バーニー・エクレストンは、トラックリミットの変更について、ルールを変える適切な手順を踏む必要があると語る。
木曜日にジュネーブで行われた会合で、エクレストンが縁石を議題にし、ストラテジーグループはこれについて話し合った結果、トラックリミットを緩和することに賛成した。
フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、特にこれに賛成しており、マシンはよりワイドに走るだろうと考えている。
しかしホッケンハイムでは、レースディレクターのチャーリー・ホワイティングが緩和に向けた動きに反対し、ターン1での厳格なトラックリミットを課している。それでもホワイティングは、リミットを守るように言いつつも、FP3からはドライバーに多少の余裕を持たせている。
アリバベーネやメルセデスのトト・ウルフ、レッドブルのクリスチャン・ホーナーは、金曜日にこの件についてエクレストンに働きかけ、ウルフとホーナーは土曜日に再びエクレストンと面会している。
だがエクレストンは、ストラテジーグループが賛成した内容は、すべてのプロセスを経ていないと認識している。
エクレストンはmotorsport.comに対し、こう答えた。
「会合で決まったことはやってみるが、その後で評価する」
「我々はもっとルールを遵守すべきだとチャーリーは考えている。ルールには、どこを走ることできて、どこを走ってはいけないと書いてあるからだ」
「ストラテジーグループへこの議題を出したのは私だ。周りの人々はこのことを理解していないし、気にしてもいない。そうこうしている間にルールができて、これを守る必要が出てきた」
「しかし会合で話し合われて、多かれ少なかれ満場一致で受け入れられた。ストラテジーグループが本当に投票しなかったんだから、これ以上はどうしようもできない。もし彼らが投票していれば、ルール変更の許可を得るためにF1コミッションに働きかけただろう」
「だから本当にここでは何も変わらない。きちんとルールを守らなければいけない。(ルールを変えたければ)レギュレーションを作り、それに投票する必要がある」
対立はない、とエクレストン
この一連の出来事によって、FIA側と、チームと彼自身の側に一種の対立が生まれたのではないかという意見をエクレストンは否定している。
「本当にないよ。彼らが『この変更はうまくいくのか?』と考えているから、多少フラストレーションがあるだけだ。だがこのことが過ぎ去れば、その時は『この変更は何か別のものになるのか?』と考える」
「最終的に決定を下すのはスチュワードたちだ。もしも偶然、ドライバーが白線を踏んだらどうなるか? ペナルティーを科すかどうかは、スチュワード次第だ」
「スチュワードはこの件に目を向けているはずだ。そして多分、アドバンテージを得ることがなかった場合は、恐ろしいことにはならないだろう。もしアドバンテージを得れば、彼らはタイムを失うことになるのは確かだろう」
「もし誰かが行き場をなくしてコースオフしてしまった場合、他のクルマを避ける必要があった場合、そして事故を避けるような場合は、スチュワードはそれを見ていると思う。そして、それは正しい行動だったと言うだろう」
一方でウルフは、ベルギーGPの前にトラックリミットが変更されるようアプローチするという。
「この投票に正式に管理されていない。ストラテジーグループがF1コミッションに薦めただけだ」とウルフはmotorsport.comに話した。
「決定はチャーリー次第だ。彼がルールを解釈することができる。そのルールの解釈にはかなり余地があると思う」
「ホッケンハイムでは、ルールは明確だ。ワイドに走ることでタイムを縮めることができるコーナーはないので、今のところは問題ない。スパのレースまでにもっと話し合う必要があると考えている」