがプロドライバー最上位である7位となった。

 直近のNot the GPは、1対1の対決方式で行なわれた。このイベントではノリスが勝利を収めたものの、ユーチューバーのベンジャミン”Tiametmarduk”デイリーがファイナルまで駒を進めた。しかも彼は、トーナメントの途中でラティフィやスポーツカーレーサーのアーチー・ハミルトン、そしてF3ドライバーのデビッド・シューマッハーをノックアウト。昨年のWシリーズ王者であるジェイミー・チャドウィックも、ユーチューバーのウィル”WillNE”レイニーに敗れることになった。

 プロのドライバーたちが苦戦した理由のひとつ、それは、対戦に使われたゲーム『F1 2019』ということができるかもしれない。F1公式ゲームの『F1 2019』は実に精巧に作られている。しかし正確さが求められるシミュレーションではなく、アーケードゲームのような味付けがなされ、広く販売されている。つまり、実際にはありえない方法で、ラップタイムを削ることができる可能性があるのだ。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンも、シミュレーションレースに参加することが多いプロドライバーのひとりであるが、上記のような理由もあり、『F1 2019』を使ったイベントには参加していない。

 ノリスは次のように語っている。

「『F1 2019』にはなにより、他の人よりも多く知っておく必要がある、小さなことがたくさんあるんだ」

「新たに参加した人たちにとって、こういうことは簡単に1周あたり0.1秒や0.2秒になってしまう。これは通常ならラップタイムを決定付ける、大きな差になってしまう」

 その証拠に、シミュレーションのプラットフォームとして広く知られているiRacingで行なわれるレースでは、様相が大きく異なる。『Not the バーレーン GP』の1週間後、iRacingで行なわれたVeloce Proシリーズでは、ノリスがポールポジションを獲得し、そのまま優勝を果たした。インディカー経験者のエド・ジョーンズや、今季スーパーフォーミュラとスーパーGTのGT500クラスを戦う予定のサッシャ・フェネストラズも、上位を走った。

 

Veloce eEsports Pro Series Race screenshot

Veloce eEsports Pro Series Race screenshot

Photo by: Veloce Racing

 シムレーサーと現実世界のドライバーの差となっているのは、単にゲームに費やした時間ということになるだろう。レーシングドライバーは、サーキットを走れば走るほど、マシンとコースに対する理解を進めていく。それと同じように、多くの時間をゲームやシムレースに費やせば、コースを速く走るためのスキルを積み上げていくことになる。

「ゲームをやる時間がライバルよりも何時間も少なければ、トリックやヒントを知ることができない。そうすると、先頭を争うことなどできないんだ」

 シムレーサーであるボールドウィンはそう語る。

「僕は、プロのレーサーたちはiRacingでは速いと思っている。とてもリアルで、現実に近いんだ」

 ノリスは実際のF1マシンを走らせる傍ら、かなりの時間をゲームに費やしている。

「iRacingに費やした時間を見てみたいね! それを誇りに思うべきか、それとも恥ずべきなのかはわからないけどね」

 ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、シムレースに最近参加を始めたプロドライバーのひとりだ。彼はF1公式eスポーツの他、チャリティレースへの参加も始めている。彼はシムレーサーがこれほどまでに速いとは思っていなかったと認める。

「びっくりした! ここでも努力をし始めなきゃいけない……というようなことを感じたよ」

 ラッセルはBBCのインタビューでそう語った。

「正直に言って、レベルはとても高い。この前のレースでは、6人のF1ドライバーがいた。今後はもっと多くのドライバーが参加するようだ。でも、それで外からのプレッシャーが高まることはない。それは明らかに、僕らがいつもやっていることだからね」

 F1ドライバーたちは、シムレースのトッププロが参加することにより、プレッシャーが高まるとは言わないかもしれない。しかし少なくとも、練習を積み重ねるための時間はある。実際のサーキットを走るのと同じくらい、ラップタイムを改善するのに必要なことを理解できるはずだ。

 ウイリアムズでラッセルのチームメイトを務めるラティフィは、次のように語っている。

「(シムレーサーに打ち勝つのは)間違いなくとても、とても難しいことだ」

「僕はこの休みのひとりで過ごさなきゃいけない時間に、残った全ての時間を(練習に)使うことができたと思う。しかし、まだ彼ら(シムレーサーたち)のレベルには到達できなかった」

「もしそのこと(シムレース)が僕を鋭く保ち、進歩を楽しむことができるなら、それは僕に時間を費やすよ」

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