まるでウイングカー。アストンマーチン・ヴァルキリーが日本初公開

レッドブルF1と共同開発中のアストンマーチン・ヴァルキリーが日本初公開された。

  10月4日(水)、アストンマーチン・ジャパンは開発中のアストンマーチンValkrie(ヴァルキリー)を日本初公開した。

 レッドブルF1とアストンマーチンは長期にわたる新しい契約を提携し、今後もF1に参戦していくことをすでに発表していた。両者はF1参戦の他にも様々な提携を行なっており、その企画のうちのひとつがヴァルキリーの共同開発である。

 今回の発表会では、この日のために来日したデザイン責任者兼プレジデントであるマレック・ライヒマンがヴァルキリーについてプレゼンテーションを行った。

「我々は世界の中で最も速く素晴らしいクルマの開発を手がけています。そのクルマはストレートな道だけで速い訳ではありません。世界の道はストレートよりもカーブが多いですから、様々な道でロードカーとして素晴らしいドライビングフィーリングを感じられるように仕上げました。さらにドライブの楽しさを分かち合えるために素晴らしい性能を兼ね備えています」

「自然吸気12気筒のエンジンは1000馬力を発生させ、車重1000kgに抑えました。我々はパワーウエイト値を"1"に収めることにこだわったのです」

 アストンマーチンは"2016年F1マシンのパフォーマンスに匹敵するようなロードカー"を製造することを目標としており、このプロジェクトにはこれまで数々のF1チャンピオンマシンを手がけてきた”鬼才”エイドリアン・ニューウェイが関わっている。

 ヴァルキリーのエクステリアは車体下面に流れる空気流を活かしている。丸みを帯びたサイドパネルにはボディ下面に大量の空気を送れるように、フロントからコックピットの両サイドを通り、リヤのディフューザーへ通じるトンネルが形成されている。

 さらに今回日本で公開された最新バージョンにおける最も大きな変更点のひとつは、コックピットとフロントホイールアーチの間に設けられたスリットだ。この部分もフロントのダウンフォースを得るのに重要な箇所であることをニューウェイは発見したという。そこから覗くフロント・アッパーウィッシュボーンとプッシュロッドも、このレーシングカーの雰囲気を演出するのにひと役買っている。

 これらのエアロダイナミクスの仕様により、ボディ上部に複雑な空力デバイスを取り付けることなくクルマの美しいスタイリングを保ちながらも、ハイレベルのダンフォースを生み出すことに成功した。

 まるで1970年代のF1で一時期流行ったグラウンド・エフェクトカーを彷彿させるヴァルキリーだが、内装にもアストンマーチンのデザインチームによる"機能美"を追求したアイデアが詰め込まれている。例えば室内スペースを最大限確保するためにシートは直接フロアに設置し、さらに全ての操作スイッチをステアリングホイールに集約。車体の中央にコックピットを設けているものの、無駄を削ぎ落としたデザインによって大人2人が乗車することが可能なスペースが確保されている。

 車重1000kgに収めるために開発では全ての材質にこだわり、カーボンファイバーやマグネシウムなどを多用しているという。

 エクステリアデザインに関しては95%の完成度に達しており、今後顧客との打ち合わせによって仕様の変更が行われるようだ。販売予定の150台はすでに予約で埋まっており、これから購入を検討するのであれば次世代モデルになる。ヴァルキリーの価格帯は200万ポンド〜250万ポンドとのこと。日本円でいうと3億円〜3億7000万円だが、150台のうちの11台が日本に送られる予定だという。

 さらに製造予定の150台は2019年以降に顧客の元へ届けられるが、その後いずれかのモータースポーツカテゴリーに挑戦するために25台ほど追加製造するようだ。もしWEC(世界耐久選手権)に参戦する場合、LM-GTEクラスでは「300台以上製造販売しなければならない」というレギュレーションがあること、パワーウエイトレシオもLM-GTEクラスの標準的な数値を大きく超えてしまうため、LMP1やLMP2クラスに近い存在となるはずだ。そのレース仕様は、サスペンションアームをカーボンファイバー製にするなど、多くの変更が加えられるアイデアがすでにあることをライヒマンは語る。

 世間一般のスポーツカーとは一線を画したハイパーカーと言えるヴァルキリー。そのエキゾーストノートやレース仕様が気になるところだ。 

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この記事について
シリーズ F1
イベント名 アストンマーチンValkrie発表会
サブイベント アストンマーチン『Valkrie』
記事タイプ 速報ニュース