

ジョーダンなどでテクニカルディレクターを務めたゲイリー・アンダーソンが、ドライバーの最低体重規定について、自身の意見を語った。
最近行われたF1ストラテジー・グループの会議で、F1ドライバーの最低体重を80kgに規定することで、ドライバーの過度な減量を防ぐことが提案された。
2017年に導入された新レギュレーションで、タイヤやシャシーが幅広になったことを考慮し、F1マシンの最低重量はドライバーを含めて728kgとされた(2016年は702kg)。
それでも、各チームは軽量化に苦労し、いくつかのチームは最低重量よりも重いマシンを走らせざるを得なかったとみられている。
2018シーズンはハロが導入されることにより、さらにマシン最低重量が6kg増加するが、軽量化に対する要求はさらに厳しくなるとみられている。そのしわ寄せにより、ドライバーは過度な減量を強いられることになってしまうのだ。
この問題への対処法として、ドライバーの最低体重を80kgとすることが提案されたわけだが、ジョーダンやジャガーでテクニカルディレクターを務めたゲイリー・アンダーソンはこの案を支持しながらも、それだけでは解決に至らないと語った。
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F1ストラテジー・グループは、ドライバーの体重の問題に対して、バラストを用いて体重を80kgに調整するという賢明な解決策を思いついた。
それは、私が何年も主張してきたことだ。なぜなら、マシンが”太りすぎ”だからといって、健康的な体重75kgのドライバーがダイエットをするというのは、正しいことではないからだ。
1980年代や90年代は、ドライバーの体重はマシン全体の重量に含まれていなかった。ただ、コックピット長の最小値が決められていたため、小柄で軽いドライバーが重宝されていたんだ。
それらはすべて変更されたが、より良いものにするためにはさらにやるべきことがある。
もし2019年にドライバーの最低体重が導入された場合、装備や重量などすべての要素が考慮されたルールになることを私は望んでいる。
コックピットの長さについて言えば、ニコ・ヒュルケンベルグ(184cm)のような長身のドライバーにとってはまだまだ狭すぎる。例えば5cmほどの小さな変化でも、背の高いドライバーにとっては大きな違いになるだろう。
もしドライバーの体重を最低80kgとするなら、体重65kgのドライバーを起用する際には15kgのバラストが必要になる。これをシートの下側に取り付けることができるなら、重心が低くなるため、小さくて軽いドライバーには依然としてアドバンテージがあることになる。
だからバラストはシート背面に取り付け、ドライバーの重心を基準にした特定の領域に広げて設置する必要がある。そうすれば体重の軽いドライバーと重いドライバーの差がなくなる。
さらに、シート背面からフロントバルクヘッドまでの最短コックピット長を5cm増加させればいい。普通、より軽いドライバーはより背が低いため、シートの後ろに余裕ができてバラストを搭載する空間が生まれることになる。
この記事について
シリーズ | F1 |
執筆者 | Gary Anderson |