トロロッソとルノーの”舌戦”。レッドブルが仲裁に動く
相次ぐパワーユニットのトラブルについて”トロロッソに原因”とルノーが示唆したことを発端に始まった舌戦。レッドブルは仲裁に動いている。

トロロッソのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは、今週末のブラジルGPで、パワーユニットのエレメント交換により、グリッド降格ペナルティを科せられることになっている。
しかしトロロッソは、ここ数戦でトラブルが頻発。ブラジルGPの金曜日にも、2台揃って問題に悩まされた。
この状況についてパワーユニットの供給元であるルノーのマネージング・ディレクターであるシリル・アビテブールは金曜日、motorsport.comの取材に対し「このスポーツに偶然は決してない」と指摘。「我々のエンジンのトロロッソのマシンでの使われ方に、少し懸念している」と語った。
このアビテブールの発言について、トロロッソはすぐに反論。頻発するトラブルはトロロッソのマシンに起因するものであるとの疑いを真っ向から否定した。また、フリー走行3回目を前に、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、アビテブールと熱く語り合うシーンも見られた。
その後マルコは、トロロッソとルノーの緊張感を緩和するため、次のような声明を出した。
「過去10年以上、多くの成功を残した。我々は現在のエンジンサプライヤーと、あらゆる感情を抱いてきた」
「いつもの長いシーズンの終わりと同じように、感情が高まっている。しかし、それは価値ある関係性であり、そうであり続けるだろう」
「エンジンサプライヤーによって公正かつ公平に扱われていないという疑問は、これまで一度もなかった。それは今日でもなお真実である」
トスト、声明に謝罪せず
チームの声明について、トロロッソのチーム代表であるフランツ・トストは一切謝罪を行わなかった。
「声明は、昨日のシリルのインタビューへの反発だった。彼はパワーユニットのトラブル原因について、我々のチームを非難した。これは絶対に間違っている」
トストはそうスカイスポーツF1に語った。
「私は何について謝罪するべきなのだろうか? 我々がこれまでに受けてきた損害について? 彼は混乱しているが、私も同じように混乱しているんだ」
「この無意味なことは、誰が始めたのか? それはシリルだ。彼はインタビューで愚かなことを語った」
「我々は『それは素晴らしい。良いインタビューだった』と語り、受け入れなければならないのだろうか? いや、我々にはそれを受け入れることはできない。だからこそ我々は、声明を出したのだ」
ルノーがアブダビGP向けにパワーユニットの供給を差し控えるかもしれないという可能性について尋ねられたトストは、次のように語った。
「我々は契約を結んでいる。我々はこれまで、何らかの条項を破ったことはない」
プロスト「ルノーは”汚いやり方”をしない」
ルノーのスペシャルアドバイザーであるアラン・プロストは、ルノーがトストのインタビュー内容に反応して、コンストラクターズランキング6位をトロロッソから奪うために”汚いやり方”をするという可能性を否定した。
トロロッソは現在コンストラクターズランキングで6位につけているが、ルノーのワークスチームはわずか5ポイント遅れの7位となっている。
「我々はこのゲームに参加することを望んでいない」
プロストはそうスカイスポーツF1のインタビューに答えた。
「私はトストの言ったことを、ただ聞いただけだ。そして明らかに、ひとつ確かなことがある」
「ご存知の通り、ルノーはF1に長年関わっている。そして我々は、すべてのチームに全く同じエンジンを供給することを証明する。他のメーカーは決してそうではない」
「ひとつのポジションを奪うために、汚いゲームをすることは決してない」
そしてプロストは、次のように付け加えた。
「トロロッソは、アブダビでもエンジンを持っているだろう。これについて疑いの余地はない」
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この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | レッドブル・ホンダ , ルノーF1チーム , アルファタウリ・ホンダ |
執筆者 | Lawrence Barretto |