シンガポールで”望外”の勝利。ハミルトン「セナのことを考えていた」

シンガポールGPで期待していなかった勝利を手にしたハミルトンは、レース中セナの88年モナコGPクラッシュのことを考えていたという。

 今年のシンガポールGPは、非常に荒れた展開となった。ナイトレースとしては初めて雨が降り、スタート直後には4台が絡む多重クラッシュが発生……完走したのはわずか12台であった。そんな中、メルセデスのルイス・ハミルトンは、混乱したスタートをくぐり抜けてトップに浮上すると、そのまま一度も首位を明け渡すことなく、レッドブルのダニエル・リカルドを抑えてトップチェッカーを受けた。タイトル争い最大のライバルであるセバスチャン・ベッテルがクラッシュしリタイアしたこともあり、非常に価値ある1勝となった。

 ハミルトンは、ウエットとドライが混在したコンディションでのレースを得意としている。しかし強さを見せたにも関わらず、今回のレースについては”大きな挑戦”だったとハミルトンは表現する。そして彼は、アイルトン・セナがレースをリードしながら”不必要なクラッシュ”を喫した1988年のモナコGPのことを、常に考えていたという。

「雨の中でここ(シンガポール)をドライブするのは、初めてだった。本当に大変な、大変なチャレンジだったよ」

 そうハミルトンは語った。

「本当に簡単に、それを失ってしまう可能性もあったんだ」

「レース中、ずっとセナのことが頭の中に浮かんでいたんだ。彼がリードしていたのに、ウォールにクラッシュしてしまったモナコGPのことがね。そういうことをしないように、いつもそのことを思い出していたんだ」

「それは彼が僕に語りかけているみたいだった。”集中しろ。我慢しろ”ってね」

 メルセデスは、ドライコンディションで行われた予選ではライバル勢に太刀打ちできず、ハミルトンが5番グリッドに終わった。しかし日曜日にはより涼しくなり、前述の通りウエットコンディションになったため、ハミルトンはレース支配することができた。

「通常なら、雨が降っても少し気になるくらいだ。でも、ここではいつもより神経を使った。なぜなら、僕らはこのサーキットを、ウエットコンディションでドライブしたことがなかったからね」

 そうハミルトンは語る。

「でも僕にとっては良いことだった。そういうコンディションを、他のライバルたちよりも得意とする人たちもいると思うし、そういう時はドライビングで差をつける絶好の機会なんだ。そして、それを実現することができた」

「そういう状況が起きると、運の要素が生まれ、より多くのチャンスが生まれる。運の要素が多いことも分かっているし、勢力図が均等になって多くのチャンスが生まれる。そして、本当のレースになるんだ。それが僕が興奮していたことだ」

「フェラーリとレッドブルは、このサーキットでは全く別世界にいた。僕らにとっては最高のシナリオだとは言い難かった。ドライコンディションでは、希望を持つことはできなかったんだ」

「良いスタートにかけ、そして少しばかり戦略が功を奏することを期待するしかなかった。それでも、ひとつかふたつポジションを上げられるかどうかだった。また他のクルマの信頼性によって、ひとつポジションを上げられることを期待していた。しかし雨が降ったことで、僕はとてもハッピーだったんだ。僕がどれほどハッピーだったか、想像できないと思うよ」

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 シンガポールGP
サーキット シンガポール市街地コース
ドライバー ルイス ハミルトン
チーム メルセデス
記事タイプ 速報ニュース