










メルセデスのルイス・ハミルトンは、シーズン後半戦に向けて使用できるパワーユニットの数を増やすことを選択したため、その代償として55グリッド降格ペナルティを受ける。結局スパでのレースは、グリッドの最後列からスタートする。
これによってハミルトンは、新たに3つのパワーユニットを手にした。
チーム代表のトト・ウルフは、「今の時点では、ペナルティを受ける必要がある」と話した。
「他のマシンとのギャップを考えると、彼(ハミルトン)がポジションを取り戻すのはかなり難しいだろう」
「後からだったらなんとでも言えるが、もしスパでペナルティを受けなければ、モンツァでペナルティを受けることも選択肢だった」
「しかしこれまでの情報やパラメーターを見ても、ここ早めにでペナルティを受けて、ルイスに新しいパワーユニットを与えることは、正しいことだと私は確信しているよ」
「だけどレース中に気温が上がって暑くなると、ルイスがポジションを上げるのは難しくなる」
「タイヤで苦しんでいる」と認めたウルフ
ここベルギーで、チームはタイヤのライフに関して苦しんでおり、スーパーソフトタイヤを使い続けることができなかったとウルフは認めた。
ハミルトンのチームメイトであるニコ・ロズベルグは、スーパーソフトタイヤを履いてポールポジションを獲得した。しかしロズベルグは、予選2番手のレッドブルのマックス・フェルスタッペンから0.15秒しか先行できず、今シーズンの他のレースよりもギャップが小さいことがうかがえる。
しかしロズベルグは、レースでスーパーソフトタイヤを使うつもりはなく、予選Q2と同じくソフトタイヤを使うという。
ウルフは、「我々は他のチームよりも、タイヤのオーバーヒートやブリスターに苦しんでいる」と説明した。
「結果として、ソフトタイヤとスーパーソフトタイヤの1秒のギャップは、大した差にはならない。だからスーパーソフトタイヤを諦めたんだ」
「ドライバーたちが言うように、ターン1ではリヤタイヤが使い物にならなくなってしまう。ソフトタイヤを履いた時のパフォーマンスは、私たちが考えていた通り普通だが、これ以上のものは引き出せないよ。タイヤがダメになってしまう」
妥協が必要
今週末、メルセデスが様々な問題を抱えているのには、いくつか理由があるという。
「すべてのことが繋がって今の状況にいる。どうしようもならない問題はひとつじゃない」
「タイヤの消耗が激しいんだ。ここは難しいサーキットだから、ダウンフォースを増せば増すほど、タイヤに厳しくなる。タイヤに風が当たるといいのだが」
「例えば、バクー(アゼルバイジャン)のようなコースだったら、我々にかなり有利だった。だけど他は我々にとっては不利で、特にターマック、熱、高速コーナー、スーパーソフトタイヤではよくない。我々が今苦しんでいるのと同じだ」
「レースのスケジュールを考えても、21レースすべてでパーフェクトなマシンなんて見たことがない。いつもどこかで妥協が必要だし、平均してベストなパフォーマンスを発揮しなきゃいけない」
「おそらく、私たちも妥協が必要だよ」
この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | ベルギーGP |
ロケーション | スパ・フランコルシャン |
ドライバー | ルイス ハミルトン , Toto Wolff |
チーム | メルセデス |
執筆者 | Adam Cooper |