マクラーレンは2018年型新F1マシンにルノーエンジンを組み込むのに、シャシー面で妥協しなかったと語った。
マクラーレンは2018年型新F1マシンにルノーエンジンを組み込むのに、シャシー面で妥協しなかったとレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは語った。
マクラーレンは、ホンダとの3年間の共闘の後、契約を早期に打ち切る形で2018年から新たにルノーとパワーユニット供給契約を交わした。ルノーのパワーユニットを搭載することが決定したのは昨シーズンの後半であるため、チームは新型マシンの設計で大きく遅れを取ることとなった。
マクラーレンのテクニカルディレクターであるティム・ゴスは、これまでとは異なるターボチャージャーやハイブリッドシステムを搭載するために時間を要したと語り、ブーリエがそのためのアプローチの指揮をとったという。
2018年新車発表会の際、ブーリエは次のように述べた。
「非常に短期間ながらも設計やエンジニア、そしてエアロダイナミクス部門は、新しいパワーユニットを取り入れた新車を開発するのに素晴らしい仕事を行なってきてくれた」
「我々は決して楽な道やショートカットと取れるようなやり方や解決策を取り入れなかった。その結果、非常にシンプルで機能的なマシンに仕上がった」
「それでいて十分な資金があり、経験豊富な中団チームであるため、上位チームと争うことも夢物語ではないだろう」
「我々はこれからの挑戦に対し謙虚に構えているが、準備は十分にできていると考えている。我々は有能で堅実なパッケージを用意し、レースで差をつけることができるドライバーをふたり起用している」
ゴスはホンダとルノーのパワーユニットのコンセプトには非常に大きな違いがあったため、パワーユニットの載せ替えは非常に大きな仕事であったと述べた。
「エンジンコンセプトは2通りある。ひとつはメルセデスとホンダが採用しているもので、コンプレッサーを前方に置き、タービンは後方、そしてMGU-HはVバンクの間に取り付けられている。一方のコンセプトはフェラーリとルノーのもので、ターボチャージャーをエンジンの後方に設置し、MGU-HはVバンクの前方に置かれている」
「ルノーが採用するレイアウトのメリットは、エンジンを前方に組み込むことができることだ。しかし、エンジン後部にコンプレッサーが設置してあるため、パッケージに影響を与えないように、アウトレットパイプを前方に組み込まなくてはならなかった」
「我々はシャシーのリヤ側、ギヤボックスのベルハウジング部分、リヤサスペンション、冷却システムを再設計しなくてはならなかった」
「この再設計は2週間かけて徹底的に取り組んだ」
「しかし、そのうちのいくつかはすでに我々が用意していたアイデアを使用した。我々はそういった事態を予期していたのだ。いざという時に短時間でこれほどの仕事をこなし、明確な使命感を持っている人々がいるということは驚くべきことだ」
ゴスはオレンジと青で彩られたMCL33を"進化"していると語ったが、チームはテストを通じ、さらにシーズンを通してマシンを"強化"させていくという。