ピレリはオーストリアGPでのセバスチャン・ベッテルのタイヤバーストを受け、各タイヤの推奨最大ラップを発表した。
オーストリアGPの決勝レース、ベッテルはスタートでスーパーソフトを履き、最初のスティントを他車より大きく伸ばした。しかし最終的には右リヤタイヤがバーストしてしまい、リタイアに終わっている。
この原因についてはデブリなどの外的要因と結論付けられたが、フェラーリがタイヤの性能を超えて長く走りすぎたのではという憶測が絶えなかった。
この状況をクリアにするため、ピレリは今回、各コンパウンドの最大走行距離の推奨値を公にした。ピレリはリリースで、「我々のアドバイスは、この数を超えていない」と語る。
ピレリが明かした各コンパウンドの最大周回数の推奨値は、ハードが26周、ミディアムが28周、ソフトが15周となっている。
ハードの方がミディアムよりも走行距離の推奨値が短くなっているのは、ドライバーがハードタイヤでグレイニングを経験しているからだという。
この推奨値は規制ではないので、それ以上の距離を走ったチームがあったとしても、罰則が課せられることはない。
ピレリはこのようなアドバイスを毎戦行う必要性を感じておらず、タイヤに大きな負荷がかかり、その寿命が重大な要因に繋がる可能性がある場合のみ、明らかにするという。
なお、イギリスGPでピレリが計算する最速の戦略は、ソフト(12周)-ソフト(12周)-ミディアム(28周)の2ストップであるという。2番目に速いのは、ソフト(12周)-ソフト(12周)-ソフト(12周)-ミディアム(16周)の3ストップ戦略であるという。
なお、最も遅い戦略はソフト(12周)-ミディアム(20周)-ミディアム(20周)の2ストップであるという。
ミディアムタイヤは多くのドライバーが新品を残しているものの、新品のソフトタイヤを決勝に残しているのは、ニコ・ロズベルグ(1セット)、マーカス・エリクソン(4セット)、ジェンソン・バトン(2セット)の3人のみであり、ソフトを多用する戦略は、それ以外のドライバーには立て辛いかもしれない。