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インタビュー

スタート前でも「緊張しない」右京の強み:笹原右京インタビュー②

昨年までフォーミュラ・ルノーに参戦した笹原右京。今年は帰国し、SRS-Fに挑んでいる。その笹原のインタビューを2回に分けてお送りする。

笹原右京(スリーボンドwith T-SPORT)

笹原右京(スリーボンドwith T-SPORT)

チームをレベルアップさせる”役割”

 昨年までの欧州から、今年は日本に帰国してSRS-F(鈴鹿サーキット・レーシングスクール-フォーミュラ)に挑んでいる笹原右京。その笹原には、先日ひとつのオファーが舞い込んだ。FIA F3ヨーロッパ選手権に参戦する、T-SPORTのマシンに乗らないかというのだ。

 T-SPORTには今季、別のドライバーが搭乗していた。しかし、事情により参戦を継続することができなくなってしまったという。チームはその代役を探していたが、その中で笹原に白羽の矢が立った。

「これまでインド人のドライバーが乗っていたんですけど、その代役として声をかけていただきました」

 そう語る笹原は、7月28〜30日にかけて行われた、スパ・フランコルシャンのレースに参戦することになった。FIA F3ヨーロッパ選手権は、来季F1昇格の噂があるランス・ストロール、昨年の全日本F3チャンピオンであり今季はスーパーGTにも参戦するニック・キャシディなど、錚々たる面々が集う、非常にレベルの高いカテゴリーである。

「パッと行って、簡単に勝てるようなレースではありません」

 笹原もそう認める通り、3レースを走って13位、18位、19位という成績だった。上位の成績は残せなかったが、笹原にはこのレースでひとつの課題が与えられていた。

「今回のレースは、戦闘力を上げるための実戦テストという意味合いもありました。シャシーのセッティングに関するデータもチームには不足してます。そのフィードバックのためのレポートを出すというのも、僕の仕事でした」

「レベルアップすることに対しては、チームの皆さんもモチベーション高くやってくださるし、望んだほどではないかもしれませんが、多少は前進することができたと思います。レースが終わった後も、エンジニアとレポートのやり取りをメールでしています。より前進できると思います」

 なおチームが使うのは、日本の東名エンジンが手がける、スリーボンドエンジンである。

「日本のメーカーさんが、海外のF3に挑戦しているというのは、すごいことだと思います。日本人のパワーが入ったチームですので、ぜひ応援してほしいと思います」

 笹原はこの後、9月30日〜10月2日に行われるイモラ・ラウンドに再び参戦する予定となっている。

常に”平常心”で臨める強み

 笹原は今年20歳になったばかり。そして、長年欧州を主戦場としていたこともあり、実は運転免許は昨年取得したばかりで、このインタビューのために東京を訪れた際に乗っていたクルマにも、まだ若葉マークがついていた。

笹原右京
 

  しかし、免許を取得すること、そして街でクルマを運転する際には、レースで培ってきたものが活きると、笹原は言う。

「全体的に役には立ってると思いますよ」と笹原。

「少なからず、自分の運転には自信を持てていますし、レーシングドライバーとしては、何にでも乗っているというのは重要なことだと思います」

「もちろん、交通ルールから逸脱するようなことはダメですが、舵角は少なくしようとか、ブレーキをこうしようとか、普段からそういう意識で入れるということだけでも、今までとは大きく違います」

 ところで、レースに臨む際のレーシングドライバーの心拍数は170かそれ以上になると言われている。シグナルが灯り、スタートが近づくに連れて心拍数は早くなっていくのだ。これに対処するため、レーシングドライバーは心拍数が上がった時でも平常心でいられるよう、日々トレーニングを積み重ねる。しかし笹原は、「スタート前でもあまり緊張しない」と言う。

「心拍数は多少は上がるんでしょうけど、やるぞ! っていうだけで、それほど上がっていないみたいです。レースをスタートする前のドライバーは、いつ死んでしまうかと思って怖くて、心拍数が上がるらしいです。僕には、未だにそれが分からないんですよね」

 だからスタートにも平常心で臨むことができるのだという。笹原右京というレーシングドライバーの強みの一端を、垣間見た気がする。

”右京”の名に恥じない、頂点を目指す強い意志

 笹原は今季この後、SRS-Fのスカラシップ選考会に挑みつつ、前述したFIA F3ヨーロッパ選手権のイモララウンドに挑む。F3の実戦ももちろん大事だが、スカラシップを獲ることができれば、今後に向けての道も開けてくるだろう。

 この日のインタビューには、笹原の母親も同席してくれた。そしてその時の彼女のひと言が、とても印象的だった。

「こういう名前(右京)をいただいた通り、私も主人も『モータースポーツを好きになってくれたらいいな』という想いで育ててきました。しかし、いつしか逆に私たちが右京に引っ張られているということに気付いたんです。正直、大変なことも多いですから、私たちは何十回と『もういいんじゃない?』と言ってきたんです。でも、本人は全くへこたれないんです。だから、ここまで強い意志を持っているんだから、後悔しないところまで行って欲しい。危険が伴うリスクは承知してますけど、それでも後悔しない道を歩んで欲しいと思っています」

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